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&516

 いくら占いといっても……ね。私はある意味でこのククール神という神がなんというのか? ちょっと興味があった。だって本当に未来が占いで見えるのなら彼女は誰よりもこの宇宙が絶望で覆われてるのか……わかるだろう。


 未来なんて見えようはずもない。だって始祖の龍には勝てないんだから。そうなると占いで見た未来なんて予想つくじゃん。君たちの絶望と同じだよってね。それを言うのか? ここで更に絶望を与えることが果たして彼女にできるのか?


 そんな風に思って注視してたせいか? なんか今目があったような? 


「皆さん……私は……私には……」


 痛ましい表情をしてるククール神。きっと彼女もわかってるし、彼女にすがってる神たちもわかってると思う。もうこの宇宙には救いなんてないって。占いなんてできなくても、皆が未来をわかってる。


 絶望と言う未来で、そしてこの宇宙が終わるということ。最期は皆同様に始祖の龍の腹の中に帰るであろうって。でもだからこそ、皆はきっとククール神に期待してる。

そしてククール神も彼らが何を言ってほしいのかわかってるんだと思う。希望があるんだと……皆はいってもらいたいんだ。それでちょっとでも救われたいって思ってる。

 そしてククール神もそれがわかってる。でもそれは……他の神たちを騙すことだ。いや騙されてはないんだから違うのかもしれないが……皆の心を救うための嘘。でもククール神はそれを言うのをためらってる。

 それは占い師としての矜持なのかな? わからないが……そう思ってると彼女はとんでもないことをやった。


 ガシャーン!!


 そんな音が此の場所に響く。彼女は掲げた水晶をそのまま派手に割ったのだ。きっとその力を内部に伝えて溢れさせたんだろう。でもそんなことしていいの? だって水晶って占い師にとって商売道具みたいなさ? いやそれは普通の人間の占い師にとっては……か。

 そもそもが彼女は神だ。別に水晶がないと占いができないってわけでもないと思う。けどここまで持ってきて肌見放さずにいたのなら、それなりに愛着があるものだったと思う。それを壊すなんて……実際ククール神のことを知ってるであろう周囲の神たちは「一体何を!」とか「ああ、なぜ!?」――とかいってる。だからきっと普段はあれ使ってたんじゃない?

 けどそれで注目集めることはできた。そこで彼女はいうよ。


「私にはもう此の宇宙の先は見えません」


 それはまさに「終わり」の宣告だ。でも……彼女の瞳は絶望に染まってない? 私にはそう見えた。


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