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お前たちが諦めてどうするんだ!!
って言ってもいいが、私はそんな熱血キャラではない。それに私がいきなり出ていってそんなことを言っても……ね。それで動くやつがいるか? っていうね。だって私のこと知らないやつのほうが多いだろう。
ならばこの美貌で言う事を聞かせる? できなくはないかもしれないが、それで動く奴らも全部じゃないよね。私の美貌なら全ての奴を虜にできる!! っていう自信はあるけど……神や龍とか竜ってほら、変なやつ多いし?
それに根本的にちゃんとした思いってやつって大事だと思う。私が言うから? 言ったから? それで本来の……いや、本来ではだめなのだ。なにせ相手は始祖の龍だ。あの現宇宙の原点にして、創造主だ。
だからこそ、神や龍やら竜達の本来ではたり得ない。それは彼らだってわかってるだろう。てかわかってるからこそ、逃げ出してるんだもんね。でも逃げ出して解決することなんてない。だって彼らには逃げ場なんてない。新生宇宙? 私が彼らが受け入れるわけない。私は私の楽園を作るのだ。
そこに彼らが必要か? と考えたら……いらないよね。だから彼らには頑張ってもらうか、ここで終わるかしかない。
「考え方かもね」
『考え方?』
さっさとどうにかしろ! というニュアンスのイライラがウサギっ子からは伝わってくる。今現在始祖の龍の標的はウサギっ子たちだろうからね。今にも死にそうなのに呑気に話をしてたら……私でもキレるよね。
でも聞いて欲しい。
「そう、確かに現宇宙は始祖の龍によって終わるかもしれない。でも始祖の龍は再び新たな宇宙を創造する。だってそうしないと始祖の龍は食事できないからね」
食事が始祖に必要なのか? って疑問はある。多分基本食べなくても大丈夫だ。でも私も食事はしてるし、始祖の龍もそうなんだろう。私の食事なんてとっても健全だ。始祖になったからって始祖の龍のように宇宙そのものとかを求めてるわじゃない。
私が求めてるのは料理だからね。美味しい料理、デザート! それでいい。でも始祖の龍が食に求めてるのは違うんだろう。いや、始祖の龍にとっては宇宙で育った者達が最高の美味! なのかもしれないけど。
『それって新たな宇宙で再び生を受けられるからいいってこと?』
「そういう考えもできるってこと」
蝶がいってたよ。
『でもそれは、もうここで生きた存在じゃないんじゃない?』
「それはそうだね」
否定しないよ。でも、この状況でも戦わない奴らなんて……ね。それがふさわしくない? と思う。




