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再び戻ってきた。現宇宙の前にね。下手に蝶と接触すると再びこの無が始祖である私たちを引き離す可能性がある。だから力を平穏にしつつ、私たちは互いに影響を与えないようにしてた。
私はできてたかわかんないけど、蝶は私よりも始祖歴が長いからそこら辺上手かったと思う。
「それじゃあありがとう」
『行くの?』
なんか寂しそうなのが蝶から伝わってくる。それなら手伝ってくれたら……
(いやそれはだめだよね)
始祖は影響がすごい。この蝶が手伝ってくれたら始祖の龍に勝てる可能性はぐっとあがる。でも……始祖の力のぶつかり……それに対してこの無がどういう風にするかわかんないよね。宇宙の中では何もしないかもしれないけど、なにか起きるかもしれないし。
「これは私の選択だからね。そっちもそっちの選択を尊重したらいいよ」
私はそういった。十分感謝はしてる。色々とこの無のこともわかったし、始祖のこともちょっとわかった。この現宇宙はどうなるかわかんないが、ここと心中する気はないし、私はこれから新生宇宙を育てないといけない。
その中でうまく外の始祖とか無との付き合いとかさ、あの始祖の龍よりもうまくできたら、現宇宙よりももっといい宇宙作れるかもしれないじゃん。私が、始祖の龍のようにならない……とは言えないからね。
もしかしたら始祖は最期には生み出した物を自身で破壊する――とかいう宿命みたいなさ……そんなのがあるかもしれない。蝶をみてたらそんなのはないと思うが、でも蝶は何も生み出してない始祖だからね。他の生み出してる始祖がどんなのかわからない。もしかしたら蝶は、無意識でそれがわかってるから、何も生み出さないのかもしれない。
まあわかんないけど。
『……私たちは友達だよね?』
「どこにいっても友達だよ」
『うん』
すうーと消えていく蝶。私は現宇宙をみる。早速中に……と思ったけど――
「ん? なんか小さくなってない?」
いや小さく……というか色々と穴が空いたり、端っこはなくなったりしてる。崩壊……しつつあるってことなんだろう。このままなかに行っても……ね。私はきっと始祖の龍には勝てない。正面から戦うつもりはないが……
「ここからできることをやっておこう」
そういうこと、大切だよね。ひよってるわけじゃないよ!?




