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&493

「それじゃあ私達友達になろう」


 私はそういって手を差し出す。パタパタと前を進んでた蝶がこっちを振り返る。そして声が伝わってくる。


『友達……私もなれる?』

「私が受け入れてるんだからなれるよ」

「そっか。うん、それは嬉しい――」


 その瞬間だった。私達は友達になった。そう思った瞬間だった。この無にとてもまぶしくて、そしてゴゴゴとなんか音がした……と思ったら、再び変な場所にいた。さっきまでは白い無だった。どこまでもどこまでも広い空間が広がってそうな……そんな無だった。


 じゃあここは? 新しい無の一室かな? でもなんかそうじゃないような? ここは暗い。さっきまでの白い場所とは違って暗い。そうなると宇宙? とか思うけどどうやら宇宙ではない。

 そして……


「なにここ?」


 そんな風に私は呟く。遠くにみえるのはなんだろうか? 螺旋? その半分? 半円が何十にも描かれてるようにもみえるね。その一つ一つは小さな光を放ってて、この暗い場所でそれを半円だとわからせてる。

 あの半円の光一つ一つが実は星とかだったりするだろうか? だって遠くにから銀河を見たら、あんなだよ? たくさんの光は銀河の中の星々の光ってね。でもここは宇宙じゃない。ならば、星ではないだろう。


「おーい」


 私は蝶を探すために声をだす。だって蝶ならここが何なのかわかってると思ったからだ。わたしたちは友達になった。それは間違いない。そしてその瞬間にこんな場所にきてしまった。なにこれ? 意味わかんない。けど蝶なら何か知ってるかもしれない。だから探してる。

 すると、どこからともなくヒラヒラと舞い降りてくる蝶が一匹。


『ごめんなさい』

「よかった、いてくれた」


 私は安堵した。だっていきなりこんな場所に来たんだよ? びっくりするじゃん。でもふと気づく。


「あれ? イメチェンした?」

『イメチェン?』


 イメチェンがなにかわかってない蝶になんかさっきまでと違うくない? といってみる。するとこんな返答が帰ってきた。


『この場所の私はこれなの』


 とね。この場所の私? それってさっきまでの場所とは違う場所にいるって事? いや確かにさっきまでの白い無とは全く違うよ? 


「何が起こったの?」


 私は様々な疑問を内包した言葉を蝶に投げかける。すると蝶はこう言ってきた。


『ごめんなさい。やっぱり私達、友達には成れない』


 ――とね。

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