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「それじゃあどうしたら効率いいのよ?」
私は答えを求めるよ。実際、そんなにここをウロウロとするつもりはないから、今だけでもこの蝶に頼る……というのが正解なような気もする。でもさ、自身の宇宙……新生宇宙の外がこんなふうになってて、蝶はまだいいけどさ、始祖の龍のような奴が外からやってきたら?
そんなのは困る。だってあれは暴である。やってきたら迷惑極まりない暴。そんなのが外から勝手にやってくる……となったら大変だ。そうなる前に対策をするためにも、この無のことをもっとしておいたほうがいいのは確か。
だって蝶以外にもいそうじゃん? ここにこいつしかいないとか思えないし? 始祖はきっとそんなに多くはないだろうがいるだろう。それらが他全部始祖の龍みたいな奴らだったらどうする?
絶対に嫌だ。
『どうしたらいいとか言われても、私は慣れてるから、なんとなくここからああなって、こうなってそうなってる……ってわかるの。感覚だよ』
「感覚……」
それじゃあどうしようもないじゃん。確かにずっといた蝶はこの無の場所の特性とかもう体が覚えてしまってる……というのはあるんだろう。だからなんとなくでもわかる。でも私は今体感してる状態だ。
だから慣れ……なんてまだまだ。
『私がいたら大丈夫だよ?』
親切な事を逝ってくれる蝶。その親切心はどこからくるんだろうか? 私は見た目通りの美少女だけど、心まで美少女かというと……ね。生きるためにすり減ってきたからすさんでるところだってある。
まあ悪女とはおもってないけどさ……だからそんないきなりあったやつに親切にされるとなにか裏があるんでは? と思ってしまう。だって自分のメリットにならないことなんて普通はしたがらないじゃん。
私が強欲ではなく、普通はそうだろう。だって面倒なだけだ。でもこの蝶はそれを提案してる。だから警戒しちゃうよね。
「なんでそんなに良くしてくれるの? おしゃべりできるから?」
『よく? うーんよくわかんない。初めてだからかも。私以外の存在が。だから一緒にいたいの。色んな所にいったけど私の事誰も認識してくれないから』
「色んな所? もしかしてさっきの宇宙にも?」
『うん』
なんとこの蝶はただ無を漂ってるだけじゃないらしい。まあこんな何もない場所暇しか無いだろうしね。ああいう宇宙を発見したら、とりあえず行ってみよう……となるのもわかる。最初は警戒してたりするかもしれないが、変化がないのなら、とりあえず行ってみるよね。
でもどこでもこの蝶は認識されない? 外からの……完全に『外』の存在って実は宇宙では存在が感知されないの?




