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『宇宙ですか? それって命が溢れてる場所ですか?』
「多分それだけね」
宇宙という言葉もしらないのか。でも命はわかるらしい。その生命が集まっでる場所が私の求めてる宇宙なのかはわかんない。けどとりあえず案内してもらうことにした。
『貴方はそこから来たの?』
「そこが私の宇宙だったらそうかもね」
私は適当に返事をしてる。だってこの蝶がきになる。色々と探ろうと思ってるんだけど……はっきり言って何もわからない……というのが正直なところだ。私は自分ができる力を使って調べてるんだけど……何もない……というのしかわからない。
でもなにかこの感覚は間違ってるような? 気がする。
(何もない……じゃない。深い?)
それかもしれない。深すぎて足がつかないのだ。深すぎて、どこまででも受け入れる。だからこそ、何もないように思えるとか……そう考えるほうがしっくりくる。まあ正解かはわかんない。
違和感に適当に理由をつけただけ……のようなきもする。やっぱりこの蝶も始祖なのかな? 私と始祖の龍だけが始祖とは思ってなかったし……無にいたからその可能性はとても高いんだよね。
『ついてきて。案内してあげる』
ヒラヒラと飛んでる蝶。私はそれの案内に従うよ。歩く度に周囲が歪む。上下がわからなくなって、自身の身体も伸びたり縮んだりしてる。でも、はっきりと蝶は見えてる。その鱗粉……それが道になってるような気がする。後ろに付いてるけど、この場所ならすぐにはぐれてもおかしくないからね。
ずっとその背を追っていけるのはきっとこの蝶が道を確定させてくれてるからだと思う。
『あれだよ』
「宇宙ってあんな形してたんだ」
宇宙を外から見る……なんてないじゃん? だからそんなふうに呟いた。あれが本当に現宇宙なのかはわからないが、その形は砂時計みたいになってる。それだと中央のほうが狭いじゃん? いや知らないし? そもそもあの形に意味があるかも謎だし? けどそうなると……だ。そうなると……
(私の新生宇宙はどんな形してるんだろう?)
それである。でもなんとなくわかる。それはハートである。きっと私の新生宇宙はハートの形をしてると思う。だって私の宇宙だよ? かわいいに決まってる。うん、間違いないね。




