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「やめてようざったい」


 そんな風に私が足を使ってウサギっ子の脚にツツーと這わせるのがいやみたいだ。滑々だからこっちとしてはずっとスリスリとしてたい。いやこんな程度のスキンシップでは私は満足できないけどね。


「私、疲れてるんだよ?」

「あっそ」


 ひどい! そこはベッドにいこうか? というところでしょうが!! それで回復をするためにも二人でベッドでとイチャイチャとする場面でしょうが! 


「もう、そうじゃないでしょ! 回復を手伝ってくれないと」

「そんな時じゃないでしょ。向こうは大変なのよ?」

「それって私に関係ある? いや、私たちに関係ある?」


 実際今や……だし? 必要なものはもうこの新生宇宙に移してるし? あとはヴァラヴァレレイドくらいだ。彼の気持ちの問題? それに実際疲れたのも事実だ。だってこっちは始祖の龍が復活してから、向こうの神たちよりも戦ってるからね。

 まったくの部外者だというのに、どういうこと? ほめてほしいくらいだよね。そしてそれはウサギっ子もだ。だって彼女にとって大切な人たちももうこの新生宇宙にあるのだ。ウサギっ子にとってはもう現宇宙にこだわる必要なんて……ね。ない。

 まあ最後の問題はウサギっ子自身だけど。なにせまだウサギっ子は現宇宙の方の神だからね。私の眷属的な神だけど、彼女が神になったのは向こうの宇宙。なので向こうの神だ。けどウサギっ子はこっちでも何ら問題なさそうだから、急ぐ必要はないんだろう。それなら……ね。


「あぁーちょっと肩こっちゃったなぁ……」


 私はこれ見よがしに肩をトントンする。ウサギっ子よりも私の方がある――からね。別にマウントとかじゃないよ? こればっかりは仕方ないことなのだ。


「いや、神の体で凝るなんてないでしょ」

「そんな正論はいりません」


 私はきっぱりといってやった。確かに神の体が凝るなんない。いや、倦怠感とかは普通にあるし、一応肉体を再現してるから、ないわけじゃない。ただそんなのは幻覚に近い感覚なわけで、ちょっと意識すればなくすことができる。そんなものである。

 だからウサギっ子もそれを言いたいんだろう。凝ったのならなくせばいいってね。でもそうじゃないじゃん? 生物だって大体は寝たら回復する。けど、それで本当に満足なのか? といったら違うじゃん。すべてが睡眠によって解決するのなら、ほかの娯楽なんてものは必要ないわけでさ……でも世の中には娯楽が溢れるのが文明である。

 つまりは疲れをとるにもバリエーションが必要……というわけだよ。


 パチン――そんな風に指を鳴らす。するとその場が変革する。ティーテーブルとお茶とお茶菓子は消えて、大きなキングサイズの真っ白なベッドか現れて、ついでに演出としてそのベッドの範囲を照らす怪しげな紫色の光を放つライトも生み出した。そしてそのベッドに四肢を括りつけられてるウサギっ子の姿。


「ちょっと! 何すんのよ!!」


 暴れてるウサギっ子。神の力も使ってるけど……ふふ、私に通用しないよ。だって私は始祖だ。この宇宙は私がルール。ギシッ――とベッドの端に膝小僧を乗せるとベッドがたわむ。まずはそうだね。下の方からいただくとしようかな? 

 私は舌なめずりをした。その時だった。


『ラーゼ!』


 なんか切羽詰まったようなズラララバライトの声が聞こえてくる。なに混ざりたいとか? かわいい女の子になってくれるのならいいけど……とか冗談いえる感じじゃないな。


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