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「ヴァラヴレレイド……あんたは今でも、現宇宙を救いたいと思ってる? それがどれだけ困難か、もうわかったでしょう?」
大体私が現宇宙に関わってるのはヴァラヴレレイドがこだわってるから……だ。だって私の陣営で現宇宙にこだわってるのはもうヴァラヴレレイドしかいないからね。一応ズラララバライトには私よりもずっと付き合いが長い上位の神……とかいたとおもうんだけど……だって大体は古龍はどっかの上位の神についてたりしてない?
ゼーファスにだって仲良い古龍がいたようだし……他にもそういう風に上位の神は古龍とパートナーとなるのは多いらしい。いや、そもそも古龍の数も少ないし、上位の神もそんなにいないから、例外はいるだろうけど……
ヴァラヴレレイドは答えない。私の質問に答えないとか普段なら許されないよ。けど、今は仕方ない。だってヴァラヴレレイドは封印されてるからね。新生宇宙の力を取り込むわけにはいかないのだ。
だからこの処置は仕方ない。現宇宙に戻して封印を解く必要がある。でも……それをどのタイミングでやるか……難しい。だってこのままじゃ負け戦は確実だ。そんな所に水々ヴァラヴレレイドを戻す? 同じようにしてるルドルヴルヴはまだいいけど……ヴァラヴレレイドは私に忠実だからね。
死ぬとわかってる戦場に向かわせるのは気が引けるっていうか? せめて事態が好転したら「いまだ!」と思えて嬉々として送り出せるんだけど……今の所その芽はない。そうなると……ね。
寧ろ……である。寧ろ……
「このまま何も言わずにこっちに存在を移すか?」
「そんな事したら彼、怒るわよ? いえ、あんたには何も言わないかもね。なにせ彼、あんたの事大好きだし」
「まあね」
一緒にお茶とお菓子を嗜んでるウサギっ子がそんな事をいってくる。私はそれに自信満々に愛されてるアピールをしてあげる。なにせ私愛されるための存在だし? これは当然なのだ。
皮肉だったのかウサギっ子はちょっと引いてるが、そこで「けど……」続けた。
「けど、きっと彼はこのまま連れてこれらても後悔する。あんたに言わないし、責めないだろうけど、きっとね」
「……ふん。生意気よ」
私はそう言ってもう一度ヴァラヴレレイドを見る。そんなのわかってる。だから付き合ってあげてるんじゃない。そろそろ諦めてくれないかなぁーっておもってる。けど、ヴァラヴレレイドは案外諦めが悪いんだもん。




