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「ヴァラヴァレレイドやルドルヴルヴは?」
「封印しとるよ」
「そっか」
「うーん」
ガサゴソ……私のベッドがもぞもぞとしてる。それは私の動きで……というわけじゃない。私のほかにもう一人分のふくらみがある。このベッドには私が一人で入ったはず……私は白い毛布を持ち上げる。するとそこにはなんか見たことない男の子がいた。黒い髪にに真っ白な肌のかわいらしい男の子。七歳くらいかな?
そんな子が私の腰に抱き着いてその顔を私の肌に押し付けてる。心なしか、絡めた脚がすりすりしてるし、その腰もなんかヘコヘコしてる。この子変態か? いや、わかるけどね。だって私のベッドでそれに毛布の中なんて、私の匂いが充満してたはずだ。それは私の匂いに包まれてたようなもの。それに異性が……男の子が我慢できるわけはない。だって私の信者とかなら私の匂いだけでピュッピュ出来るくらいだからね。
そんな匂いに包まれて私の肌に触れてる……それで我慢してろ……なんてのはある意味で拷問だ。でもだからって勝手に出しまくるのは困るけど。
ズラララバライトと会話してて、彼がこいつを見逃してった事は、この男の子が誰なのか、おのずと答えは見えてくる。まあこんなことをズラララバライトが見逃すのは珍しいが……ズラララバライトだって私の事が大好きなはずだし? 下手にベッドに他の奴が潜り込む……とか許さない系じゃん? 案外ズラララバライトは私への執着が強いというか?
そんなことを思ってたのに、こんなことを許すとなると、私に近い存在ということ。このタイミングでこうやって普通にこの新生宇宙で存在を保ってられる存在……それは……
「ドラグ、何やってるの。勝手に潜り込まないで」
「うぅ……ラーゼ様ぁ」
「うっ……」
涙目で私を見上げてくるドラグ……だった男の子。ドラグの奴は現宇宙ですべてを出した。出し切ったといっていい。そんな空っぽになったドラグだけど、なんとか私が向こうの輪廻から奪い取って、こっちの新生宇宙で再誕させた。それがこの男の子だ。
一歩間違えば始祖の龍へと吸収されてその存在事食われてしまうところだったドラグだけど、ほかの神たちを招きこんだことによって、なんとか私はぎりぎりドラグの魂を回収することができたのだ。体はね……もれなく全て始祖の龍へと食われた。
でもあれは仕方ない。大切なのは体ではなく魂だから問題ない。そもそも現宇宙の体はこの新生宇宙では生きてけないからね。だからこそ、ヴァラヴァレレイドもルドルヴルヴもズラララバライトが封印してるのだ。
まったくの干渉不可の空間を作ってそこに二体の龍を閉じ込めてる。
「はあ、それでこれからどうするの?」
そういってくるのはウサギっこだ。彼女は優雅にティータイムをたしなんでる。あいつもまだ現宇宙の神のはずなんだけど……なんであいつは無事なんだ? なんかウサギっこはやけに耐性? がある。普通ならまったくもって別の宇宙である新生宇宙には現宇宙の存在は相いれないはずなんだけどね。
まあ突然変異……みたいなものなのかもしれない。適応力が高い個が進化の過程で生まれる……というのはないわけじゃないだろう。それにウサギっこを神にした時には私はもうすでに新生宇宙の始祖でもあった。
だからその影響がわずかばかり影響してたとしてもおかしくない。さて……ここからどうするか……だよね。




