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「早く……早くなにか起きなさい!」
私はそう言うよ。アクトパラスとゼンマイがなにかを狙ってこの状況を作り出してのならさっさと動き出してくれないと困る。アクトパラスは今やその姿をただの膿のようにして始祖の龍へととりついてる。そしてドクンドクンとそこで脈打ってる。だから生きてはいるはずだ。
なのにきっとアクトパラスは始祖の龍になにかしてるとは思う。でも……相手は始祖の龍だ。私ならともかく、現宇宙の存在がなにか出来るのか? ってずっと思ってる。けどそもそもそが始祖の龍に取り付いて、そしてその存在が未だある時点でなにか特殊なことが起きてるはずだ。
だからまだワンチャンあるんじゃないのか? って思ってドラグが頑張ってるわけで……これで始祖の龍の体にどんどんとアクトパラスの膿が広がってる……とかなったら、侵食が進んでる! と思えるだろう。けど小さくなってもないが、大きくなってるわけでもない。そこにアクトパラスはあり続けてる。
本当なら食われてるはずなのに……不味い……とか? もしかしたらアクトパラスは食われないために不味いエキスを出してるのだろうか? そういう生物がいたような? そもそもだ毒とかも、相手に打ち込む……狩りに使うためでもあるが、自分が餌にならないための手段で自分の中で毒を生成する様になったはずである。
けど……
「現宇宙の存在なら、すべて始祖の龍はねじ伏せられるはず……」
いくら体内で毒を生成しようとも、始祖の龍ならそれ事食っても問題なんてないはずだ。どれだけ不味くても、一瞬で食えるのが始祖の龍だろう。だからハッキリ言って、毒とか不味いとか、理由にならない。
下手に始祖の龍になにかやる……というのは自殺行為になりかねない。ならばどうしてアクトパラスは許されてるのか……
「アクトパラスは寄り添ってるのかな?」
毒とかまずそう……とかじゃなく、なにかアクトパラスはメリットを始祖の龍に与えてる? だからこそ、まだその存在を食われてないとしたら? それはある意味で共生……それを始祖の龍にアクトパラスは持ちかけたのだとしたら? それだと、アクトパラスが動くってことはないのかもしれない。
だって下手に反旗を翻すなんてしたら殺されるわけだからね。共生を認められたのなら、その位置にいるのが一番安全だ。けど……
「アクトパラスとゼンマイがそんな甘い選択をするわけない」
私はそれを確信してる。




