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&462

 ドラグの存在が薄くなってるのがわかる。距離なんて関係なく、私にはわかるのだ。だってそれが私とドラグの繋がり……けど私がここで手を出す……ことはできない。だって私がここで新生宇宙の力で干渉したところでそれはただドラグをより長く苦しめることになるだけだ。

 自身のすべてを吐き出してまっさらになろうとしてるドラグ。それは力が大きければ大きいほどに苦しく、そして怖いことだ。だって大量にある力は自信になるだろう。拠り所にだってなるはずだ。

 これだけの力があるから「まだ自分は大丈夫」――そうも思える。神や竜やら龍はそれこそ力が他の存在よりもより強大で強力だ。だからこそ、神であり龍・竜なんだ。ある程度はそれこそ遠慮も容赦もなく使いまくったっていいだろう。

 バンバンと天変地異なんてチャンチャラおかしいくらいの事がいくらだってできる。なにせ神たちは宇宙規模だ。地面を割る? 大津波を発生させる? 天候を操る? それらはすべて天上を超えた神とか竜・龍達には児戯に等しい。そんなの指一本でできる。スケール感がまるで違うのだ。

 神や龍達の規模感は宇宙を揺るがす……とか、星を砕く……とかのスケール感である。それだってめちゃめちゃできる。でももちろん神や龍達の力だって有限だ。途方もなくあるけど、それらは無限じゃない。使えば当然減る。

 そして神は何度も言ってるが、エネルギー体だ。肉体は物理的にあるわけじゃなく、力によって再現してるに過ぎない。龍や竜にはちゃんと肉体があるが、その途方もない姿を維持してるのは力である。

 だからこそ、どちらもあるところを堺に何でもバンバンとやる……という事ができなくなる。それはまさに神や竜とか龍の危険域を示してる。すべての根源である力が何よりも重要だとわかってるし、それらがなくなると本当の意味での「死」がやってくるからだ。


 だからこそ、ある程度は絶対に超えては行けない一線……がある。それを振り絞る……なんてことはしない。神とか龍とか竜は自分が死ぬなんて思ってないからね。死を体験したとしても、なにげに復活してる奴らは相当数いるだろう。

 それは本当の死にまではいかないからだ。でもドラグがやろうとしてるのはすべて……それこそ最後の一滴まで力を絞り出すような行為。


 雑巾だって最後の一滴まで水分を出そうと思うと自分の手の方が痛くなるだろう。それと同じだ。自身の中から最後の一滴まで力を振り絞るなんて、本当なら本能が拒否する案件だ。


 だって自己防衛でそんな事はやめろ! って言ってくるからだ。でもそれを押さえつけてでもやらないと行けないとドラグは理解してる。それが新生宇宙で再誕するための絶対条件だからだ。


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