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「あんのバカ……」


 でも、ちょっと嬉しい気持ちもある。だって今までドラグが私に反抗してきたことなんてあっただろうか? いやない! たぶんね。けど大体はドラグは私の事を全肯定してくれる存在だったと思う。

 まあきっと私が生み出したってのか大きいんだろう。ドラグは死ぬ気だ。ここで……この場所で……それは間違いないだろう。


 でもそれは後ろ向きな死じゃない。ドラグも言ったように「生まれ変わらせればいい」――のだ。そしてそれが私にはできる。そもそもが私陣営の皆はそもそもが全員そうさせる気だった。

 星事移動させた人たちだって、気付いてはないが大体皆が一度死に、そしてよみがえらせてるのだ。つまりはそれはもう私の中では特別な事……じゃない。だって一つの星にどれだけの命があるのかである。人類……とかのくくりじゃなければそれこそ数兆とか……いや、そんな単位では絶対に足りないだろうくらいの命があるのだ。

 そこに1増えようが、別段特別感が増すようなことはない。まあそこらの星に根付いてる命を復活させるのと、ドラグのような竜を復活させるのではさすがにいろいろと違うところはあるけどね。でも古龍であるズラララバライトも私は新生宇宙で復活させたんだ。

 ならばドラグも行けるだろう。そこはまあ……前例がもうあるし? 心配はしてない。でも命を懸けることに変わりはないんだよね。


「うん、ドラグは命をかけてる。なら、返してくれるんだよね?」


 私はそうつぶやく。その言葉の先には誰もいないようでいるのだ。もちろんそのつぶやきは届いてるはずもない。私はアクトパラスとゼンマイにいってる。ゼンマイはすでに始祖の龍に食われたけどさ、あいつの事だ。ただで食われたなんて思ってない。

 そしてアクトパラスはまだ始祖の龍に寄生してる。本当なら簡単にどうにでもできそうなはずなのに、始祖の龍がどうにもできてない……まだ奴がそこにいるのが、おかしなことだ。

 だって始祖の龍は始祖なんだ。現宇宙の中ではできないことなんてない……ハズ。でもアクトパラスを引きはがしたり、むしろ取り込んで食い尽くすってことをやってないのだ。

 できないなんて思えない。だって始祖だし? 私も始祖だからわかる。「できないはずがない」ってことが。


 でもそれをやってないのには何かある。始祖の龍は考えて動くようなやつじゃない。やってないんじゃなくて、できないんだろう。不快な奴を追い出さないとか、食わないとか、あいつのことを考えるとありえないと思える。


(一体二人は何をやってるんだろう?)


 私はそんなことを考える。けどその間に、どんどんとドラグが小さくなっていくのを感じる。本当に出し尽くす気だね。でもそうじゃないと完全にこっちに迎えることができない。

 ズラララバライトだって自分のすべてを出し切って自爆したからね。なるべく魂はまっさらになるのがいいのだ。死ぬ……としてもそこらの龍やら竜やら神は次を見据えて多少の力は残すものだ。

 だって彼らは大体不滅で、死んだとしてもほどなくしたら復活できる。そして記憶とかもなくなることはない。普通なら輪廻に戻って転生するとなったら魂はまっさらになる。でも宇宙で暮らしてる存在はそうじゃない。

 龍や竜、神は自己を失うわずに復活できるのだ。まあそもそもが彼らは死の後に転生ではなく復活だからね。普通の生物なら死の後は転生だ。すべてをリセットしてニューゲームが始まるのだ。

 けど龍達は、神たちはそうじゃない。ニューゲーム+が始まるようなものだ。

 だから普通は多少は力を残してるものだ。そもそもが魂にまだしみ込んだ力を吐き出す……というのは難しい。それこそ神とか龍とかでも必死さが必要になるだろう。絞り出さないといけないからね。

 でも宇宙を……根本的に宇宙を移動する……というのはそれだけの覚悟が必要ということだ。


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