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『征けアクトパラス……こちらのことなど気にせずに……魂を何度でも壊して……』


 私は別にゼンマイの方を見てたわけじゃない。むしろ、ドラグもヴァラヴレレイドもむしろそっちは全く見てなくても、腫瘍のようにどんどんと始祖の龍の体を蝕むように大きくなるアクトパラスに乗っかって皆で総攻撃だ! という気分だったと言っていい。ゼンマイはどうせ聖杯に頭を突っ込んだ状態で変わらないだろうって思ってたし? 

 実際それは変わってないと思われる。でも、その言葉が私の頭というか? なんか内側に伝わってきた。もう全く持って私とゼンマイ、そしてアクトパラスとの関係性はないはずだ。現宇宙の神であったときは私もあの宇宙のあの辺境の三柱だった。小さな宇宙を三等分にした神の一つ……であった。

 だから他の神よりも強いつながりはあった。身内って感じだったわけだ。でも、新生宇宙を得て私は現宇宙からその存在を離した。こうなったらもう、私とゼンマイとアクトパラスのつながりはほぼなくなったといっていい。

 なのに……だ。なのに、なんか聞こえた。他の皆は……


「ぬおおおお!」

「うおおおおおおおおおお!!」

「はあああああ!」

「ぜあああああああ!!」


 うん……みんな大変そうで気付いた感じはない。やっぱり戦闘してたら、ちょっと届いた声なんかに気を回してる場合じゃないよね。いや、それば届いてはないのかもしれないが。でもどうやら今の声は私しか気づいてないみたい。アクトパラス? やつの事はわかんない。だって今も始祖の龍に取り付いてるからね。

 ただの腫瘍みたいなになってるから、あれで知性が残ってるのか……もしかしたらすべてを犠牲にして始祖の龍の体に寄生することだけをする存在になってる可能性もある。


「今の言葉……」

『どうした?』


 ズラララバライトは私のつぶやきに反応する。私は同じように腰を落ち着けてるズラララバライトに今の声の事を聞いてみる。


「ねえ、今の聞こえた?」

『何がだ?』

「今の声だよ。きっとゼンマイの声……」

『ふむ……』


 そういってズラララバライトは大きな頭を振るう。やっぱり聞こえてないか。てか普通は聞こえるわけはない。てか本当に聞こえたんだろうか? なんかちょっと自信がなくなってきたぞ。だってここは新生宇宙だ。

 本当なら聞こえるわけない。だってもうゼンマイとはなんの繋がりもないんだ。それだと普通は聞こえない。その筈……


『魂を……変えろ』


 けど……やっぱり聞こえた。実はわたしたちの繋がりはまだ残ってる?

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