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アクトパラスのゼンマイは私を見上げてくる。本当ならもう龍の姿をしてる意味なんてないんだが……でも今更私の姿を見せるのもね。それに今の私は始祖だ。それを感づかれたくないってのもある。龍の姿なら、そっちに意識がいくのか私の力の変化? には気づいてなさそう。いや気付いてるのかもしれないが、龍になったから……と思ってるのかもしれない。
「なに? なにかよう?」
「どうするつもりだ? この場所もなくなったら、すべては終わりだぞ。なんとかここで踏ん張らないと!」
アクトパラスが熱くそんなこといってくる。まあアクトパラスやゼンマイは私の宇宙はここだけとおもってるだろうし? 私が実はこの宇宙はもうどうでもいいって思ってるなんて考えてもないだろう。けどここで私が「ふーんそれが?」なんて態度をとることはできない。だってそうしたら私がここに執着してないとばれる。実際アクトパラスなら簡単に騙せるだろうしこいつの事は別に懸念ではない。でもゼンマイは頭脳担当だ。
こいつは私がこの宇宙に執着しない理由とか考えるだろう。今だってきっと私が龍になったことをいろいろと考えてるのかもしれない。実際新生宇宙の事はもう二人にいう気はないっていうか? だからここは隠し通したい。結局私たちは仲間……じゃないんだよね。ただお互いを利用してただけ。そんな関係の奴を新生宇宙に連れていく? 無理無理。
それに下位といっても神だし? もしも新生宇宙で過ごすとなったら、その力の変換はとても大変だ。魂を変えないといけないからね。それは実際、今ここにいるルドルヴルヴやヴァラヴァレレイド、それにウサギっ子やドラグにもいえる。みんな軸をまだこの現宇宙に残してるから、今のままでいいんだけど、本格的に新生宇宙に来る……となったら、今の肉体と力は捨ててもらわないといけない。
ズラララバライトみたいにね。本当なら早々に大切な皆は新生宇宙に移したいところだ。けど、ここをあきらめきれない奴らがいるからね……だからこうやって付き合ってる。まだヴァラヴァレレイドもルドルヴルヴもあきらめてないのかは謎ではあるけど……だってかなりもう……ね。詰んでない?
「ここで踏ん張る? それで勝算はあるの?」
「それは……」
「なんで始祖の龍に倒されて何度も復活できるのかは知らないけど……でもそれで始祖の龍を倒せる算段があるの? それなら聞いてあげなくもないわよ」
私はとりあえずアクトパラスとゼンマイがまだ諦めてない理由を知りたいなっておもった。でも悠長にしゃべってる暇はないのも事実。だから簡単な返事だけ聞いてあげることにした。
「勝てるの? そのつもり?」
「やってやる!」
勝てるとは言わないのか、無駄に正直なアクトパラスらしい。こいつはバトルジャンキーだけど、馬鹿じゃないからね。そこまで言うのなら、私たちが逃げる時間を稼ぐために始祖の龍にぶつかってもらうのがいいかもしれない。いやほら、勝算がないわけじゃないみたいだし? これはアクトパラスとゼンマイの意志でもあるよね!?




