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確実に始祖の龍はここに向かってきてる。てかその気になれば始祖の龍は一瞬でここに来れる。いや、そもそもが……
(くる必要ないな)
だって相手は始祖の龍だ。飛ぶとかそんなのする必要がないのだ。始祖の龍ならこの現宇宙の全てをつかさどってる。事象も現象も、運命だって宿命だって、始祖の龍なら思いのままだ。だから奴の場合は実際どこに至ってこの宇宙を食うことだってできるだろう。
でもやつは自ら移動して向かってきてる。距離なんてあってないような物なのにそこそこ時間がかかってるのは、どうしてか? アーミュラとでも話しでもしてるんだろうか? そういう間柄なのかはわかんない。てか始祖の龍とアーミュラの関係性は謎だ。アーミュラは始祖の龍のパートナーに選ばれた訳だし、始祖の龍はアーミュラをなんか気に入って守ってる。
その感情って実際何なんだろう? 恋……とか?
(いやいやいや……)
私は自分が考えたそれを自分で否定するように首を振る。だってね。始祖の龍が恋? そんなの口に出したら、ルドルヴルヴとかズラララバライトとかに笑われそうである。そもそも始祖の龍がどんな感情を持ってるのかもよくわかんないし。野生動物のように気性が激しい奴ってのはなんとなくわかる。世界を作り、そして自ら作った世界を食い荒らすというある意味でマッチポンプみたいなことをやるとんでもない奴だ。それにどんな意味があるのかもわかんない。
そんな奴だからちょっとでも始祖の龍をしれれば何かほかに出来る事が思い浮かんだり……するかな? 難しいかな? 一応私は始祖の龍を観察してる。でも結局彼らの声を拾う事はできない。本当なら一瞬で来れるはずなのに無駄に時間をかけてるのはアーミュラ関連だと思うんだけど私とか別の奴でもそうだけど、始祖の龍とのやりとりは理解できない未知の何か――なんだろう。
「おい、聞いてるのか!」
「はい?」
私が色々と無の領域の始祖の龍を観察してどうしようか考えてたから、こっち側への対応がおざなりなってたようだ。アクトパラスやゼンマイと話しても別に有意義な事ってないっていうか? 二人はもうこの戦いについていけてないからね。ごめんだけど、それが事実だ。
確かにアクトパラスの復活は目を見張るものがあった。どうやってるのか知りたくはある。けどいくらやられても大丈夫でも、それが勝利につながるかといわれると……そんなことないんだよね。




