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「なに!? そいつも神になったのか? ならばその宇宙はどこにある?」
神と宇宙はセット……そんな感覚があるからアクトパラスはそんなふうにいった。まあ確かに普通に考えたらそうだ。辺境の神なんてのは眷属なんてほぼいないし、そう思うだろう。実際はうさぎっ子は私の眷属みたいなものではある。
でも私は新生宇宙の始祖である。一応こっちの現宇宙の存在でもあるが、軸足はすでにほぼ新生宇宙に移してる……といっていい。ならばこの宇宙は? と思うだろう。そしてゼンマイがこの宇宙では私が死んだ事になってる事に気づいたみたいだ。
「まさかこの宇宙……君、譲ったのか?」
ゼンマイの言葉に私は別に反応しないけど、ゼンマイは確信してるようだった。実際うさぎっ子が神になったのは都合良かったよね。私は死んだことになってるんだからいつまでも私の宇宙を放置してるわけにもいかなかった。
まあそのうちアクトパラスとゼンマイが吸収することになったんだろう。こいつらだってそのつもりだったはずだ。でも、辺境の戦いでコイツラはいそがしかったし、そもそもが私が割譲されてた宇宙は狭かった。だから戦いの中で自分たちで得た宇宙の方がすでに広いんじゃないかな? まあそれらはすでに始祖の龍によってなくなったけど……だから私のこの宇宙は放置してたと思われる。それに聖杯は稼働してるしね。
その取り扱いをどうしようか? と思ってたから後回しにしてたまである。聖杯は現宇宙の私のエネルギーを垂れ流してるからね。二人の宇宙にも聖杯があるし、二個にする緊急性もなかったみたいな?
けど、そもそもが私は二人の間に入ったというか? 拾われた立ち場で神になった。宇宙の割譲だって、元々は二人が神で、私がその下……みたいな感覚が強いだろう。
それなのに……勝手に私か゚別の神にその土地というか宇宙を譲ってる……というのはいい気はしないかもしれないね。いくら狭くてもこの宇宙は元をたどれば二人のものだからね。まあそんな契約書は存在しないが……
「なにか一言くらいはほしかったな」
「そうか? 俺は別にどうでもいいが」
アクトパラスはそんなことに興味はないみたいだ。むしろ「こいつはつえーのか?」という視線でうさぎっ子をみてる。やめろよ。私のうさぎっ子をやらしい目でみるな。まるで野獣の眼光じゃんか。けどそれはやらしいじゃなく、捕食者の目だけどね。うさぎっ子は神になって更に可愛さを美しさも増してる。
なのにそこに反応しなく、ただ強いかどうかだけにしか興味がないのはアクトパラスらしいけどね。




