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アクトパラスの攻撃によって大きく始祖の龍が吹き飛んだ。実際あの程度では始祖の龍には効いてないだろう。なにせ結局はどれだけ勢いがあろうとアクトパラスの力は現宇宙の力だ。それじゃあ、始祖の龍には通用しない。だって始祖の龍こそがこの宇宙の力の源だからだ。いくら強力でも、いくらエネルギーを込めたとて、それは元をたどれば始祖の龍の力に行きつく。だから現宇宙の存在はどうあっても始祖の龍に攻撃を通す事はできない。
一応吹っ飛んではいるが、それは勢いがついた攻撃を食らったから……だ。もしも始祖の龍に攻撃を通すとなったらゼーファスのように自身の存在をこの宇宙外の存在に置き換えるか、私のようにこの現宇宙外の力を使うしかない。アクトパラスには私の力を乗せる……なんてことやってなかったから、きっと効いてない。でも……ここには始祖に攻撃を通せる存在が三人もいるのだ。ここで畳みかけよう!
「ふん!」
まずはルドルヴルヴが動く。ルドルヴルヴはとても光沢のある体をしてた。そして羽も特殊で広げると、その羽の内側は毒々しいといっていいのか、言う馴れば蛾の羽のような……そんな模様があったと思って貰えばいい。けどあっちは小さな毛とかがびっしりという感じだが、光沢のあるルドルヴルヴの体の羽はもっとちゃんと綺麗だった。でもそれをルドルヴルヴは自身の羽でたたいて羽の内側をパリンパリンと砕くじゃないか。
そして周囲に散るルドルヴルヴの羽の破片。それはキラキラとした大きな流れというか? 一つ一つが流星のようになって始祖の龍に迫っていく。破片だから小さかったはずだけど、進んでいくうちに星を超えるような大きさになってるよ。どうやらかなりの力を込めたらしい。私の力も相まって、宇宙を彩る光の軌跡が荘厳にきらめいてる。そしてそれは始祖の龍へとダイブしていくよ。
そしてここにヴァラヴァレレイドも続く。ヴァラヴァレレイドは流石にそこまでの事ができるわけじゃない。それにヴァラヴァレレイドは既にかなり連戦をしてる。今まで一番長く始祖と戦ってるのかヴァラヴァレレイドだ。だからあまり無茶をさせるわけには……とか思ってると――
『グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!』
――という咆哮と共に、加えた自身の尻尾を彼は引き違った。えええええ!? 何やってるの!?




