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&416

 もう始祖の龍は封印を受け入れる事はないだろう。だって十分……実際今の宇宙が始祖の龍が満足できる程に成長してるのか? といえばそれはわからない。けど……私からみたら現宇宙は十分に育ってる……と思える。それに既に破壊活動を始めてるわけだし、きっと始祖の龍も今の現宇宙は刈り取るだけに足る場所……になったんだと思う。

 どうせなら「まだまだ」――と思ってくれたら、案外二度寝してくれたかもしれない。でも始祖の龍の目は今やほら……ギンギンに決まってる。爛々に輝いてるといっていい。寝起きのはずだけど、十分に覚醒してる。

 もう寝てくれないだろう。つまりは自身から望んでの封印……はできない。そうなると強制的な封印……ということになるんだけど……それができる気がしない。だってめっちゃ抵抗するでしょう。

 そうなると、その暴れる中で始祖の龍を封印? 無理無理、不可能だよ。それならまだ倒すことを考えたほうがいいかもしれない。まあそっちもかなり不可能に近いが……でも、永久的に問題を解決するなら、始祖の龍を倒すしかない。完全に完璧に……ね。


『行くがよい!』


 無理矢理ルドルヴルヴがヴァラヴァレレイドを蹴り飛ばす。それはかなり遠慮がなかった。まあヴァラヴァレレイドも龍である。この程度は大丈夫だという確信があったからルドルヴルヴもそうしたんだろうけど……かなりふっとばされた。


『ルドルヴルヴ殿おおおおおおおおおおおおおおおお!!』


 ヴァラヴァレレイドがそんな風に叫ぶ。僅かに振り返ってそして始祖の龍へと向かうルドルヴルヴ。それはまさに今生の別れ……それを感じる背中だ。でも……


「何を勝手に進めてるのよ」


 それである。確実にルドルヴルヴはここで自身を犠牲にヴァラヴァレレイドをここから逃がすっていうことだろう。その覚悟を決めてる。どうやら古龍は神や自身のあとの代の龍に希望を持ってるみたいだし、彼はこうすることが当然なんだろう。

 けど……それは間違いだよ。


「ヴァラヴァレレイド、このまま逃げる気?」

『まさか!! 我が女神、力をおかしください』

「当然!」


 なにせこれ以上戦力が低下したらまじでやばい。いや、もう今まででやばいんだよ。古龍が既にどれだけいなくなってると思ってるの? それに神のトップだったゼーファスだってもういない。既に絶望的状況だよ。

 更にルドルヴルヴまでいなくなったら? だめでしょそれは。流石にいかんよ。なので私はそれを許す事はできない。


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