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『心当たりは……正直全くないよ。正直、始祖としての年季なんて全く違うしさ』
私はそういう風にルドルヴルヴにいった。だって魂以上になにか根源的な部分ってあるんだろうか? 始祖の弱点とは何か? とかにそれはつながっていきそうな気がする。
だって私は自身の魂……と言うのが何かわからない。自身の中の根源のエネルギー? それが魂だろうか? でも……だ。でも……魂も実はシステムに組み込まれてるオプションかもしれない。
なにせ生命は神が作り出してるわけだ。宇宙には全ての宇宙を統括する輪廻とそれぞれの神が管理できる輪廻がある。
大きな輪廻はまさに宇宙の輪廻だった。それには神とて簡単に干渉できるものじゃない。大まかに大きな輪廻に帰るのは宇宙自体にいる存在だ。
それは神とか、竜とか龍たちである。あとはそれぞれの宇宙の輪廻に納まらない魂とかね。そういう異常は大きな輪廻に送られる。そうなると、もしかしたら次に生まれるときは竜とか神になるかもしれない。ある意味で、魂の昇進と言えるかもしれない。
ただ神が主催する……というと語弊があるかもしれないが、その現地の神が吸い上げて神を作る以外にも、そんな方法でも神になる手段はある。
魂が強いと、そういう事が起こることがある。そして神や竜達は基本もう星なんかに納まる事が出来ないから、空に……宇宙に出るしかない。星に納まる魂……それと星に納まりきらない魂がある。
そんな認識だった。けど確かに今の私は魂じゃない別の何かなのかもしれない。神はある意味魂そのもの……と言えた。
始祖はゼロから一を生み出す存在なんだから、私の新生宇宙の全てが私という存在の中にある……ともいえるかもしれない。
でもそれで言うと、現宇宙が始祖の龍の魂そのもの? それを奴は自身で食いつく? いや……そうか。
「始祖は自分を育てて、そしてその自身を食う事で成長する?」
それなら、始祖の龍がやってることも理解できる。わざわざ自分で生み出した物を全て食っていく始祖の龍。アホなの? とか思ってたけど、それが始祖のやり方という事なら、納得するしかない。私のこの新生宇宙も私の為に糧になってもらう時が来る……と言う事?
神は自身の宇宙を食う……なんてしない。だって輪廻に帰った魂から、エネルギーを回収できるからだ。そして宇宙を、星を育てたらそれだけ命が多くなって回収できるエネルギーも多くなる。
その宇宙を……星を食うなんてしない。そんな事するよりも魂をどんどんと増やして成長させた方が効率いいからだ。
そうなると、始祖のやり方はとても非効率ではないだろうか? まあ実際、そうと決まった訳じゃないけど……




