表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

234/2464

Σ69

 グルダフさんは鉄血種と激しい戦闘を繰り広げてた。その余波は次々と周りの建物を崩壊させてる。他の所でも激しい戦闘は繰り広げられてるわけで、これは復興には相当の時間がかかりそうだね。どうにかして、全部が消えてなくなる前に終わらせたい。その希望が少しずつは見えてきたと思う。

 

「君は……やっぱり凄いな。だからこそフェアリー部隊なんだな」

「え?」


 女兵士さんがぼそっとそういった。それはとてもさみしい様な……羨ましい様な……そんな感じを受けた。私の様な小娘が女兵士さんには特別に見えてるのかも知れない。でも私もこうなりたいから成ったわけじゃない。けど、それでそう思わないでって言うのは違うよね。皆なりたい物を目指してる。それでもそれが伴わないのが現実って物で……私は何も言わずに前に出る。

 

 結局私は背負うしか無いんだよ。それが今の私の立場だから。

 

「行ってきます。私は人種を守る英雄の一人だから」


 そんな私の背中に「頼む」と言う声が掛けられる。私は銃から誘導弾を撃ち放つ。そして仕込んでた女兵士さんの分身体を出現させる。それは十数体の数にのぼる。そんな数が一気に出現したから鉄血種は戸惑ってる。そこにグルダフさんの拳が打ち込まれる。ふきと――ぶかと思った鉄血種。だが、奴は手を伸ばしてグルダフさんの肩に右手を突き刺す。

 

 そうして、吹き飛ぶのをふせいだ鉄血種はそのままグルダフさんの首筋に噛み付く。そして彼の肉を噛みちぎった。

 

「ぐづぅぅぅ!?」


 苦痛の表情を浮かべるグルダフさん。そこに更に鉄血種は姿を消して背後に回ろうとする。そこに私は自分のマントで蓋をした。

 

「ていや!」


 異空間には送れないからね。ただの蓋だ。まあだからってガン! っとぶつかる訳じゃない。ただ出てきた時にマントが視界を塞ぐだけ。けどそれで充分。私は出てきた鉄血種を包んでその間に更に奴の布を取り込む為にマントを動かす。けどこれって……とにかく覚悟をしとこう。

 

「うごおおおおおがあああああ!!」


 マントの中の鉄血種は激しく暴れてマントを引き剥がした。大の字に手足を広げてその力を周囲に発してる鉄血種は青い光がビリバリしてる。そして勿論ナニもビンビン……いや、なんでだよって思う。ブランブランじゃないとああなるんだ……ピンとしてるよピンと! なんか血管脈打ってるし……グロい。

 

「貴様! それ――ぐが!?」


 グルダフさんが鉄血種を今度こそ空に吹っ飛ばす。そこに私はマナを乱す銃弾を叩き込む。散布率が上がったことでこれがそれなりに効くように成ってきた気がする。どうやらマナリフレクターが少しずつその効果を発揮してきた。数秒間はこれで動く事ができなくなってる。更に私はマントを広げて切り離す。切り離された布は無数に分裂して鉄血種の周りを漂う。

 

「いけ!!」


 その合図と共に、鉄血種を無残に切り刻んで行く。この間に砲台から砲撃が迸る。布事一気に光が鉄血種を包んだ。そして遠くの山にその爪跡を残した。鉄血種は言うと、皮膚が吹き飛んでその骨があらわになった状態で浮いてた。ダメージの通りも良くなってる? 動きが鈍く成ってる鉄血種に更に最後の一撃をグルダフさんが斧で刺す。

 布は灰になっても戻って来て元通りになる。マナが必要だけどね。

 

 これで更に鉄血種が減った。この調子でいければ……けど私達はまだ本当の鉄血種の恐怖を分かってなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ