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カッ――と極大の光が放たれる。それは『無』を崩壊せしめて、現宇宙にも影響を及ぼす。
『やはりそうきましたか』
なのに……なのに白い古龍はそういった。落ち着いた声色で白い古龍は始祖の龍が行ったことを見てた。普通なら焦るだろう。だってきっと色々と無茶をやって無へと始祖の龍をやったはずだ。始祖の龍と無の中で朽ちようとしてたじゃん。あれはブラフか?
始祖の龍が自分に乗ってこないと、白い古龍はわかってた? だからその隙を作り出した。自分には何もやって来ない。無は無理矢理にでも突破する。それらは全て白い古龍の計算通り? 見えなくなってて、なにやら始祖の龍もあいつは眼中にいれてなかった。
だからこそ、白い古龍はそれを最大限利用しようとしてる。その目的は……
「やっぱりゼーファス……だよね」
無を崩壊せしめる滅茶苦茶でデタラメ……そんな始祖の龍の攻撃の中に混じって白い古龍は動き出してる。これを待ってたと言わんばかりの白い古龍はそのまま横から始祖の龍の口の中へと侵入しようとした。
このでたらめな攻撃をなんとか耐えきって……とかじゃない。多分そんなのはどんな存在にも不可能なんだからそれは仕方ない。仕方ないが……ちっともかっこよくないぞ。ここでかっこよさを取るなら、全力でこの攻撃の中を進んで、口の中にドッカーン! と突貫することだろう。
それなら見栄えはとてもあったと思う。この始祖の龍のアホみたいな力の密度の中を自分だけを守ってなんとか進み、始祖の龍の中へ……そこで私は思い至る。
「まさか、無に来たのは始祖の龍のサイズを大きくするため?」
流石に現宇宙では始祖の龍もここまで大きくはならなかった。でも無なら遠慮なんて必要ない。いや、始祖の龍が遠慮なんて気配りできるとは思えないが……とりあえず現宇宙ではここまで大きくなかったのは事実。なにせ今や始祖の龍の口の中にデカくなったはずの白い古龍も入れるほどだ。
もちろんだけど、その口に入るのだって命がけだ。ちょっとでも今放ってる力にかすってもしたら?それだけで流石の古龍だって死を迎える可能性はある。
でも正面からこの力を受けるよりは全然まし。なので白い古龍は口の内部に侵入できたようだ。




