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無……そこに観察の目を移す。無は真っ白い空間だった。そこには何もなくて、果ても終わりもない。そんな場所だった。どこまであるのか? なんてのは意味ないことで、無なんだから当然、どこまでも『無』でしかなかった。終わりとか始まりとか、そんな概念では収まらないのが無みたい。でも……この無はあの白い古龍が作ったんでは? という疑問だってある。作ったのならどこかに始まりはあるわけで……上手く隠してるのか……それとも無をどこかから引っ張ってきたとか? なんだって表があったら裏があるように、「ある」所には「ない」があるように……実はずっとそこに無はあったのかもしれない。
表裏一体とはそういう事ではないだろうか? まあ言葉の意味的には多分違うけど、表がある物には当然裏だって存在するわけで……あながち間違ってないかもしれない。そんな無……で、白い古龍と始祖の龍は対峙してた。始祖の龍は白い古龍よりも2倍くらいデカい。白い古龍だってちいさくはない。星一つ分くらいの大きさはある。普通の竜とかはもっともっとちいさい。月サイズくらいまでなると竜でも強い奴になるだろう。龍でもおかしくない。一つの惑星クラスまで大きくなる龍となったら、龍でも更に上澄みだ。
まあけど、実際大きすぎると困る事が多いから自分にとって小回りが利く大きさになってることがおおい。そこら辺は竜達は自由みたい。だからズラララバライト達古龍も龍も……そして始祖だってそうだ。竜達は小さく、星に入るくらいにはなれる。けど大きさは強さによって限界がある。古龍である白い古龍は大きさではやっぱり始祖の龍には勝てない。
まだ限界ではないかもしれないが、正面から対峙したらその大きさ……に圧倒されそうだ。無だからこそ、二体ともその大きさを膨らませてた。その大きさは無だからわかりづらい。なにせ比較するものがないからだ。でもぱっと見白い古龍はもう大きくなれないみたい。でも……始祖の龍は更にどんどん大きくなってる。もしかしら……
「こんなつまらない所によくも連れて来たな……」
とか思ってるのかもしれない。でもここは無。どこまで始祖の龍が大きく成っても無なら問題ない? それにどんな攻撃も無なら……白い古龍は思ってるかもしれない。
『始祖の龍よ。ここで私と共に朽ちましょう』
そんな事を白い古龍はいった。




