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&396

うまくやってる……今のところは。始祖の龍を上下で挟んだ双子龍の攻撃に翻弄されてる……ように見える。2人の翼で叩かれまくった始祖の龍は……始祖の龍は……うん、傷一つないな? おかしいな、双子龍はかなり力を込めてるように見えるが。それに始祖の龍だって、その衝撃で下にいって上にいって……そんな風になってる。

 でも傷はない。けど双子龍だってまだまだ元気。それに古龍はあの双子龍だけじゃない。ルドルヴルヴにあの白いのだってまだいる。2人は何を? わかんないが……双子龍は始祖の龍に効いてないと気づいたようだ。けど、なんか双子龍の力が高まってる。勝手に私が乗せてた力も高まってる?

 どういうことだ? あれかな? ヒット数でエネルギーが高まる様な……そんな攻撃だった? 私のエネルギーは関係なさそうだけど……でもそこは双子龍に乗せてることで、その対象になったのかもしれない。上下でバウンドさせてた双子龍だけど、けど次は違った。二匹は同時に動き、高まったエネルギーは翼に込められて、それが始祖の龍を上下から襲う。


 今まではそれなりに距離を開けて、まるで始祖の龍をボールに見立てるようにラリーを続けてたわけだけど、それももう終わりと、双子龍は一気に距離をつめた。そして上下から始祖の龍へとその翼を叩き込んだのた。翼なんてそんな……攻撃に使うような部位ではないだろうって思うかもしれない。

 実際彼らは龍なんだから、攻撃にはもっと適してそうな部位がある。それこそ牙とか爪……である。そっちの方が明らかに攻撃力はありう。翼の関節部分にも突起があるが……別にそれを使うわけじゃない。いや、食い込んではいるんだろうけど、その翼の骨部分をぶつけてるみたいだし? 


 上下に挟まれて翼を食い込ませられる始祖の龍。メキメキと……その体が悲鳴をあげてる……ように感じた。でも次の瞬間、放たれた始祖の龍からの波動によって、二匹が吹き飛ばされる。そうして一介くるっと回った始祖の龍が大きく翼を広げる。怪しく光るその瞳。それはまるで「こっちから行くぞ」――というようにみえた。

 そして次の瞬間……動き出す始祖の龍。けど……


「え?」


 私は思わずそんな声がでる。だって……だって動き出しのは始祖の龍の体の半分だけ……だったからだ。


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