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双子龍と楽しそうに戦ってる始祖の龍。かなりの距離から、ヴァラヴァレレイドが鋭い矢のようなブレスを吐いてそんな双子龍を援護する。でもそれは私の力が乗ってる攻撃じゃない。始祖に効くのは始祖の力だけ。私の力が乗ってないヴァラヴァレレイドの攻撃が脅威にならない……ってのはきっと最初の一発で始祖の龍にバレるだろう。
そうなると援護……とは呼べなくなる。だって援護とはそっちに気が散ることで直接的に戦ってる仲間が有利にするようにすることだ。そしてあわよくば、その援護攻撃でダメージを叩き出せばよりいい……みたいなさ? でも……それら全てが意味ないとなると……援護とは言えないだろう。
最悪、そんなのは始祖の龍は何もする必要なんてないからね。けどそこは流石はヴァラヴァレレイド……ちゃんと考えてるみたいだ。最初の一撃……それでヴァラヴァレレイドの存在は再び始祖の龍へと認識されただろう。だからまともに始祖の龍を狙ったのは最初の一撃のみ。そもそもがあの白い古龍も全く別の方向に攻撃しろ……とかいってたしね。
ヴァラヴァレレイドは口から光を出す。けどそれは速攻で始祖の龍へと向かう……なんて事はしない。むしろその場でとどまってる。そしていくつかの光のたまを自身の周囲に作り出す。直接的な攻撃に意味はない。それはもちろんヴァラヴァレレイドはわかってる。けど……一応攻撃してないといけない。だからその玉の一つにはどうやら自動攻撃をし続ける機能がついてるよゔだ。それでも星を穿つほどの力が自律的に攻撃してるわけだけど……
けどそんなのはヴァラヴァレレイドにもそして始祖の龍にも、ほぼ負担もないものなんだよね。感覚がおかしくなってくるよね。星の中で誰が一番か! とかやってたのがさ。宇宙には星自体を簡単になかったことにするような存在がゴロゴロといるんだから。ヴァラヴァレレイドは直接的な攻撃を光の玉の一つにまかせ、他の玉にも別の役割をもたせる。
攻撃……が意味をなさないのなら、攻撃じゃない事をやればいいじゃないか……ということだろう。なにせ援護とは後ろから攻撃をすることだけを指す行動じゃないだろう。つまりは……もっと姑息な事をヴァラヴァレレイドはやりだした。簡単に言うと、ちょっとした妨害である。宇宙の様々な場所に罠をしかける。
それらは直接的なダメージなんていらない。だからとにかく妨害……妨害だけに重点をおいたそんな嫌がらせにヴァラヴァレレイドは全力を尽くす。




