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 もちろんだけど、始祖の龍がそんな一撃だけでやられるわけはない。当然だ。なにせ相手は始祖の龍。けどそんなのはゼーファスだってわかってる。だから一撃では終わらない。二発、三発……と続けざまにその拳を繋がってる始祖の龍へと叩きつける。


 ゼーファスの拳が始祖の龍の体を弾ませる。その拳がたたきつけられるたびに白い衝撃が宇宙に広がる。


「なるほど?」


 私は観察しつつ、ゼーファスの狙いを見抜いた。ゼーファスは力を変化させてる。力は普通は不変というか? 自身の中の力を替えよう……なんて普通は思わない。だってそのまま、自然体の力の姿が一番使いやすいし、制御しやすい。

 なのにそれを変化させる? そんなのはただの無駄でしかないからだ。そんな無駄をわざわざ誰もやることはない。でも……どうやらそれをゼーファスはやってるらしい。しかもただの力の変化ではない。


『なるほどの……根源の変化……か』


 そうズラララバライトがいった。そう、ゼーファスはただ力を変化させてるわけじゃない。だってそれじゃあ、現宇宙の力……であって、その中で力を変化させてる……に違いないからだ。多分だけど、ゼーファスも懸念があったんじゃないだろうか? 


「ただ力を変化させるだけでいいのか?」


 ――ってね。だってただの力の変化では世界……宇宙の縛りからはのがれられない。てか、普通は逃れることなんてできない。だからこそゼーファスがやってるのは自身の根本の力を変化させてるのだ。

 たぶんそれでこの宇宙から逃れようとしたんだろう。そもそもが最初からゼーファスは古龍たちと交流があったし、始祖の龍にこの現宇宙の存在では絶対に勝てない……そしてどんな攻撃を始祖の龍には通用しないとわかってただろう。

 だからこそ……の根源の力の変化。そこまでしないとゼーファスは始祖の龍に攻撃が通らないと思ったんだろう。でもそれは当然だけど簡単に出来るものじゃない。だって根源だ。自分の中の根源の力を変化なんて、下手したら神でさえも……死ぬよ。

 でも、それをどうやらゼーファスは成し遂げてるみたいだ。でも待てよ?


「あれって、元に戻れるのかな?」


 ふと私はそう思った。だって根源が変化してる。つまりはゼーファスは今全く別の存在になってるといっていい。この現宇宙に属さない存在へと彼はなってるのだ。それって……大丈夫なの? って思う。


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