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Σ65

 二体の鉄血種はようやく女兵士さんが居なく成った事に気付いた。目をぐるぐるさせて、鼻をクンカクンカさせて索敵してる。けどさせないよ。私は一つの分身体を奴らに感づかれる範囲に出現させる。視界にはいれない。奴らが私達を認識するための視界は今は通常状態だ。あの目が赤く染まって顔の外にまで飛び出てくるようになると、多分マナでしか認識出来なくなるんだと思う。

 

 けど今はまだそこまでは行ってない。だから撒き餌も慎重に撒かないと奴らはつれな――

 

「あれ?」

 

 なんか既に移動しちゃってない? だって姿見えないし……きっとあの二人は競うように分身体の方へ向かったんだろう。私は奴らの視界に入る前に分身体を消す。だってただのマナの塊だからね。今の状態であれを見られたら不味い。囮だとバレてしまう。奴らはマントの移動を使っては無いはずだから、間に合ったと思う。そうそう使わないみたい。

 なぜかはわからない。ただ単に圧倒的強者感を見せつけて行きたいからかもしれない。それかきつかったりするのかも……私は全然そんな事ないんだけどね。もしかしたら、アップグレードしたから? 私のは奴らの羽織ってる布よりも上等になってる。てかなんでこれを奴らがアップグレードせずに使ってるかの方が謎だけどね。あんなただのボロ布状態で使うよりも絶対に少しはアップグレードしたほうがいいと思うんだけどね。

 

 そもそも奴らはこう出来る事を知ってるのかどうか……でも作ってるのが鉄血種なら、知らない訳はないと思うんだけど……もしかしたらもっと妙齢な鉄血種なら、私と同じような状態の布をもってるのかも知れない。まあまだ出会ってないが。

 

『戸惑ってるようです』

「そうだね。更に戸惑わせて奴らを怒りモードにまでしよう」


 そうすれば、簡易分身体を見分けられなくなるからね。まあその前に二人のどっちかでもいいからあの布を取り込みたい所だ。誘い出した所で、銃撃やら何やらでイライラさせていこう。

 

 兵士の皆は遠距離からの援護に徹して貰って、ラーゼの戦力が鉄血種の相手を務める。そして分身体で撹乱。それを繰り返してると、二体の鉄血種は戦闘状態へと移行した。あいつら獲物を取り合ってる癖に、戦闘になると妙にいい連携をとったりする。あれが意図的がどうかは分からない。もしかしたら鉄血種の本能で動いてるだけでああなってるのかも。

 

 やっぱり二体は厄介だ。なんとか一人を無力化しないと。ゼロが出した案は結構リスキーだ。けど実行するしかない。奴らの視界がああなったから、ここらが動き時だろう。

 

「覚悟はいいですか?」

「勿論だ。私はとっくに覚悟はできてるさ。それこそ、兵士になったその時からな」


 格好いい……痺れるセリフを言ってるよ。それなら彼女にも協力して貰ってやろう。やっぱり偽物ばかりよりも本物も混ぜた方がより効果的だ。私は幾つかの誘導弾を空に打ち上げてそこで待機させる。更にはマントを使って女兵士さんの影に潜る。これはとても便利な力なんだけど、外の様子がわからないのが難点。けどまあ私にはゼロの通信もオペレーターからの情報もあるから問題はないけどね。

 

 作戦は次の段階へ移行した。

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