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Σ60

「ゼロ……今の見た?」


 私はグルダフさんが凄い戦闘を繰り広げてる間にゼロに今の不可解な事象を聞くよ。だってあれは無視できない。一体なんで少女は私がわからなかったんだろう。

 

『鉄血種は一体何で視界を確保してるのかですね。どうやら、普通に見てる訳ではなさそうです』

「目、有ったよね?」

『目の様に見えるだけで私達の知らない器官なのかもしれません』


 なるほど……そういう事もあるのか。流石異世界。それとも今の状態だからって事もあるかも。今の少女は真っ赤な目に成ってる。人の目が赤くなるとか、そんなレベルじゃいよ。もう眼球全体が赤く染まって更に飛び出してる感じ。だって最初の時は、ちゃんとその視界で見てた様な感じだった。だから普通に見えてるんだと思ってたけど……確かにさっきの様子だと、視界が違うのかも。

 

 だって普通に見えてたらあそこで戸惑うなんて事は絶対にない。だって一目見たらわかるし……

 

『可能性として、マナを見てるのかも知れせん。分身体はマスターのマナで作られてるので、それで本体との識別を失った可能性があります』


 確かにそれはありそうけど……それだけかな? 戸惑ったとしても、少女なら、一気に四体の人種なんて一瞬で千切れる筈だ。もう私を殺す事に躊躇いはなかったはずなのに……それをしなかった。美味しく食べたかったとか言ってた。一体あれはどういう意味なのかな? 私は一回千切られた腕をみる。何かされたのかな? この傷口に少女はその手を突っ込んでた。

 

 ただ肉の感触を確かめてたのかと思ったけど……何かされてたのかも。狙いを定めた獲物を熟成させるとか? 

 

『マスター、可能性を探りましょう。カードをセットしてください。カードを更新します』

「分かった」


 私は腕に嵌めてるデバイスの穴にカードを射し込む。すると画面に何やら文字が流れてく。そしてプシュっと僅かに出て来る。

 

『少量のマナで分身体を作れる様にしました。その代わりに人形にはなりません。ただのマスターのマナを置くだけです』


 なるほど、たしかに視界がマナを見るだけなら、それでどうにかなるかも。

 

『それとマスター、この組み合わせを試して見てください』


 そう言ってゼロはカードの組み合わせを提案してくれた。それは貫通力を高めて更に対象の体内のマナを一時的に乱すカードの組み合わせ。ただ貫通させても鉄血種には効果がない。普通の銃弾ではマナを乱す弾丸を鉄血種の体内に届かせる事は出来ない。だからこの二つを組み合わせて弱点を補おうって事だろう。

 

 問題はこの二つだと誘導弾が使えないってことだ。今はまだ二つのカードしか同時に組み合わせられないからね。つまりは私の腕であてるしかない。しかも狙えるのは頭と四肢しかない。胴体にはあの黒い布があるからきっと通らないだろう。でもこれなら……一矢報いることが出来るかも。しかも今はグルダフさんがいる。私が少女の動きを止めれれば、最大の一撃を彼が御見舞してくれる筈。

 

 他の皆は隠れてきっと連携を取ってるはずだ。姿を表さないのは、下手に鉄血種に補足されると餌になりかねないから。そうなるとせっかく与えたダメージを回復されてしまう。だから、あの少女は私達が殺るべきなんだろう。私はとりあえず沢山の分身をばらまく事に精をだすよ。ここから反撃開始だ。

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