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◆六話-0
憎むのは当然だった。己が『こうなった』原因なのだ。
元凶が別にあり、あれもまた被害者であることは理解している。
だが、それでもなお、許し難い存在。
だから突き放す。だから言葉から感情を排す。だから、だから、だから――
――でも、それでも、私を呼ぶのだ。
兄さん。と、
私の渋面を真正面から見据え、悲しそうな目をして、辛そうに口の端を歪めながらも、それでも、縋るように言ってくるのだ。
兄さん。と。
私のことを、そう呼ぶのだ。
憎むのは当然だった。己が『こうなった』原因なのだ。
元凶が別にあり、あれもまた被害者であることは理解している。
だが、それでもなお、許し難い存在。
だから突き放す。だから言葉から感情を排す。だから、だから、だから――
――でも、それでも、私を呼ぶのだ。
兄さん。と、
私の渋面を真正面から見据え、悲しそうな目をして、辛そうに口の端を歪めながらも、それでも、縋るように言ってくるのだ。
兄さん。と。
私のことを、そう呼ぶのだ。
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