だからサクサク行くのやめませ───にゃーー!?
「天使化は基本的には白化の延長戦上にあるもので、主に聖属性が強化された状態となります。全体的なステータスのアップに加えて対魔物、悪魔などに対して高い効果を発揮します」
「……いい事っぽいけど神獣化系統と被ってね?」
「そうですね。しかし利点として今の白亜さんでも負担なく使える形態である事、飛行出来る事などがあります。守護の力もついでに強まりますね」
ちゃんと羽は使えるのか。
「しかし……私も遂に羽で飛ぶようになるのか」
「まあ、今更な気もするがな」
「失敬な。人間長く生きてれば羽くらい生える時もあらあな」
「「「ねえよ(ないですよ)」」」
せやな。
「じゃあ神獣化が負担なく使えるようになったら要らなくなる感じ?」
「いえ、そちらがちゃんと使えるようになれば、恐らくですが天使化が統合されるようになります。そうすれば神獣化で飛ぶ事も出来ますし、聖属性の力も更に増すでしょう」
ふむ。有効活用出来るなら良いか。
「聖属性は属性に特化してるので有効な敵には強いですが通常の威力はそこまで高くありません───が、白魔力を扱う聖属性の魔法」
まあ、確かに。
光魔法もレーザーっぽい奴くらいしか、普通のモンスターにダメージ高いのはないからなぁ。
ぶっちゃけここ最近の中では身体の負担が少ないのも確かなので、使い勝手が良いのも本当なのだろう。
しかし、初めて竜化した時も思ったけど、他人にあるのならかっこいいと思える羽も自分にあると少し邪魔だな……あれ?
「そういや龍化状態の私の羽どこいった?」
「そんな無くし物しましたみたいなテンションで聞く事じゃないだろ」
「恐らくですが白亜さんの潜在意識の中で不要と判断して、竜吉公主には反映されなかったんでしょう。そもそも竜吉公主はそのままの状態でも飛べますしね」
「なんと!?」
いや、確かに最初の時と、竜化外装の時以外は全く頭になかったから羽なくなってたけど。
今更だな私!?
「まあ、わたし達龍族も羽がない人は居るから不思議じゃないよ。そもそもあれで飛んでる訳でもないし」
確かにそうだ。
ぶっちゃけあの巨体をあんな羽で飛ばすなんて出来る訳がなく、実際は魔力などの力を使って飛んでいるのだ。
どちらかと言うと龍族の羽は鬼の角のように、力をコントロールする為の感覚器としての役割の方が強い。
しかし見た目のインパクトというか、そういうものを加味するとやはりなくなったのは惜しく感じもする。
「まっ、別にいっか」
「相変わらず軽いなお前……」
「ちなみにその羽は出し入れ出来ますよハクア様」
「そうなん? あっ、本当だ」
ミカに言われて念じてみると、背中にあった羽が跡形もなく消え去った。
ふむ。今までと違ってずっと変身してても苦じゃないし、羽がしまえるならこのまま生活も出来そうなくらいだな。
「では次は【悪魔化】で」
「人を強制的に変身させてサクサク行くのやめません!?」
ツッコミを入れつつも止まる事なく変身させられる私。
いつものように光が収まると、さっきの天使の黒いバージョンとでも言うような服装に変わっていた。
若干フリルが少なくなり黒が基調となった為にゴシック感が強くなって、天使バージョンよりも若干肌色成分が多い仕様となっている。
髪の毛には黒い色がメッシュのように混ざり、身体には先程とは違う暗く冷たい力がみなぎっていた。
天使の力である白魔力よりも、悪魔の力の黒魔力の方が身体に馴染んでる気がするのはきっと気のせいだろう。
まあ、そうだとしてもご愛嬌というものである。
「悪魔化は天使化の逆に黒化の延長戦上です。対聖属性、対天使などに有効で白亜さんには全く関係ありませんが、精神系の攻撃にも耐性があります」
「関係なくないよね? 多分大事だよね?」
「いや、ないだろ」
「ないですね」
「邪神の方が参っちゃうくらいだからないと思うよハクア」
くそう。澪や瑠璃だけじゃなくて、今まで参戦してこなかったミコトまでそんな事を言うか。
「鬼の力ほどではないですが、黒魔力には少ないですが崩壊などの力が混ざっていますので、攻撃力はかなり高いですね」
「【崩壊】? また新しい属性だね。破壊とは違うの?」
「ええ、破壊は物理的なものですが、崩壊は物理現象だけではなく概念的にも有効です。例えば術式を壊すのではなく根本から消し去ったりも出来ますね」
「う〜と、簡単に言えば破壊は術式の阻害だけど、崩壊は術式そのものを使えなく出来るって事?」
「その認識で良いかと、崩壊による攻撃は肉体にも回復阻害の効果がありますよ」
ほほう。
崩壊によるダメージは回復魔法は効かず、復元や再生レベルの回復でしか対処出来ないらしい。
「それでは次は【堕天化】です」
「だからサクサク行くのやめませ───にゃーー!?」
せめて文句は最後まで言わせてくれたって良いと思うの!?
堕天使状態の私は一言で言えば軍服のような格好だ。
しかし一言で軍服と言ってもやはり普通のものとは違い、どちらかと言えばアプリゲームなどで女性キャラが着ているような感じのものになっている。
上着は長めで黒が基調となり白が差し色として入っている、スカートと一体になった丈が短くスリットの入ったワンピース風。
左肩には確かペリースと呼ばれる短いマントが付き、下は黒の短パンと左右で白と黒に分かれたニーソックスにブーツ。
面白いのは天使と悪魔の時とは違い、服自体にも力が宿っているように感じる。
髪の毛は黒と金がメッシュのように入り、中々派手になっているのが辛い。
「ほう。良いじゃないか。なあ……って、死んでるな」
私の姿を見た澪が横に話し掛けるも、その相手である瑠璃はアリシアと他数名とメイド達と共に、何故か鼻血を出して倒れている。
……うん。何も見えないなぁ〜。ハクアさんは何も分からないなぁ〜。
「白亜さんが体得した堕天使形態は白と黒の力、そしてそれら二つを混ぜ合わせた【混沌】の力を主軸に戦います」
「混沌?」
「はい。混沌とは白魔力、黒魔力の二つを混ぜ合わせ属性です」
「あれ? それが混ざったのが万象力じゃなかったっけ?」
「いえ、正確にはそれに神力を更に混ぜ合わせたものですね。万象力には劣りますが混沌の力もかなり強力で、崩壊の力と守護の力の両方が使えます」
「その他にも天使化、悪魔化と違って苦手な属性が無くなり、有利な属性をそのまま使えるのも特徴ね。万象力を鍛えるならまずは混沌から扱えるようになるべきでしょうね」
「ええ、咲葉の言う通りですね。混沌の力を十全に扱えれば万象力の扱いもかなり楽になるはずです。今の白亜さんでは万象力を使えばどうなるのかは実証済みですからね」
まあ、確かに邪神戦で万象力も使って戦った結果、自分の力でも死ぬほどボロボロになったからな。
戦闘ダメージも酷かったけど、四割位は自分の力の跳ね返りが原因だったわけだし。
「しかし結局、ここまで変身が多いと何を使えば良いのか迷いますな」
「まあ、普通はこんな事になる生物居ませんからね」
私の言葉にそんな酷い返答を返すテア。
しかし周りの全員が何故かツッコミすら入れずにその言葉に同意するのだった。
解せぬ。
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