所詮ハクアか
「白亜さんならわかっているとは思いますが、羅刹とは毘沙門天も数えられる仏教の護法善神の十二天の1柱です」
「あっ、やっぱりそっち系で良いんだ。今までの流れが流れだから悪神の方かと思った」
「ああ、ハクアの言う通り羅刹は悪神の流れも汲んでいる。聖魔二つの属性を持つハクアだからこその進化だろうな」
「ほほう。それでなんか影響あるの?」
「ええ、やはり悪神、善神両方の影響を良くも悪くも受ける所ですね。具体的には受けるにしても与えるにしても特攻攻撃が両方とも有効になります」
マイナスなんだろうけどいつもと変わらんと思ってしまう自分が憎い。
まあ、いつも通りのノーガードでの殴り合いが強化された感じか。
「だが、特攻系はスキルだからその辺は霊力や神力、ハクアの場合なら万象力を鍛えれば軽減もされるぞ。スキルは霊力よりも下の位だからな」
「なるほどなるほど」
体感的にはスキル→ギフト→権能って感じか。
「あれ……でも……だとすると、ステータスって……」
「ええ、流石ですねその通りです」
「あの、まだ何も言ってないのですが?」
「そしてこっちは何もわかってないんだが?」
ふむ。まあ、整理がてら少しまとめてみるか。
「私は霊力の修行が始まってその話を聞いてから、霊力は全ての生物が元々持っていたものだと考えた」
「それは私達も修行の最初の方に解説してもらいましたね」
「ああ、それがどうしたんだ?」
「うん。次に考えたのは私達は無意識にその霊力を攻防の色々な場面で使ってるんじゃないかという事」
「どうしてそうなるの白亜さん?」
「クリティカルヒットといいう現象」
「「「クリティカルヒット?」」」
私の言葉に全員の頭の中に?が浮かび上がる。
しかしそれを聞くテアは笑みを深めた。
「そっ、クリティカルヒット。効果は知っての通り通常のダメージよりも高いダメージを叩き出す現象。この世界では当たり前だし、私達もゲームではお馴染みの現象だ」
「そうね。私もその認識だし、ゲームでもよくあるものよね? それがどうしたの?」
「うん。良くあるよ。でも、これが現実にあるとおかしい」
「確かにそうですね。こっちの世界だから深く考えなかったですけど、通常でいえばいい所に当たった程度の事、でもこの世界では違いますもんね」
「ああ、この世界のクリティカルヒットはゲームよろしく、どこに当たろうが発動する時は発動するし、防御力を無視する効果もある。そうか確かにそう考えると……」
「えっと……つまりハーちゃんはクリティカルヒットは、無意識に霊力を交えた攻撃をしている時に生じる現象だと考えた訳ですか?」
「そっ、最初はスキルで操作されたなんかだと思ってたけど、霊力の話を聞いてそう考えた」
クリティカル率に関連するスキルも、霊力を引き出しやすくするものと考えればわかりやすいのだ。
「稀に起こるダメージアップなんて物を説明するなら、
確かに納得のいく説明だな」
「それがどうステータスと関連するんですか?」
「これによってわかるのは普段の行動にも霊力が関係しているという事、そして私達は知ってるだろ? 意識していなければ防御力は十全に発揮されない事も、力が強くても筋肉がつくわけでもないって」
普通ステータスは普段の行動も多少影響はあるが、私のように制御不能な程バグる事はない。
高いステータスが常時全てに反映されていたら生活など出来ないからだ。
意識して初めてステータスはフルに使える。
それこそが私が外付けの力と評していた理由なのだ。
「なるほどそういう事か」
「みーちゃんが納得した所ですけど、凡人組はまだ分からないので解説お願いします」
「つまりこいつはステータスはシステムの力で扱えるようになった霊力と言いたいらしいぞ」
「うん。霊力を使ってみた感じ的に言うと、システムで扱える……いや、掌握出来る範囲の力をステータスとして使えるようにしてる感じかな」
「掌握?」
「そうそう。出力的にそんな感じだし、システムで全て掌握してるなら」
「お前が神に連なった段階でステータス表記がなくなるのがおかしいという訳か」
「うむ。それにステータスが霊力ならスキルで簡単に変動するのも納得出来るしね」
「確かにな。ドーピングなども結局は上限のある自身の力だ。それに引替えステータスのアップは摂理に反する異常な上がりだしな」
「私的にはそれが正解かなって思うのだが、答えは?」
「ええ、正解です」
「相変わらずこの情報量でよくここまでわかるものだな。とはいえ、聞いていたが万象力まで扱えるのは驚いたぞハクア」
「あれ、心も万象力知ってんの?」
「ああ、簡単に言えば神力よりも更に上の力だ。正直、神の中でも使える者は少ない力だぞ」
「Really?」
「ええ、心の言う通りよ。私が知っている限りでもダーナ神族に数人、ケルト神話にも数える程ね」
ビックネームが……。
そしてそんな奴らでも持っていないモノを私が持っていると。
何故に?
「この中では私とテアだけね」
「そうなん?」
うーん。原初の海の女神と死の国の女王様と言うべきか。
咲葉なんてポンコツながら押さえるべきポイントはちゃんと押さえてるのが流石や。
「すっごく。失礼なこと考えてるわよね」
「ノット。そんな事ないですよ? アテテテテッ」
思いっきり頬をつねられてビヨンビヨンと引っ張られた。
いや、伸びるな私の頬っぺ。
「テアさんは知ってたんですよね?」
「もしかして程度ですけどね。まあ、その辺はいつも通り白亜さんだからで片付けて良いかと」
いや、毎度毎度おかしいからね!? なんで皆納得すんのさ!?
「源星というのはなんだ?」
「源星は自身のない宇宙の力の源ですね。霊力を本格的に使えるようになれば皆さんにも現れますよ」
「源星は簡単に言えば霊力が凝縮しただからね。源星が増えれば扱える霊力や神力も増えるよ」
「そうなのか?」
「その通りだ。ちなみに霊力よりも神力、神力よりも万象力の方が輝きも大きさも強いぞ」
ああ……参加してないのにサクサク話が進んで行く。
「では次はスキルの説明に行きましょう」
「あれ? ヘルさんがやるんじゃないの?」
「……悔しいのですが、マスターのスキルは既にシステムから逸脱しているものが多いので、私よりも女神様方の方が詳しく説明いただけます」
わぁ、表情変わらないけどめっちゃ不服そう。
「まずは戦闘中に使うアクティブスキル。【龍装鬼】は身体強化系のものですね。出力は白亜さん次第ですが単純に4~5倍は出ますね」
マジかよ。全然扱い切れてないんですが私。
「ここに分類されている【万象力】は、身体強化ではなくステータス───霊力や神力の強化と考えてください」
「えっとつまり前者は肉体そのもの、後者は肉体に纏うオーラ的なモノを強化するってイメージで良いんだよね?」
「うん。ハクちゃんのイメージで合ってるよ」
「【龍鱗・鬼】は万象力で龍鱗を作るスキルで、単純に上位龍クラスの防御力がありますね」
「上位龍と言うとシーナちゃん達と同じくらいですか?」
「地龍の加護もあるので鱗を発現した部分はムニ並ですね。その代わり白亜さんの場合は四肢の内に同時に二つしか使えませんが」
「なんだ。所詮ハクアか」
「澪さんや。ちょっと表出ようか? その喧嘩買ったらぁ!?」
「うるせえぞ。テア続きを頼む」
「さて、次の変身系の説明と行きましょう」
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