それだけ異常な進化という事だ
良かった。今日の更新間に合わないかと思った
「ご主人様!? もう起きて大丈夫なんですか?」
「うん。心配かけて悪かったね」
「もう、やっと帰ってきたと思ったらまた寝込んじゃって心配したよ」
「いや、私も寝込みたくて寝込んだ訳じゃないんだよエレオノさん」
「それは分かってるけどハクア多いからさぁ。大丈夫ってわかってても、いっつも心配するの結構疲れちゃうよ」
「うっ……ごめんなさい」
そんな風に言われると素直に謝るしかない。
澪達のように悪態もついてくれればいっそ開き直れるのに、素直に心配だけされるのは、やっぱりこそばゆいくて居心地が悪い。
まあ、認めたくはないが澪達の場合はそれをわかったうえでそうしてくれてるのだろうが……いや、絶対言わないし認めないけどね?
「ハクアおはよ。ウチの里での修行が異常だったからだと思ってたけど、こっちでもそんな感じなんだね」
「そんな感じとか言うのやめて貰えませんかねぇミコトさん!?」
いや、その通りと言えばその通りなんだけどさ。
「皆さん。白亜さんに言いたい事は沢山あるでしょうが、白亜さんも起きたばかりでお腹が空いているようですし先にご飯にしませんか?」
「私、飯、食いたい」
「なんでいきなりゾンビ風なんだよ」
だってお腹空いてるし。
「ではすぐにお持ちしますね。ミカ、ルシェ行きますよ」
「「はい。テア様」」
……めっちゃちゃんと教育済みですやん。
あんな力を持ってる二人を速攻メイドにするとか何考えているのだろうか……メイド増やして勢力増す事だけだな。
あの人、やるのも好きだけど見るのも好きな人だからなぁ。
むしろなんで神だったんだろうか?
ご飯が出てくるまでの間に少し話をしたが、どうやら皆もミカやルシェの事はもう知っているらしい。
というか、私が寝ている間に既に結構話もしているらしく、なんなら私よりもちゃんと自己紹介してお互いの話もしているようだ。
眠る前は若干クーやエレオノ、サキュバス部隊達と、あの二人がどんな感じになるのか分からなかったが、どうやらこちらは私の杞憂に終わったようだ。
エレオノはもちろんの事、クーやサキュバス部隊も対して天使に対して思うところはなく、あっちの二人はむしろ私の仲間として皆の事を尊重までしてるらしい。
あまりに恭しく扱われるものだから皆の方が普通にして良いと言ったそうだ。
どうでも良いけど、なんで皆私に関わると私との関係が優先で種族的な対立とかなくなるの?
いや、仲間同士で争うとかして欲しくないからその方が私としても全然良いんだけど、種族的な対立って君達の根幹部分のアイデンティティじゃないの?
いや、全然良いんだけどね? 仲良くなってくれるのは私としてもむしろ嬉しいんだけどね?
「お待たせしました」
そうして話していると対して時間もかからずご飯が次々と運ばれて来る。
ご飯を食べたら今までの話をするという事で、ミカやルシェだけでなく、エルザ達要職に就いてる各種族のリーダー達も一緒に飯を食って貰う事にした。
ミカやルシェは飯に誘われるとは思わなかったのか、最初はメイドが一緒に食べるなんてと恐縮していたが、エルザ達が大人しく席に着いたのを見て諦めた。
そのエルザ達は私が言ったからには何を言っても無駄だと理解しているようだ。
流石に付き合いが長くなってきただけはある。
運ばれて来たご飯に早速手を付け、漫画のようなマンモス肉チックな物にかぶりつくと口いっぱいに肉の味が広がる。
次は煮魚のようなもの。
地球では見ないような凶悪な見た目からは想像出来ない、濃厚でそれでいてスッキリした味わいの魚を食べる。
しばらく魚料理はあまり食べられてなかったのでこれもいいものだ。
その後も卵料理にパスタ、なんかよく分からない紫色のスープなど見た目がちょっとアレなファンタジー風ご飯から、見た目も美味しそうな普通の料理まで平らげる。
「ふぅ……食った。デザートまだ?」
「……お前、まだ食うか」
「なんでハーちゃんってそんなに食べて太らないんですかね? そこだけは毎回毎回ちょっと納得いかないです」
そんな事言われても困る。
私だってなんで太らないのかわかんないし、地球にいた頃は痩せすぎてるからもっと食べろとかよく言われてたくらいだし。
あれ、学校で健康診断的なものやる度に言われるからうざったがったなぁ。
「もちろんありますよ。今持って来させます」
テアが後ろをちらりと見て頷くと、サキュバスメイドと人間メイド、エルフメイドの子が一礼して出ていく。
本当にメイドへの教育だけは完璧にこなすんだよなぁ。
澪や瑠璃もそうだが、心達も私と同じように思ったのか呆れている。
ちなみにエルザ達は教育期間の事を思い出したのかタラりと冷や汗を流し、ミカとルシェは真剣な眼差しでテアと先輩メイドの姿を見ていた。
メイド修行と昇級試験とやらをパスしても、二人はやはり新人メイドというのは変わらないらしく、さっきからちょいちょい先輩メイドの所作をじっくりと観察している。
……いやらなんで君達そこまで乗り気なの? 私と契約したと言うよりもメイド契約した社員の方がしっくりくるくらいなんだが? こ、これは新種のNTRなのか? 斬新過ぎませんかねぇ!?
てか、そもそもメイド修行と昇級試験ってなんなんだよ本当にさあ!?
その後、運ばれて来たフルーツの盛り合わせとタルトのようなものを三つほど食べて、やっとお腹が満足してきた。
「少しは足りましたか白亜さん?」
「うん。これで夜までは持ちそうだよ」
「これだけ食ってなんで夜までしか持たないだよ。本当に」
「最近のハーちゃん。地球の頃よりも燃費悪くなってますよね?」
「……もしかしてハクア様のこの食欲も七罪の影響なのですか?」
何!? そ、そうだったのか!?
「いえ、これは自前のものなので関係ありませんね。まあ、多少影響があった所で暴喰の影響など、白亜さんの食欲の前にはさして問題ではありません」
「うん。その言い方だと私の食欲が邪神の原罪よりも上行ってる風に聞こえるんだが? 言い方良くないと思うよ?」
「……その通りなのですが?」
「不思議そうに小首を傾げるのやめて!?」
ほら、皆ドン引きしちゃったじゃん!? なんて事言うのさ!?
「そもそも白亜さんの場合は急激な成長に、色んなものが不足している状態ですからね。食事によるエネルギーの吸収は、暴喰の力を持つ白亜さんには一番効率の良いエネルギーの摂取方法なんですよ」
「つまり、進化スピードに合わせたエネルギーの調達を食事で補っている状態と?」
「そんな所だな。本来、今のレベルになれば、逆に食事をあまり取らなくても大丈夫になるが、君の場合は進化のエネルギーを魂で代用する事で補填してるんだ」
心の言う通りだとして、未だにエネルギー足りてないってやばくね?
「それだけ異常な進化という事だ」
「なるほど」
「あの……心様? ハクア様の進化のエネルギーを魂で代用していると仰られましたが、それは平気なのでしょうか?」
ハッ!? 心があまりにも普通に言うから聞き流してた!?
「それについては平気なようだ。私達が調べた感じでは、暴喰が食事のエネルギーで魂も回復しているようだしな」
暴喰……君、結構働いてくれてたんだね。
「まあ、そもそもハクちゃんの魂と精神力は異常な強さがあるから、その辺心配するだけ無駄なんだけどね」
ソウの言葉になんだと!? と、反論しようとしたが、何故か全員がすぐさま納得したので何も言えなかった。
解せぬ。
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