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最弱♀ミニゴブリンに転生、寿命30日から始まる神の箱庭~吸収能力と進化で最弱からの成り上がり~  作者: リーズン
ここで来ちゃうの龍の里

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見破ってる段階でおかしいんですけどね

「話をする前に……まずはもう一人呼びたいのですが良いですかハクア様?」


「もう一人? まあ、別に良いけど」


 ルシェの言葉に周りを見るが一人を除いて誰もわかっていないようだ。


 それでももう一人呼びたいという言葉に同意する。


「で、そのもう一人っていつ来るの?」


「もう既に来ていますわハクア様」


「───っ!? いつの間に……」


 全く気配を感じなかった……いや、違うな。


 声を掛けられる直前まで感じなかった。

 

「ふふ、正解ですハクア様。私は今ここに来ましたので、立場上あまり出歩けないので一緒には来れませんでした」


 顔を隠しているがたおやかに笑う雰囲気は、見るものを魅了し安心感を抱かせる。


 女性的な身体付きは佇まいだけでも慈愛を感じさせる女性……と言うか、どちらかと言うと神々しい感じもするような?


 でも……ルシェとは空気が違うがこいつも人間ではないな。


 観察しているとニコリと笑うその姿は何処かルシェと似た雰囲気がある。


「な……何故貴女様までここに……」


「そんな……馬鹿な……」


 警戒する私達とは別に突如現れた人物を見て放心するアルカ達。


 なんだ?


「どうかしたの?」


 その姿に声をかけるがどうやら私の声は全く聞こえていないようだ。


「ハクアちゃん。今この場に来た彼女は大聖女様なんですよ」


「へぇ〜……えっ? なんで?」


「それが分からないからそちらの聖女様達は固まってるんだと思いますよ」


 まあ、確かに。


「お初にお目にかかりますハクア様。私は大聖女の任に就いております。ミカ=ルーエと申します。どうぞ私の事はミカとお呼びくださいませ」


 これまた何故か大聖女まで私に対してもの凄い敬語を使ってきた。


 その光景にまたもアルカ達は驚き、床に転がってるフロストは信じられないようなものを見る目で私を見ている。


 どちらかと言えば私もそちら側なのだが。


 しかし……この流れで言うともしかして。


「どうかなさいましたかハクア様?」


「……いや、間違いだったらごめんなんだけど、もしかしてアンタって大天使と言うか、熾天使ミカエルだったりする?」


「「「えっ!?」」」


 私の言葉に今度はその場の全員が驚きの声を上げる。


 まあ、当然だろう。


 私だって馬鹿な事を聞いてる自覚がある。


 と言うか、言われた本人ですらめちゃくちゃ驚いてるし、これはハズレたか。


「……ハクア様。何故お分かりに?」


 ミカはベールを取ると驚きの表情のまま、ルシェと同じように三对六枚の羽を拡げた。


 ミカエルは一説によるとルシファーと同じように六对とも言われているが、どうやらこっちでは三对のようだ。


「何故? と言われるとなんとなくとしか言いようがないけど、神が関われないとなるとルシェを管理出来るのがその辺かなって」


「流石ですねハクア様。まさか、自分から明かす前に言い当てられるとは思いもしませんでした」


 まあ、当たった私もどうすればいいか分からないんだが。


「で? 陰の聖女的には知ってたんだろ? そろそろお前の中に居るのにも自己紹介して欲しい所なんだけどイーナ」


「やだなぁハクアちゃん。陰の聖女なんて噂でしかないですよ」


 笑いながら否定するが私はそのままジッとイーナを見つめる。


「えーと……ハァ……わかりました。じゃあ私もちゃんと明かしますよ。聖国所属第0席陰の聖女イリーナ=ノーフェイス。今後ともよろしくお願いしますねハクアちゃん」


「馬鹿な! 陰の聖女などただの根も葉もない噂だったはず!」


「そうです! 仮にもし存在しているのなら私達が知らないはずが!」


「まあ、私の存在は大聖女様と第一席様しか知りませんから、清廉潔白な聖女様方が知らないのは無理もありません」


「……暗部担当って事?」


「流石ですね。その通りですハクアちゃん。名前も身分も偽って陰として行動する。今の身分もその内に一つです」


「そんな……」

 

「なるほど、じゃあ教会から縁を切ればだいぶ楽になるね」


「そうですね。実はそれを期待してます。こんな仕事よりウエイトレスしながらハクアちゃんと喋ってる方が楽しいですから。そして───」


 言葉を区切ったイーナの胸に黒い渦が出来る。


 その中から人形サイズの天使のような黒い二枚の羽を持った銀髪でショートカットの女の子が現れた。


「……元八罪虚飾の邪神ベリアル」


 前々からなんか居るのはわかってたけど随分なもの飼ってたな。


「やはり貴様かベリアル」


 ベリアルが現れると同時に私の中からベルディアが勝手に出て来て睨み付ける。


「こらこら。仲良くしろよ」


「しかしマイロード。これは」


「いいから。その感じだと知り合いなんだろ?」


「……それはそうですが」


「仲間だったの?」


「仲間ではないわ」


 ベルディアに聞いたのだが、私の問いに答えたのはベリアルの方だった。


「貴女は原罪についてどれほど知っているの?」


「そうだな。色んな世界に必ず現れる罪。それがスキルなのかモンスターなのか、はたまた悪魔や邪神なのかはその世界次第って感じ?」


「ええ、その認識であってる。その中でも虚飾や憂鬱が原罪化することもあるのよ。そしてこの世界がそうだった───」


 大昔、この世界では虚飾と憂鬱を含め八つの原罪を持つ邪神が居た。


 しかし虚飾のベリアルは傲慢に、憂鬱は怠惰のベルディアに力を奪われ、その後台頭してきた嫉妬が加わりこの世界も七罪になったのだそうだ。


「ベルディアが憂鬱の力を奪ったん?」


「正確に言えば私は死にかけた憂鬱を吸収しました。マイロードの使い魔になる前の私は力に飢えていましたので」


「ほう。ちなみにその力は?」


「権能までは奪えませんでしたね。しかしマイロードの使い魔になった事で、今後マイロードが力を付ければ憂鬱を復活させ、マイロードに仕えさせる事が出来るやもしれません」


「そうなの?」


「はい。実際、私は吸収しきれませんでしたので、まだ魂は残っています」


 うーむ。なんか変なフラグを立ててしまった気がする。


「原罪を抱える者は皆、その原罪の力に振り回され、仲間意識など皆無でした。私もそしてそのほかの原罪達もですマイロード」


「ええ、だから決して仲間ではなかった。原罪の力は常に体を蝕み、更なる力とこの世界を破滅に追い込むことを求め続けた」


「それで? 恨んでるの?」


「いいえ、それはないわ。そんなに警戒しなくても平気よ。今の貴女なら分かるでしょ怠惰。力を失った今ならあの破滅的な衝動が如何に体を、魂を蝕んでいたか」


「それは……」


「それに今私はこの子と居るのが楽しいの。貴女と同じでね」


 ベリアルの言葉にベルディアが私に視線を向ける。


 なんとなく笑うとベルディアが私の肩に乗りもたれかかってきた。


「こっちは済んだみたいだね。じゃあイーナが虚飾のマスターってことでいいの? 影響は?」


「一応はそうですね。私としては力を貸してもらってるパートナーと言う感じですが。それに力を大部分失ってるのでなんの影響もないですよ」


「なる。それで潜入にも虚飾の力を使ってるのか。道理で分かりづらかったもんなぁ」


「いや、見破ってる段階でおかしいんですけどね」


「んで、ここまで来るとルシェの願いってのは傲慢についてって事で良いの?」


 傲慢に対応する悪魔や幻獣の中にはルシファーが居る。


 ここまで来ればそれ関連の事だろうと推測出来た。


「はい。あまりルシェの感情を揺さぶりたくないので私から話してもよろしいですかハクア様?」


「うん。そうしてミカ」

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