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最弱♀ミニゴブリンに転生、寿命30日から始まる神の箱庭~吸収能力と進化で最弱からの成り上がり~  作者: リーズン
英雄育成計画

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許すまじ

「お待たせしましたマスター」


「いや、全然待ってないです」


 私が倒した襲撃(予定)者を、窓から回収に向かったヘルさんは、なんと全員を適当にロープで括って持ってきた。

 その為なにやら芸術的に全員が絡み合い、とても気持ちの悪い人間ボールが出来上がっていた。


 これ解けるのかな?


 私の毒と、入り組み絡み合った負担の掛かる体勢により、総勢十二人で組み上がった人間ボールは今も呻き声を上げている。


 ぶっちゃけ気持ち悪い。


「くっ、このアマ! 俺達にこんな事してただで済むと思うなよ!」


 うん。ただでは済まなかったね。あんた達が……。

 しかしこの人間ボールどうするかな。このまま引き渡せばお小遣いに変換出来るのか? しかしとても安そうで少しガッカリである。

 私のお小遣いへのトキメキを返して欲しい。


 一人の怒号を皮切りに、人間ボールの至る所が各々に騒ぎ始める。


 うん。なんでこいつらこの状態でこんなにも上から目線で来るかね?


「オイ、女! 今すぐ毒を治して俺達を解放しろ! さもないと」


「さもないと?」


「おまえがせっかく助けた奴等の命がどうなって──」


「ああ、そうか。あの粗末な仕掛けはお前らの仕業か……」


 全く、どこのどいつがあんなものを仕掛けたのかと思えば、自分から白状してくれるとはね。


「ひっあ……」


 私が一歩近付くと、人間ボール共はまるで陸に打ち上げられた魚のように、空気が無くなったかの如く喘いでいる。

 だが、リーダー格であろう一名は私の事をキッと睨み付けると、歯を食いしばり人を小馬鹿にした笑みを浮かべ私を挑発する。


「あ、ああ、そうだ。術式を獣共に刻んだのは俺様だ。分かったらさっさと俺達を解放するんだな。さもないとお前が大金出した奴隷共が全員死ぬ事になるぞ」


「馬鹿かお前は」


「なんだと!?」


「術式に気が付いた時点で解呪してるに決まってるだろ」


 獣人の皆の魂に術式が刻まれているのは見てすぐに理解出来た。

 それは術者の意思一つで命を奪い、死した肉体は術者の意のままに操られるという、死んだ後ですらその尊厳を弄ばれる外法だった。

 恐らくは本人達ですら知らなかったであろうそれを、本人達に知られる事無く治療と称して解呪してある。


「馬鹿な!? あれは俺の最高傑作だ! お前みたいな小娘に解けるはずがない!」


「あれが? おいおいおいおい、ふざけんなよ。言っただろ粗末な仕掛けだって、術式も粗く綻びだらけ、正直三流もいいとこだろ」


「なんだと!?」


「最高傑作だと言うのならせめてこれくらいの術式を刻んでみろよ」


「なっ……んだ。その術式は……」


 術式を解き明かし改良したものを魔力で描く。

 魔力で描かれたその術式は、私の手の平の上でボールのようになっている。

 これは普通、平面で作られるものを立体的にした結果、球状にするのが一番効率が良くてこうなったものだ。

 その結果、膨大な量の情報を書き込む事に成功し、術式もかなり縮小出来るようになった。閑話休題。


 目の前の男からしたら未知の手法、そしてその自分のものとは比べ物にならない密度を理解し、男の顔はまるで化け物でも見たかのように青ざめている。

 そんな男を後目に、手の平の術式を男達に刻み付ける。


 この方法自体は付与や強化と似たようなものだから、さして難しいものではない。

 そして今回私が施した術式は嘘を禁じ、嘘を吐いた場合痛みを与える。ただそれだけのものだ。

 しかし、目の前で自分には不可能な規模の術式を展開され、元々の術式の内容を知っているこいつらには、それが分からない。

 だからこそこいつらには最大級の恐怖となる。


「さて、それじゃあそろそろ本題といこうか」

 ▼▼▼▼▼▼

「はぁ、凄まじいものを見たわ」


「そう? 私としては安心安全な拷問だったんだが?」


「あれがですかマスター?」


 あれ、おかしいな同じものを見てた筈なのに何故に意見が分かれるのだろう?


「それにしても……あれ、凄かったわね。もう拷問以外に使い道無いもの」



「いや、まあ……狂おしい程の努力の結果と言いますか……」


「……努力の結果拷問専用の魔法を生み出すって凄いわね」


「やー、照れる」


「褒めてませんよ」


「なんと!?」


 おかしい。褒められてる流れだったのでは?


「まさか……治療の炎とはね。身体を焼きながら同時に治療とかえげつないにも程があるわ」


「いやー、ビックリだよね」


「マスターが言いますか」


「てへっ」


 私だってまさかあんな効果になるとは思わなかったんだもん。

 考えた当初は傷口が燃えて治るとかカッコ良くね? とかって思ったんだもん! それなのに出来上がったら炎の性質残ったまま、炎に包まれた所が治るとか思わないじゃん。


「というよりも、どうしてあんな魔法創ったの?」


「なんと言いますかその、モンスターの事を勉強してる時に、ゴールドドラゴンとかってのについて教わった訳ですよ」


「まあ、私も見た事無いけど確かに居るわね」


「んで、そいつがなんと金色の炎を吐くらしく……」



「ゴールドブレスね」



「そうそう。それを聞いたら私としても炎の色にバリエーション付けたくなるじゃん!!」


「いや、なるじゃんって」


 なるんだよ! とりあえず今の所、赤い普通の炎、蒼い高温の炎、黒の呪いの炎、白の浄化の炎、そして毒の効果も付与出来る紫の炎に、今回の治療と同時に相手を焼く緑の炎を頑張って作ったんだよ! 個人的には後一種類増やして七つにしたいんだよね!!


 と、拳を握り締め熱く熱く語ったらため息吐かれた。解せん。


「別に炎の色くらいどうでも良いでしょう」


「いやいや、目の前で金色のかっこいいブレスなんて吐かれた日には、嫉妬で狂うよ?」


「そこまで!?」


 どうして誰も理解してくれないのだろう? 誰だって複数の色があったら七色ぐらいは揃えたくなるではないか。何故だ?


「でもまあ、思った通り大した情報は持ってなかったわね」


「だーね」


 拷問の結果わかったのは、こちらで掴んでいるものとほとんど同じものだった。

 中級、上級に繋がる手掛かりは無し。


 まあ、予想通りだけど。


 今回の件には王都や聖国も絡んでいる。

 これ以上の追求は、ナールバルトが出て来る前から既に止める手筈になっている。


 それにこれ以上調べても何も出てこないだろうからね。


「悔しいわね」


「アイギスも同じような事言ってたよ」


「でしょうね。でも、王都や聖国もとなると……」


「ああ、この国では重すぎる。だからここらが潮時だよ。それでもあの二国に繋がりがある奴ら結構が居るってわかっただけでも収穫だ」


「そうね。ギルドは一応中立ではあるけど干渉する手が無い訳ではない。それも踏まえて注意するべきね」


「うん。その辺は任せた」


 こうして、話し合いを終えた私は今日も一日を終えたのだった。

 因みに、昼にナールバルトとの邂逅があった事も知られており、昼食で辺り一帯の食料を食い尽くした件で怒られた私だった。


 おのれサーキュス=ナールバルト許すまじ。

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