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最弱♀ミニゴブリンに転生、寿命30日から始まる神の箱庭~吸収能力と進化で最弱からの成り上がり~  作者: リーズン
エルマン渓谷攻防戦

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私、まだ常識が足りてなかった様です

 それからも私はテアや女神に色々と質問をした。


 魔力とは精神エネルギー、気力とは肉体エネルギーという扱いらしく、どちらも急激に減少すると身体の防衛機能として意識を失ったりするらしい。

 イコール私が強敵と戦った際に、割と毎回意識を失うのはコレのせいなのだ。と、いう事が判明した。


 そんなん初めて聞いた! 誰も教えてくれなかった! と、騒いだがヘルさんに「教えていたとしても力を温存して生き残れる相手ではなかったので、結局結果は変わらないと思い報告しませんでした」と、真面目に言われてしまった。


 我が身の不幸を本気で呪っていたら目から液体が少し出たのはきっと気の所為。ぐすん。

 何故に私はこんな苦労を……解せん。


 それから魔法についてもちゃんと教えて貰った。


 魔法とは精神エネルギーである魔力を燃料に自然の力を増幅させるものらしい。


 まっ、早い話が火種にガソリンくべて炎にする感じだよね。


 そして私が考えた通りシステムとはそれを簡単に、そしてその事柄単体にやる事を絞る事で、より簡単に魔法や武技を扱えるようにする、歩行器や補助輪のようなものなのだとか。


「つまり、白亜さんの考えた通り魔法に関して言えば、システムに頼れば簡単に魔法を使えますが、そこから先の強さを得る事は出来ません。システムを理解しその先の魔道に足を踏み入れてこそ、魔法はより強大な力となります」


『本当の事を言えば、システムとは魔法を簡略化して魔法に慣れる事で、魔道を理解する為の足掛かりにする為のものでした。ですが時代が下がるに連れて、魔道に足を踏み入れようとする者は少なくなっていってしまったんです』


「誰も彼もが自分が与えられた便利な道具を、自分の力と思い込んで自分で立つ事を忘れた……と?」


『そんな感じですね』


「耳が痛い話だな」

「そうですね」


 この場で高ランク冒険者の実力を持つ面々は、私達の話を聞いて色々考える事があったようだ。


「まあ、既に白亜さんは魔法のカスタムどころか新しい魔法の開発をしているようですが」

「ああ、そう言えば白。こないだ最後の方に使ってた魔法、アレ何だ? かなりの威力の魔法をノータイムで連発してただろ?」

「あっ、アレは私も気になっていました。戦闘後も忙しくて聞く暇がありませんでしたが、アレもハクア様のオリジナルですか?」

「ああ、アインツ、ツヴァイ、ドライの事?」


 私は自分で考えた魔法の基礎的な理論を教えるが、何故か皆あまり理解が出来ないようだった。


 まあ、原因は分からなくもない。


 私の理論はこの世界と向こうの世界の、かなりコアな部分で成り立っているようなのだ。


 例えば魔法を使おうとするとその発射口の部分、例えばアニメとかのように手の平から発射しようとすると、そこに魔法陣が現れてそこから魔法が発射される。

 私は最初この魔法陣がシステムなのでは? と、考えて色々調べた。


 まあ、結果はよく分かんなかったけど。


 でも私は、次に一つの魔法を使う時、どんな風に魔力を込めるとどう変化するのか? 逆に少ないとどんな反応になるのか? 途中で止めたり、同じような効果の違う属性の魔法では魔力の流れ方にどう違いがあるのか? 等を【魔眼】スキルを取得してから色々調べ実験してきたのだ。

 そのお陰か私は属性や威力等の調節が、エディット機能を使わなくても出来るようになってきた。

 これは皆にも教えたけど、今の所出来るのはアリシアとクーだけだ。


 流石にクーは最初から出来ていたけど。


 そしてアインツ、ツヴァイ、ドライは、その魔法の基礎的な独自解釈の理論を元に、元の世界のコンピューター等のように、魔法の構築過程そのものをコピペ出来ないか? と、考えたものだった。


 そんな訳でこっちの世界は魔法の知識もさる事ながら、それが足りても向こうの知識が足りず。向こうの世界はコピペは解っても魔法の知識が足らずに理解しきれないのだ。

 なので何気に私のオリジナルは誰も使えなかったりする。


 ……ちょっと寂しい。


 だが、システムはデメリットばかりではない。


 言い換えればシステムは最適化されたものでもある。だからこそ無駄な魔力を使わずに済むし、暴走や失敗のリスクも少ない。


 要は使い分けだね。


「まあ、私も魔法はクーから教わった以外はほぼ独学だけどね」

「魔法理論や基礎構築など興味があれば教えますよ」

「マジで! よろしくテア。でもその辺は教えても平気なのか?」

「大丈夫ですよ。これは高度な魔法理論とはいえ、学ぼうと思えば学べる範囲のものですから。次に武技やスキルについてですが。白亜さんはもうスキルについての説明が全て正しいという訳ではない事を分かっていますよね?」


 テアの言葉に周りが少し驚いている。


 何故に?


「うん。まあね。例えば【魔闘技】なんかは、説明的には身体強化でステータスを1.5倍強化とはなってるけど、実際魔力をどこか一ヶ所に集中すればそこの防御は上がって、逆に魔力が薄くなる所は防御が下がるんだから、常時ステータスを1.5倍にする訳じゃないよね?」


 だから私は防御を削って速さ重視にしたり、一撃に全力出せるんだし。そうじゃなかったら私、今までの敵に軽く殺されてるよ。


「そ、そういえば確かにハクアの言う通りかも……今まで普通にやってたけど深く考えてなかった……」


 ……エレオノ。最近ちょっと思考放棄気味でないかい? 親から直接預かってるから脳筋思考は困るのだが。


「確かにそういえばそうね。私は戦う訳ではないから考えなかったけど……でも、ならなんでそんな説明に?」

「簡単だよ。普通になんの工夫も無い状態で使った時の効果が説明になってるんだよ。普通に発動すれば説明の通り1.5倍になるけど、足に集中すれば速さが上がるし、攻撃箇所に集中すれば威力が上がる。そんなもの全部説明文にしても誰も読まんよ」

「確かにその通りだな」

「しかもスキルなんざ、説明読まなくても感覚的に分かるようになってるし、スキル使ってしか説明も見られないからね」


『そうですね。ハクアは最初から弱かったので工夫することを念頭に置いていましたが、普通の人間はあまり格上とぶつかり続ける事は無いので、そこまで考えなくても強くなっていくんですよ。そしてエレオノのように戦闘の最中に意識せず学んでいきます』


 こんな所にも待遇の格差があるだと……!?


「ええ、ですが知っていて使っているのと、意識せず使えるのでは違います。より強くなる為にはその事も意識しなければなりません。そしてここからが魔法と武技の違いですが──」


 テアが語ったのはこうだ。


 武技は魔法やスキルとは違いシステムの恩恵を受けた方が良いらしい。

 何故なら魔法等と違い武技の場合は、技の途中でキャンセル行動が出来るのだ。

 どういう事かと言うと、技の途中で技を止めたり、別の技に切り替えたり、技の終わりに技を繋げたりするコンボも出来る。なので魔法のようなシステムのデメリットが少ないらしい。


 そしてもう一つ、武技は魔法と違い身体を動かさなければならない。


 前にも言ったが、要はシステムの力で動きや威力をアシストしてくれるのだ。

 その為、武技を使わずに同じ動作をする攻撃よりも、武技を使って同じ動作をした方が速く、そして威力も高くなるのだ。

 ただし、技を読まれれば途中でキャンセルしようが、技を切り替えようが、ある程度動きが決まってしまう為逆手に取られる事もあるらしい。


「以上の事から武技はシステムを使った方が得ですね。後は個人の資質と相談した戦い方ですね」

「なるほどね。やっぱ対人戦みたいなのは、隙を突かれる事も多いから注意した方が良さそうだね」

「ああ。だが、知能の低い闘争本能で向かってくるモンスターには有効そうだな」

「そうですね。ハーちゃんやみーちゃんの言う通り、その辺も使い分けという感じですかね?」

「ええ、その辺もきっちり学んでいきましょう」


 説明を聞いた後、そんな会話をしていると皆は何故か難しい顔をしている。


「どうしたの皆?」

「いえ、今まで考えずにやってた事や、知らなかった事実にパンクしそうな気が……」


 アリシアの言葉に皆が頷く。


 そんな新事実って感じでもなくね?


「まあ、でも、せっかく魔法なんて面白おかしいものがあるのに調べたり、研究しないなんて勿体ないよ? 色んな属性を組み合わせたとか色々と楽しいじゃん」


「「「『『『えっ?』』』」」」

「えっ?」


 何? その反応!? てか、これ何回め!?


 皆がまたしても私の言葉に微妙な顔になり、女神まで一緒になって全員で顔を見合わせる。


 だ、だから何! なんかした私!


 私が一人分からずに狼狽えていると、アリシアが意を決したように私に質問してくる。


「あ、あの、ご主人様? もしかして……誰でもご主人様のように色々な属性が使えるものだと思ってます?」

「……えっ? 違うの?」


 私の問い掛けに全員が一斉に頷く。


 ええぇぇぇえ~~~!!


 私、まだ常識が足りてなかったようです。


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