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最弱♀ミニゴブリンに転生、寿命30日から始まる神の箱庭~吸収能力と進化で最弱からの成り上がり~  作者: リーズン
エルマン渓谷攻防戦

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この女は藪から棒に何を言ってるんだ?

「皆、悪いけど暫くの間よろしく」


 アイギスの騎獣に跨がった白亜はここに集まった全員に向けてそう言うと、後ろのミミに体を預けまるで全ての力が抜けたかのように倒れこむ。


「わっ! ちょっ!」


 突然の出来事に停止していた思考も、そんな白亜を慌てながら抱き締めたミミを見て、ようやくその場に居る全員働き始めたようだ。


「なっ、ご主人様!」

「大丈夫だアリシア。心配するなアイツは視る事に集中しただけだ。まあ、確かに知らなければ心配する気持ちも分からんではないがな」

「見る事……ですかミオ?」

「ああ」


 アリシアの質問に答えながら微動だにしない白亜を見る。

 視る事に集中した白亜は体の機能を停止したかのように動かない。顔の作りも相まってその様はまるで本物の人形のようにさえ見えてくる。しかしその瞳だけはどんな些細な事も見逃すまいとしているのが見て取れる。


 今までも何度か似たような場面はあったが、ここまでではなかったな。スキルの影響か? それにしても体の機能を停止させて視る事に力を割くのは初めてだな。それほどと言う訳か。


 驚き方からしてここまで集中した状態を見たのは初めてなのだろう。そう結論づけた私はそれならしょうが無いと思いながら説明を続ける。


「そいつは今眼で視る事だけに集中する為に体の機能を放棄したんだよ。まあ、言う程簡単な事ではないがな。とにかく今は信じるだけだ」


 そもそも白亜は自分の評価がくだらない事以外は驚く程低い。逆に言えばくだらない事には何故そこまで……と言いたくなる程自信満々なのだが、皆が認めるような才能に関してはとことん自己評価が低い。

 白亜は私を天才と言うが、私からすれば白亜の方がよほど才能に溢れた人間だった。


 広く浅く全体を俯瞰して見渡す事も出来れば、今回のように他の全てを放り投げ一つの事に集中も出来る。そんな奴がどうして才能が無いと思えるのかと、事情を知っている私達でさえ思うのだから事情を知らない人間なら尚更だろう。


 まあ、コイツの場合は実の姉があまりにも優秀過ぎて神格化した事、そして……あんな環境であんな奴が居た事が、自信の欠如に繋がるのだから仕方が無いがな。


「暫定的に私が指揮を預かる! 攻撃役はある程度以上の者を中心に組め、その他の者は遠距離武器で対応を! 防御部隊は攻撃を受ける役と、負傷者の救出役に別れて、それぞれの部隊で役割を明確にしてくれ」


 私が白亜の指示を更に細かく伝えると全員が淀みなく動き始める。


 なるほど確かに優秀だ。頭を決めた段階で間違っていなければ全員がそれに何も言わず従うとはな。これならある程度のパターンは引き出せるか?


「ヴォォォォォオオォォオ!」


 私達が隊を整えていると遂にマハドルが動き始める。一際大きく吠えたマハドルの背中からは更に左右から三本づつ腕が生え、合計で8本になっていた。体の崩壊も今は止まったのか、先程まで気泡のように弾けていた体表は一見普通に見える。


 だが見た目通りとは限らんな。


「傾注! これより我らは総力を結集し、彼の化け物を駆逐する! 彼の者をここで打ち倒さねば、かならずやこの地に在る全ての命が脅かされるだろう! 卿等の双肩には我等が護るべき民草の命が掛かっている! だが忘れるな! 卿等は勇者であると! その剣は無辜の民を救う力だと! その力を用い未来への道を切り開け! 彼の者を打ち倒す勇者はここにありと力を示せ! さあ、鬨の声を上げよ!」


「「「オォオォォオ!」」」


「一番槍は刻炎だ! その力を知性無き獣に本物の力をとくと味わわせろ!」


「「「応!」」」


「二番手は暁だ! そのスピードを以て敵を翻弄し戦場を支配しろ!」


「「「了解!」」」


「三番手はフープ! 騎士の所以たる動きを見せ付けろ!」


「「「応!」」」


 指示を終えるとそれぞれの隊が戦場へと向かって行く。


 ふむ。なんとか士気は上がったか?


「やっぱりみーちゃんはハーちゃんの言う通り煽動家の才能がありますね」


 この女は藪から棒に何を言ってるんだ?


「いやいや、澪の嬢ちゃんも中々だな」

「そうね。正直あんな演説をするとは思わなかったわ」

「む? お前らは行かんのか?」


 良く良く見れば隊長格だけは未だにここに残っている。


「何、切り替えのタイミング一つ取っても受け持ちは多いに越した事は無いだろ? 俺の部下は優秀だしな。俺が指示を出すより上手く回る」


 なるほど、考え無しというわけではなかったか。


 ジャックのその言葉から私は自分の戦力にジャック、メル、カークス、フーリィーを加算して作戦を練り直していると、横合いからギルド長が私に話し掛けてくる。


「澪くん一つ良いかね? ここでは障害物が多い。場所を移動した方が良いのでは? 崩落に巻き込まれると面倒ではないか?」

「その事か、いや、そのリスクを取ったとしても利点はある。なまじっか相手がデカい分届く範囲が決まってる。ならば多少のリスクを取ってでも高さを生かして攻撃出来るに越した事は無い。空中での移動や方向転換の方法が白亜のようにあるなら未だしも全員にある訳ではないだろ? ならば身動きが出来なくなる滞空時間は少ないに越した事は無い」

「なるほど分かった。説明を感謝する」


 ギルド側に残る低ランクの冒険者は私の指示に疑問を持っていた。それを解消する為にわざわざ聞こえるよう、質問してくる辺りは、流石ギルド長と言ったところか。


「そろそろ私達も行くぞ。ヘル! 私達では細かく見ていられんそれぞれの算出を頼むぞ。わかり次第伝えてくれ!」

「分かりました」

「アクア、負傷者の回復順序は瑠璃の指示に従え。瑠璃任せたぞ。エレオノも移動時の護衛、回復中の守りを頼む」


「「「了解(ゴブ)」」」


「アリシアは最初は様子見だ。お前の火力は後半必要になるそれまではクーの補佐だ。結衣も最初は待機だタイミングはヘルが指示を出す。フロストお前の盾で全員を守れ」


「「「はい(了解じゃ)」」」


「それぞれの働きに期待する出るぞ!」


 レイドボス攻略の始まりだ。


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