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最弱♀ミニゴブリンに転生、寿命30日から始まる神の箱庭~吸収能力と進化で最弱からの成り上がり~  作者: リーズン
エルマン渓谷攻防戦

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「貴様罪人か?」

残酷な描写が在ります。



 少年は平凡だった。


 それ故に非凡な世界に放り込まれ、理不尽にさらされた少年の考えは変わってしまった。


 光りに包まれ目覚めた場所は王都ロークラと呼ばれる場所だった。そして、周りを見渡せば自分以外にもかなりの人数がいることが分かった。


 自分達がいる場所の一段上になった所には、ゲームに出てくるような王様、神官のような服を着た数人の人間、そして一際目を引く金色の髪をした美女が立っていた。


「こやつらが勇者か……」


 一番偉そうな王様みたいな人間がそう呟く、その時には幾人かの人間が「異世界召還」などと呟く声も聞こえた。


 そしてそれは確かに合っていた。


 召還された人間の数は二百人近く居た。何よりも驚いたのが何故か召還されたのが全員学園島の人間だった事だ。


 動揺覚めやらぬ中、こちらの都合などお構い無しに説明が始まった。

 曰く、自分達は勇者としては呼び出されたらしい事、勇者として特別な力を与えられた事、最後に魔王を倒すまで帰れない事が説明された。更に魔王を倒すまでの間出来る限りのサポートは有る事、衣食住は保証するとも言われた。


 もちろん反発はあった。


 だがそれも「協力しないのであれば、勇者として呼び出しはしたがこの国から追放する」と、異世界にいきなり放り出す。と、言われればほとんどの人間が口をつぐみ従うしか無かった。


 それに反発して王を襲おうとした人間も居た。しかし、強力な能力があろうと使い方のわからない人間には、モンスターの蔓延る世界で騎士として戦っている人間には敵うわけも無く、力ずくで従わされたのだった。


 その後城の人間によって呼び出された勇者の能力の検証が始まった。十人位ずつ呼ばれ甲冑を着た人間に眺められ能力を教えられていく。そして遂にあの審判の時が信也に回ってきた。


 そこで伝えられた信也の能力。それは【染まる精神】と、いうものだった。


 能力は相手に触り名前を呼びそれに相手が応えれば、対象者は心の底から自分の意思で使用者に服従を誓うというもの。


 それを聞いた瞬間、周りの人間の顔色が一斉に変わり、騎士達は王と王女を守り険しい顔で信也を睨む。そしてそれは騎士達だけではなく、一緒に召還された自分と同じ立場の人間達もだった。


 そんな事はしない! そう弁明しようと動こうとした信也は、騎士により力ずくで取り押さえられる。そして、首に首輪を無理矢理付けられその場で反逆者として追放が決定してしまった。


「なんで……」


 思わず溢れる言葉。


 周りを見た。


 誰もが目を逸らし関わらないようにする。


 仲の良かった友達と今まで共に過ごして来たクラスメイト達と目が合う。


 だが、何も言わずうつむき顔を逸らす。


 信也に味方は居なかった。


 誰も彼もが信也を裏切った。


 そこから先は良く覚えていない。


 薬のような物を飲まされ動けなくされた体をロープで縛られ、目隠しをされる。動物の鳴き声と車輪が回るような音が聞こえ自分が馬車に乗せられたのだと考えた。


 どれ位の時間がたっただろう。


 いきなり目隠しが外されるやはりそこは異世界だった。日本では見た事が無いような岩だらけの場所、信也はそこで目隠しを外された。


「悪く思うなよ。お前がそんな能力を持つから悪いんだ」


 鎧を着た人間がそう言いながら剣を振り上げる。


 殺される。嫌だ。何で。誰か。助けて。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。


 この期に及んで動かない体の唯一動く瞼を閉じ、せめてその瞬間だけは見たくないと、世界を、現実を拒絶する。


 しかし、幾ら待てどもその時はやって来ない。


 そして、ピシャッ! と、何かが顔に当たる。


 何だ? そう思いながら恐怖を押し殺してそっと瞼を持ち上げる。



 そこには…………。



 人間の下半身だけが血を撒き散らしながら立って居た。


「う、うわぁぁぁぁあ! う、うげぇ!」


 初めて見る死体。


 それも上半身が千切られるように無くなりその断面から腸が垂れ下がっている。


 ソレを見た信也は自身の吐瀉物にまみれながら胃の中身を吐き出し続ける。


「貴様罪人か?」


 胃の中身が無くなり胃液さえ出なくなった頃、不意にそんな言葉を掛けられる。


 思わずその声の方向を見る信也。死体に目を奪われ見えていなかったが確かにそこに居た。


 ソレは人の形をしていた。だが、ソレは人ではない何か別の物だった。


 感じた物は恐怖。


 自分よりも圧倒的な強者を前にした生物の根元的な感情に呑み込まれ声すら出せなかった。


 それが児島 信也とマハドルの出逢いだった。


後一回続きます。

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