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最弱♀ミニゴブリンに転生、寿命30日から始まる神の箱庭~吸収能力と進化で最弱からの成り上がり~  作者: リーズン
エルマン渓谷攻防戦

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腹巻きとネコミミつけるぞコラ!

 う~ん。二人の視線が痛い。


 エレオノの吸血鬼化の件で取り敢えずの話し合いは終わったけど、何故かアリシアと瑠璃の視線が痛いのです。


「それで、アリシアは大丈夫なの?」


(あからさまに話題を変えたな)

(主様、それは厳しいのじゃ)


 うるさい外野!


「はぁ~、はい。大丈夫です……」


 明らかに機嫌悪いですよね!?


「紹介します。出て来て下さい」


(簡単に呼び出さないで欲しいわね? 確かに力は貸すけれど、完全に支配を受け入れた訳でもないのよ?)


 やれやれと言いたげに出てきたのは、人形サイズの獣の耳をした美女だった。炎がそのまま髪になり火の粉を散らす姿は、まさしく炎の精霊と言う感じだった。


 う、うおぉぉお! け、ケモミミだ! フサフサ系のしっぽだぁ! ヒッホォイ!


 私は内心のハイテンションを悟られないように、必死に表情を取り繕いながら「よろしく」と、挨拶をする。すると興味無いわ。と、言いたげな視線をチラリと寄越しそっぽ向かれてしまった。


 あぁ、ケモミミがぁ~。


 その態度に少しガッカリしていると、その身体を横からむんずっ! と、掴む手が伸び炎の精霊を拐っていく。

 そしてその精霊を拐った人物。アリシアは、輝くような笑顔を精霊に近付けながら何ともいえない凄みを出す。


「貴女は何をしているんですか? ご主人様が話し掛けているんですよ?」


 怖い! 怖いから! アリシア様!


(ちょっ! 待ちなさい! 潰れる。潰れるから! わ、私はあんたの事は認めたけど、他の奴に支配された訳じゃ!)


「支配者の主は主ですよ?」


(わかっ、分かったから! 潰れる!)


「あ、アリシアその辺で、ねっ?」

「ご主人様が言うなら仕方ありません。ほら、セクメト。ちゃんと挨拶を「「ぶっ!」」って! キャアッ! ご、ご主人様? ミオ? いきなりどうしたんですか?」


 いやいや、だって!


「セクメトってあの?」


(あら、貴女は知ってるのね? 因みに本物よ)


 お前ら神ってこの世界に恨みあるの? てか、枠組み精霊なんだ?


『シルフィン:そう言う訳ではないですよ? それに、神の一部は古くから眷属扱いが多いですからね。精霊でも間違いではありません』


 なるほど。


「まさか、セクメトとはね。いきなりの大物にビックリだわ」

「そうなんですか?」


 まあ、この世界の人間は知らないよね。


 セクメトはエジプト神話の女神。太陽神ラーが自らを崇拝しない人類を皆殺しにするために、自らの片目から産み出したと言われる、ライオンの頭と炎の力を持つ、王の守護者であり復讐者でもある。


 私が知っている情報を話すとセクメトは満足げに頷き、他の皆は興味深そうにセクメトを眺める。


(へぇ、人の耳を見て興奮してる頭の悪そうな子だと思ったけど意外ね)


「うるせぇ、ビール飲ませるぞ」


(……止めてくれる。禁酒してるのよ)


 過去を反省して禁酒とか、私の知ってる超常存在の中で一番自制が効いているのでは?


『ほぼ全員:失礼な!』


「まっ、取り敢えずよろしく」


(……知ってる割には軽いわね。良いわ。よろしく)


「因みにさ? アリシアは本当になんでもないんだよね? こんな大物支配したんだ。もし、不調があったら直ぐに言って、無理は絶対にダメだ」

「はい。大丈夫です」


 しかし、あのセクメトを支配とかアリシア様の才能が留まる所を知らんのだが。これが才能か。羨ましい。


 私は一人アリシアの才能に戦慄しながら状況を整理する。


 全員怪我は治ったしMPも満タン、多少の疲れはしょうがないか。

 皆も敵を倒したお陰でレベルは上がった。特にエレオノは空を飛べるようになってステータスも全体的に上がったらしい。その代わり、魔法防御が低くなったらしいけど。


 アリシアもセクメトを支配した事で、魔法系のステがかなり上がったって言ってたね。

 しかも何か【精霊融合】とかいう、変身も出来るようになったとか? 変身……それは人の夢の一つなのだよ。羨ましい! しかも、服も変わるらしいから次に使うときが楽しみすぎる!


 でも、二人とも少し離れた間にいろいろ変わりすぎじゃね?

 私もそのイベント見たかったんですけど! クソ! イベントスチルの回収に行きたい!! なんで、なんで私はそこに居なかったんだ!

 大人クーに、パイルバンカー使ったヘルさん、コウモリ羽生やしたエレオノに精霊と融合したアリシア……私、イベントスチル逃し過ぎてるよ! ゲームならやり直しレベルだよ!?

 クソ! セーブ&ロード機能を付けてくれ! もしくは、ギャラリー機能だけでも何とかお願いします!!


『シルフィン:今までで一番真剣に願われた!? こんな願いを言われたのは初めてですよ!?』


 いや、マジでお願いします。


『シルフィン:うわ、目が怖いですよ。解ってるとは思いますが無理ですからね?』


 ですよね!! クソ! 初回スチルと二回目以降では微妙な差分があるのは常識なのに、常識なのに! はぁ、まぁ、いつまでも言っててもしょうがないか。


 それよりも──。


「澪どうなんだ?」

「要を得んな。何の事だ?」


 その言葉にイラつきながら、私は澪へと近付き胸元の服を捲りはだけさせる。


「乱暴だな。露出の多い服なんだ。あまり捲るなよ」

「うるさい」


 服を捲ると押さえ付けられていた胸が顕になる。

 それと同時に私の目に、澪の白く肌理細かい綺麗な肌に似つかわしくない黒い蛇の刺青のようなものが、左胸──正確には心臓の位置を時計回りに丸く囲むように浮き出ていた。

 私はそれを確認して舌打ちしたい気持ちに駆られる。


【蛇刻呪】魔族が使う呪いの契約の一つ。

 使用者の魔力により作られる黒蛇は契約者の同意と共に付けられ、契約者との契約の違反によりこの呪いは発動する。

 一度発動すると胸の心臓の上の辺りに蛇が現れ、ゆっくりと一日掛けて心臓の周りを丸く囲み、最初の部分に到達し完全な円になると契約者の魔力を奪い、心臓を喰らい黒い蛇が新たな魔物として産まれるらしい。


 私達は昨日の夜に澪達からこの事を聞いた。


 詳しくは割愛するが、澪は一緒にいたアイギスやクシュラに監視され操られていたアレクトラの為に、自ら望んでこの呪いの契約を受け入れた。だからこそ、勇者とはいえただの小娘にフープの兵全員が従っていたのだ。


 契約の内容は勿論裏切らない事、澪は昨日クシュラを倒した時点で呪いが発動したらしい。そして、この呪いを解く方法は、在り来たりな事この上ないが術者を倒すことなんだそうだ。


「後四時間くらいか?」

「まあ、そんな所だな。それよりも……」


 私がそれだけ確認してさっさと休憩を切り上げようとするが、そんな私を澪が正面から抱き締め顔を胸に押し付ける。


「心配されるのは存外悪くはないが焦るなよ白。お前はそんな事無いと言うかも知れんが、さっきから皆お前が私の方をチラチラ見てるのは気が付いてるぞ。大丈夫だ。今の私にはお前が居るからな。この勝負に負ける要素は何もない」


 ……確かに、いつも通りにしてる積もりでも内心焦るのは止まらなかった。とはいえ、チラチラ見てるとか全く無意識だったんですが! う~ん。そんだけ余裕無くなってたのかね?


 そう考えると、普段とは違い妙に体に力が入ってる気がする。

 私は意識的に深呼吸をして体の力を抜く。すると自分が思っていたよりもずっと焦ってたようだった。少しだけ澪の顔を盗み見る。目があった瞬間しょうがない奴。と、言いたげな視線を向けられる。


 うん。まあ、あれだね? 照れるのもあるけど少しイラッと来た。


「……分かった。焦ってたのは認めよう。それで私を胸に押し付けるのはなんだ? 自慢か?」

「……おい、流石の私も目の前に二人も弩級のプロポーション持ちがいてそれは言えんぞ」


 あっ、意外にショックだったのね? そういやこいつも自信持ってたっけ? 瑠璃程じゃないとはいつも言ってたけど。うちにはアリシアも居るからね~。


「全く、お前は死んでも変わらんな。せっかく生まれ変わったんだから少しは変われよ」

「何だと! 死因が交通事故で車に引かれて死んだから、妖怪シロニャンとかとでも名乗れと?! 腹巻きとネコミミつけるぞコラ!」

「どんなキレかただよ! 本当に変わらんな! 全く」


 私の照れ隠しになんだかんだと付き合う澪に感謝しつつ私達は、もう少しだけ休憩して万全の態勢にする事にした。


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