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最弱♀ミニゴブリンに転生、寿命30日から始まる神の箱庭~吸収能力と進化で最弱からの成り上がり~  作者: リーズン
エルマン渓谷攻防戦

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ナイス! ナイスだぞ澪!

「ほう、何故そう思う(しろ)


 ハクアの言葉にひどく愉しそうに嗤った澪はハクアに続きを促す。


(機嫌が良くなると、私の事を(しろ)と呼ぶのも相変わらずか)


「一つは今のこの状況だ。索敵させていたモンスターの軍団に発見され、意図せず戦闘になった。お前はそれを逆に利用する事で、どうやってかここまでの包囲を完成させた。なら何故いちいち姿を現した? この場でお前の駒に包囲されていると気が付いていたのは数える程しかいない。私達の殲滅を第一に考えてお前が動くのなら、何人かしか気が付いていない状況下で殺した方が効率が良い筈だ。それをしなかったのは殺したくない、もしくは殺したらいけない人間が居る。または、ここにいる人間を丸ごと自分の駒にする為になるべく無傷で捕らえようとしているんじゃないのか?」


(つってもコレも、状況から推測した只の希望的観測なんだけどね~。ここまで格好付けたんだから、何とか言えよこの野郎! もし何も無かったら祟ってやる!)


「ふっ、流石だなその通りだ。ゲームをしようじゃないか白亜」


(よ、良かった~。ナイス! ナイスだぞ澪!)


「ゲーム?」

「ああそうだ。内容は私とお前の一騎討ち。負けた方の全軍は勝った方へと降るそれがルールだ」

「私は良いとしても刻炎や暁のメンバーは認めないでしょ?」

「認めるさ。何より、認めなければここで無駄死にするだけだがな」

「ふざけるな! 何で俺達の命運をこんなガキに託さなきゃいけないんだ!! 何より魔族の軍門に降る位なら、ここで戦って死んだ方が余程意味のある死だ! 決して無駄死にでは──」

「くっはははははっ!」

「な、何が可笑しいんだ!!」


 澪の言葉に反論し自らの死について叫ぶ刻炎の兵士。しかし、その叫びも澪にとっては笑いを誘うものだった。


「何時誰が、無駄死にするのが貴様らだと言った?」

「はっ? な、何を──」

「もうすぐ子供が産まれるそうだな? おめでとうフィリド君?」

「な、何故俺の名前を──そ、それになんで! なんでお前が妻の事を知って──」

「分からんとでも思ったか? お前達のクランや連合は有名だからな? 少し調べれば分かる事だろう? さて、賢明な諸君ならそろそろ私の言っている事が理解出来てきたか? それとも──証拠が必要か?」


 その言葉にこの場の全員が強制的に理解させられる。澪の言っている無駄死にが何を、誰を指すのかを──。


「随分と手の込んだ面倒な事をするな?」

「お前なら知ってるだろ白亜? 私は結果だけでなく経過も大事にする質なんだ。それに私も今立ち位置が微妙でな駒は多いに越したことは無いんだよ。それに【洗脳】するにも色々と手順があってな。その中でも心を折るのが一番楽なんだ。なかなか趣味の良い趣向だろ?」

「……そうだったな。お前は昔から結果よりも経過に拘っていたっけか?」

「だろ? それに私は一度お前を失ったからな。その時考えたんだ、お前を私のものにするにはどうすれば良いか。そして分かったんだ。私がお前を殺して私だけのものにする。そうすれば誰にも奪われない──とな」

「あ、安形先輩?!」

「……狂ってる」


 誰が呟いたのか。澪の言葉に全員が絶句し、誰かが否定している──だがそんな言葉は澪には届かなかった。何故なら澪にはもう白亜と瑠璃以外は見えていなかったからだ。


「ハッ、随分と面白い結論だな澪」

「そうだろう? 加えて言うならこの世界には、死人を生前のように動かす方法もあるしな。お前を殺したらカーチスカに、私の人形として蘇らせるように頼んであるから安心しろ白亜」

「……みーちゃん」

「どうした瑠璃?」

「私もハーちゃん人形欲しいです! もしくはその時は私もセットでお願いします!!」

「お、おう。瑠璃お前本当にエロ可愛いが、それと同じ位ブレないし重いな──正直怖いぞ」

「ふふん。当たり前です! 私のハーちゃんとみーちゃんに対する愛の前に、死んでいるか生きているかなんて些細な障害ですから!!!」

「「いや、それは重要だろ!」」

「そうですか?」

「……白亜お前色々頑張れよ」

「オイー、私だけに投げるなよ! 今お前の名前も入ってたからな! 今更聞こえなかったフリが出来ると思うなよ」

「ま、まぁいい。りょ、了承したぞ瑠璃。ゴホンッ! あ~。仕切り直すぞ白亜!」

「お、おう。ゴホンッ! ……ふぅ、良し。澪! お前の言うゲームの内容は一騎討ちだったな? 他のルールはあるのか?」

「無いな。しかし、そうだな? お前の仲間以外は後ろに下がってもらおうか? それと──」


 ガギンッ! と、澪の言葉が終わる前にハクアの後ろから金属同士がぶつかる音がする。ハクアがその音の発信源に目を向けると、そこではジャックとメルの二人がそれぞれに武器を構え、ハクアの知らない二人と対峙していた。


「こっちは任せてその子に集中しなさいハクアちゃん!」

「その通りだぜ嬢ちゃん! そいつぁ恐らく嬢ちゃんより強い。油断したら直ぐに死ぬぞ! しかし、随分な念の入れようだな? 嬢ちゃんがピンチの時に俺らが動かないようにするとはな!」

「かの有名な刻炎の、黒剣ジャック=ライドス殿と手合わせ出来るとは、喜ばしい限りです。貴方の黒剣とは一度切り結んでみたかった」

「ハッ、こっちこそあの白騎士カークス=ハイランドと、やりあえるたぁありがてぇこった!」

「私の相手は貴女なのね。剣姫フーリィー・マライア」

「剣姫等とはお恥ずかしい。貴女とはこのような形で再会したくなかったのですが、我が新たな主の命により、その身を無力化させて頂きます」

「そう簡単に行くかしら? 貴女こそ覚悟なさい」


 二組は話が終わるなり凄まじい速度で戦闘を始める。


(すげー! あれがAランク同士の戦いか。それよりも──)


「澪! 一つ聞く! 何で私の仲間だけここに残す!」

「そこのお姫様は私達にとっても重要でな。後ろのバカどもに襲われ死なれたり利用されたら困る。だからお前の仲間に守らせるんだ。お前の仲間なら安心だしな」

「なるほどね」

「さて、話は終わりか? 正直私は楽しみだぞ。お前と本気でやりあえるのは、前の世界ではあまり無かったからな。お前がこの世界で健康な別の体を手に入れてくれて私は嬉しいぞ。さあ、やり合おうか白亜!」

「そうだね。そろそろ……やろうか!!」


 言うや否やハクアは奇襲をかける。しかし、澪はそれを見越したように軽く受け止め愉しそうに嗤う。


「やるき満々だな白亜。そんなに私とやりあいたかったのか?」

「かもなっ!」

「ふっ、さあ、私の攻撃。お前はいつものように(・・・・・・・)受けきれるかな?」


 そう言いながら澪は嗤い、ハクアもまた澪のように嗤うのだった。


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