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ヒモ聖女の半百合冒険譚 ~美女に転生した前世ヒモ男は、令嬢たちを囲って百合ハーレムを作りたい、ついでに世界を救う~  作者: 緑豆空
第五章 半百合冒険

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第348話 アルカナ王族と共闘

 牢獄に居た王族の娘に話を聞くと、どうやら貴族達の反乱が起きて、あっという間に王族が捕らえられたらしい。しかも目の前の王女は、そこそこ可愛らしいのでとりあえず話を聞きたい。


「私はプーリャ・アルカナと申します」


 声も可愛い。


「プーリャ王女」


「はい」


「他にも捕らえられてますか?」


「かと思いますが、誰が生きていて誰が死んだかも分かりません」


「なぜこのような事になったのか分かりますか?」


「すみませんが分かりません」


「とにかく牢を全て見ましょう」


「はい」


 そして他の牢屋を周ってみると、男が捕らえられていた。


「ヴェールユ!」


「殿下! ご無事で」


「待ってて」


 プーリャが鍵を使って牢獄を開ける。するとそいつの両足には鉄球がついていた。


「この方達は?」


「隣国の貴族様だそうです」


「なんで、こんなところに婦女子だけで…」


 だがそこでアンナがスルスルと剣を抜く。一瞬唖然として、ヴェールユという騎士が立ちはだかろうとしたが、その剣はヴェールユの足の鎖に下ろされる。


 ザンッ!


「あ」


「もう片方も出せ」


 ザンッ!


 二つの足の鎖を切り離し、鉄球が転がされた。


「かたじけない。物凄い技の冴えですね」


「大したことは無い」


 そこで俺が言う。


「とにかく、ここには他にいないらしいです。私達はある人を探しに来たのです」


 プーリャが聞いた。


「ある人?」


「我が国の貴族の娘がさらわれました。それを火種に、戦争を起こそうとしている人がいます」


「なんてこと……」


「心当たりは?」


「ありませんが、もしかしたら我が国の貴族が関係しているのでしょうか?」


「その可能性が大きくなりました」


「分かりました。とにかくここを出ませんと!」


「出ましょう」


 そして俺達が牢屋の入り口に行く。するとアンナが言う。


「外に人が集まっている」


「うっそ」

 

 するりと入り口の扉についている小窓を開けると、おっさんと目が合った。スッとそれを締めて、俺は後ろを振り向いて言う。


「おじさんがいる」


 次の瞬間、ガン! ガン! と音が鳴り出した。どうやら外から何かで扉を叩いているようだ。入り口で眠らせた貴族二人に気が付いたのだろう。


 プーリャが言う。


「ど、どうしましょう」


 騎士ヴェールユが答える。


「姫と王子は我が守り申す!」


 あー、そうか。コイツは忠義に熱い臣下ってやつだ。まるで第一騎士団のマイオールみたいなやつだ。暑苦しくて嫌い。


 とりあえず、その功績は俺が奪ってやろう。俺がプーリャに言う。


「ご心配なく王女殿下。一瞬で片付けてごらんにいれます」


 俺が魔法の杖を、扉の小窓にするりと刺しこむ。


「スプラッシュライトニング」


 パリパリパリパリ! と凄まじい音がした。すると扉を殴りつけていた音が収まる。


 鉄の閂を抜こうとするが、打撃で曲がってしまい抜けなくなってしまった。だが俺の身体強化が施されている、清楚系のスティーリア(ルクセン)と文学系のヴァイオレット(レルベンゲル)が閂を押さえて、グイっと横に引き抜いた。


 ガイン!


 それを診てヴェールユが言う。


「華奢な女性だと思っておりましたが…」


「火事場のなんとやら?」


 そして外に出ると、十人くらいの騎士が転がっていた。それを診てヴェールユが言う。


「全く情けない。言いくるめられおって!」


「あなたは寝返らなかった?」


「我が寝返るなどあり得ません!」


「なるほど」


 俺達がそこを過ぎて階段を昇る。だが通路には誰もおらず、俺達は助けた三人を連れて外に出た。


「全く無防備な…衛兵もどこに行ったのやら」


 プーリャが言う。さっきまではいたと思うが、何処かに行ってしまったらしい。


「王族も居ない。地下牢にもいない、あとは隔離塔でしょうな」


 ルクセンが言う。


「隔離塔はどちらにありますか?」


「こちらです」


 そして俺地はプーリャとヴァイネンに付いていく。そのまま進んで行くと、石畳みの通路に出た。そこを左に曲がりプーリャが走るが、グッとアンナが手を握って止める。


「先に騎士がいる」


「わかるのですか?」


「ああ」


 俺がプーリャに言った。


「貴族の娘を救うまでは、事を荒立てたくないのです。それよりも他に信じられる臣下はいませんか?」


 するとヴェールユが言う。


「恐らく、ここじゃない牢獄に投獄されているかもしれない。近衛は全て捕らえられました」


「なるほど…じゃあ。こうしましょう、私達が目的の娘を助け出すのを手伝ってください。私達はその兵士達を開放する手助けをします」


 するとプーリャ頷いた。


「分かりました。先ほどの技といい、女騎士様の冴えといい、あなた方はただものではないようです。助ける手助けをいたしましょう」


「では。まずは彼女を探します」


「はい」


 するとヴェールユが言った。


「我も剣を手に入れます」


「いいでしょう。では進みます」


 そして俺達はヴェールユの剣を手に入れた。俺達はアルカナ共和国の王族と共闘する事になった。


「では、正面から行きます」


 俺が言うと、ヴェールユが言う。


「まさか…。数が違いすぎます。娘さん方がいくら優れていても、力負けしてしまいます」


「いえ。私達は負けません」


「しかし……」


 するとプーリャが言った。


「ヴェールユさっき、この方達のお力を見たでしょう。彼女らは只ものではないわ」


「……わかりました。では、参りましょう。いざとなったら我が守ります!」


 うわあ。熱血め。カッコつけんじゃねえ。こいつらはオヤジだぞ。


 そして俺達は正面から、隔離塔を目指して走っていくのだった。

2024年大変お世話になりました!

来年も引き続きお読みいただけるように更新頑張ります!

何卒よろしくお願いします!

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