第348話 アルカナ王族と共闘
牢獄に居た王族の娘に話を聞くと、どうやら貴族達の反乱が起きて、あっという間に王族が捕らえられたらしい。しかも目の前の王女は、そこそこ可愛らしいのでとりあえず話を聞きたい。
「私はプーリャ・アルカナと申します」
声も可愛い。
「プーリャ王女」
「はい」
「他にも捕らえられてますか?」
「かと思いますが、誰が生きていて誰が死んだかも分かりません」
「なぜこのような事になったのか分かりますか?」
「すみませんが分かりません」
「とにかく牢を全て見ましょう」
「はい」
そして他の牢屋を周ってみると、男が捕らえられていた。
「ヴェールユ!」
「殿下! ご無事で」
「待ってて」
プーリャが鍵を使って牢獄を開ける。するとそいつの両足には鉄球がついていた。
「この方達は?」
「隣国の貴族様だそうです」
「なんで、こんなところに婦女子だけで…」
だがそこでアンナがスルスルと剣を抜く。一瞬唖然として、ヴェールユという騎士が立ちはだかろうとしたが、その剣はヴェールユの足の鎖に下ろされる。
ザンッ!
「あ」
「もう片方も出せ」
ザンッ!
二つの足の鎖を切り離し、鉄球が転がされた。
「かたじけない。物凄い技の冴えですね」
「大したことは無い」
そこで俺が言う。
「とにかく、ここには他にいないらしいです。私達はある人を探しに来たのです」
プーリャが聞いた。
「ある人?」
「我が国の貴族の娘がさらわれました。それを火種に、戦争を起こそうとしている人がいます」
「なんてこと……」
「心当たりは?」
「ありませんが、もしかしたら我が国の貴族が関係しているのでしょうか?」
「その可能性が大きくなりました」
「分かりました。とにかくここを出ませんと!」
「出ましょう」
そして俺達が牢屋の入り口に行く。するとアンナが言う。
「外に人が集まっている」
「うっそ」
するりと入り口の扉についている小窓を開けると、おっさんと目が合った。スッとそれを締めて、俺は後ろを振り向いて言う。
「おじさんがいる」
次の瞬間、ガン! ガン! と音が鳴り出した。どうやら外から何かで扉を叩いているようだ。入り口で眠らせた貴族二人に気が付いたのだろう。
プーリャが言う。
「ど、どうしましょう」
騎士ヴェールユが答える。
「姫と王子は我が守り申す!」
あー、そうか。コイツは忠義に熱い臣下ってやつだ。まるで第一騎士団のマイオールみたいなやつだ。暑苦しくて嫌い。
とりあえず、その功績は俺が奪ってやろう。俺がプーリャに言う。
「ご心配なく王女殿下。一瞬で片付けてごらんにいれます」
俺が魔法の杖を、扉の小窓にするりと刺しこむ。
「スプラッシュライトニング」
パリパリパリパリ! と凄まじい音がした。すると扉を殴りつけていた音が収まる。
鉄の閂を抜こうとするが、打撃で曲がってしまい抜けなくなってしまった。だが俺の身体強化が施されている、清楚系のスティーリア(ルクセン)と文学系のヴァイオレット(レルベンゲル)が閂を押さえて、グイっと横に引き抜いた。
ガイン!
それを診てヴェールユが言う。
「華奢な女性だと思っておりましたが…」
「火事場のなんとやら?」
そして外に出ると、十人くらいの騎士が転がっていた。それを診てヴェールユが言う。
「全く情けない。言いくるめられおって!」
「あなたは寝返らなかった?」
「我が寝返るなどあり得ません!」
「なるほど」
俺達がそこを過ぎて階段を昇る。だが通路には誰もおらず、俺達は助けた三人を連れて外に出た。
「全く無防備な…衛兵もどこに行ったのやら」
プーリャが言う。さっきまではいたと思うが、何処かに行ってしまったらしい。
「王族も居ない。地下牢にもいない、あとは隔離塔でしょうな」
ルクセンが言う。
「隔離塔はどちらにありますか?」
「こちらです」
そして俺地はプーリャとヴァイネンに付いていく。そのまま進んで行くと、石畳みの通路に出た。そこを左に曲がりプーリャが走るが、グッとアンナが手を握って止める。
「先に騎士がいる」
「わかるのですか?」
「ああ」
俺がプーリャに言った。
「貴族の娘を救うまでは、事を荒立てたくないのです。それよりも他に信じられる臣下はいませんか?」
するとヴェールユが言う。
「恐らく、ここじゃない牢獄に投獄されているかもしれない。近衛は全て捕らえられました」
「なるほど…じゃあ。こうしましょう、私達が目的の娘を助け出すのを手伝ってください。私達はその兵士達を開放する手助けをします」
するとプーリャ頷いた。
「分かりました。先ほどの技といい、女騎士様の冴えといい、あなた方はただものではないようです。助ける手助けをいたしましょう」
「では。まずは彼女を探します」
「はい」
するとヴェールユが言った。
「我も剣を手に入れます」
「いいでしょう。では進みます」
そして俺達はヴェールユの剣を手に入れた。俺達はアルカナ共和国の王族と共闘する事になった。
「では、正面から行きます」
俺が言うと、ヴェールユが言う。
「まさか…。数が違いすぎます。娘さん方がいくら優れていても、力負けしてしまいます」
「いえ。私達は負けません」
「しかし……」
するとプーリャが言った。
「ヴェールユさっき、この方達のお力を見たでしょう。彼女らは只ものではないわ」
「……わかりました。では、参りましょう。いざとなったら我が守ります!」
うわあ。熱血め。カッコつけんじゃねえ。こいつらはオヤジだぞ。
そして俺達は正面から、隔離塔を目指して走っていくのだった。
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