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ヒモ聖女の半百合冒険譚 ~美女に転生した前世ヒモ男は、令嬢たちを囲って百合ハーレムを作りたい、ついでに世界を救う~  作者: 緑豆空
第五章 半百合冒険

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第329話 エロシチュも大事だが仕事もする

 商会や問屋を周り、流通についていろいろと話を聞いた。既にルクセンから話が回っているようで、何処に行っても快く説明をしてくれた。これは領主と領民の関係が良好である証拠で、何処の領でもそうだとは限らない。


 皆を集めて俺が聞く。


「どうですか? こう言う場所では、女性達も男性と一緒に働いているんです。そして普段何気なく使っている物が、ここから皆さんの元へと流れていくのです。物がこんなにいっぱい詰まれているのを、普段あまりみませんよね」


「「「「「「はーい」」」」」」」


 話し終えると、商会の主が無償でお菓子を配った。それを見て俺が言う。


「じゃあ広場でお菓子を食べましょう」


「ひ、広場で?」

「いいのでしょうか?」

「手で食べるのですか?」


 そう。配られたのは、貴族御用達の上品なお菓子ではないのだ。お世辞にも絶品とは言えないが、子供達が喜んで食うものだ。


 俺は令嬢を連れて広場に行く。そして袋を開けてみるように言った。


「どう?」


「これはどうやって食べるのです?」


「それは飴です。ぺろぺろ舐めます」


 さっき商人から見せてもらったのだが、それは棒つきの飴だった。しかも素朴な飴で、貴族のお嬢様たちが食べるような、切り分けられた綺麗な色のものでは無かった。


 俺が舐め始めると、伯爵の娘さん達が恥ずかしそうに舐め始める。ソフィアも皆にならってぺろぺろと舐め始めるが、俺はめちゃくちゃ凝視してしまうのだった。


「あ、あの。私の食べ方は間違っていますか?」


「あってる! 一番あってる」


 可愛い! めっちゃ可愛い!


「それなら良かったです」


 ああ…ソフィアの舌が、ぺろりと出て来て飴を舐めてる。その飴をどうか…どうか俺に下さい。願わくば俺のと交換してください。


「ソフィア…あ、味って…飴の味って全部一緒かな?」


「色も形も一緒ですので、恐らく一緒ではないでしょうか?」


「だよねえ、一緒だよねえ…」


 ああ…思った通り、素晴らしい光景が広がっている。令嬢たちがぺろぺろと、ぺろぺろぺろぺろと…飴を舐めてる。


 アンナが言う。


「聖女…顔」


「あっ。ああ、素朴な味だねぇソフィア」


「はい」


 広場での休憩を終え、皆の棒を袋に集めて仕舞いこんだ。普通の市民なら、ポイッ! って捨てるところだけど、貴族子女がそんな、はしたない事をするわけにはいかない。


 するとソフィアが言って来る。


「聖女様。本日の予定はここまででございます」


「そっか」


 んじゃ自由行動にするか。


 すると同行していたスティーリアが言う。


「聖女様。もしご予定がお空きになるのでしたら、こちらの教会に顔を出されてはいかがでしょうか?」


「確かにね。シーノーブル騎士団設立の事もあるし、聖騎士団とぶつかっても仕方ない。シーノーブルの事について話を通しておこう」


「はい」


 基金も募っている事だし、邪神対策にも信仰は重要だ。本当はこのまま女子ーズと戯れていたいけど、致し方あるまい。


「じゃあ、皆さん。ここからは自由行動です。夕方までに辺境伯邸に戻るようにしてください」


 だがソフィアが手を上げる。


「聖女様。これから教会に行かれるとお伺いしましたが?」


「そのつもり。布教活動も大切な活動だから」


「では! 私達もご一緒させてくださいませ!」


 そう言えばソフィアは、ネメシスの脅威に直面したんだもんなあ。より一層、女神フォルトゥーナに対しての思い入れが強い。


「うちらは地方の神父さんとお話をするけど、みんなはどうしたい?」


「ご礼拝をさせていただきたく思います」


「皆も?」


「「「「「「「はい!」」」」」」」」


 敬虔な信徒さん達だこと。女性は特にその傾向が強いというか、なぜかソフィアに言われると皆が従う感じがする。一人くらいは『遊びたーい』って言う人がいても良さそうだけど。


 マロエとアグマリナも、令嬢たちに心構えなんかを話してるし、なんでこんなに真面目なのかねえ。不純異性交遊とかに興味は無いのだろうか?


 そうして俺達は、この領の大聖堂に向かう。辺境伯領の大聖堂はデカい記憶があったが、今の時間なら神父たちも出払っているかもしれない。


 大聖堂に入り、掃除をしている神父達に声をかける。


「あのー。こんにちわ」


 そう声をかけると、掃除をしていた神父たちが一斉にこちらを見た。


「せっ…聖女様!」


「突然すみません」


「聖女様がいらっしゃったぞ! 司教を呼べ!」


 いきなり掃除をやめて慌ただしくなる。そこに血相を変えた司教が走って来た。


「こ、これは! 聖女様! 本日はいらっしゃる御予定でしたかな?」


「いえ。こちらには研修で来たのですが、教会に挨拶をしないのは失礼かと思いまして」


「めっ滅相もございません! こちらの御令嬢がたは?」


「祈りを捧げに。誰が神父様がご案内してください」


「皆、ご丁重にご案内してください」


「「「「「はい!」」」」」


 さっきまで飴舐めてた、ただのお嬢ちゃん達だし、そこまで気を使わなくてもいいんだけど。


「ささ! 聖女様がたはこちらへ!」


「急にすみません」


 そうして俺とスティーリアとアンナが、司教と共に奥の部屋へと行くのだった。応接の間に通されて、俺達は上座に座らせられる。


「御視察でございますか?」


「いや。違うんです。彼女らは貴族子女なのですが、これからの時代は女性が活躍する時代だと思いまして、彼女らに勉強をさせて、国を背負って立ってもらおうと思っております」


「それは素晴らしい!」


「シーノーブルと言う組織で、陛下直々にシーノーブル騎士団の設立も認可されてます」


「聖騎士団では無くですか?」


「はい。シーノーブルという私設の騎士団となります。入団するのは女性だけとなります」


「なんと…それはどういう事で?」


 面倒だな。


「すべては女神フォルトゥーナによる神託にございます。既に教皇の認可も得ておりまして、その基盤を作るために各地を動く事となっております」


「わかりました。その騎士団はこのヴィレスタン辺境伯領にも作られるのですね?」


「はい。市民のために働く騎士となります。教会とも密接に動くと思いますので、よろしくお願いいたします」


「かしこまりました。ギルド…とは違うのでございますね?」


「違いますが、一部ギルドの仕事も受け持ちます。ですが冒険者というわけではございませんので、そこはお間違いの無きようにお願いいたしたい」


「はい! 心得ました」


 するとスティーリアがバッグから、巻物を取り出して広げる。


「では恐れ入りますが。こちらに署名を、地方では一人目の署名となります」


 その羊皮紙には、ルクスエリム以下大臣と教皇や枢機卿の名前が記されていた。


「はい!」


 そして司祭はペンをとって、一番下にサインをした。そして俺は話を続ける。


「この町は女性が元気ですね」


「それは、領主様が最近力を入れ始めたからでございます」


「ルクセン様が?」


「王都から帰って来てからは、女性の起用を重要視しておられるようです」


 ほう。どうやらジジイは俺の言う事を実行しているようだな。


「それは良かった。では修道女の地位の向上についても検討してください」


「それは分け隔てなく。教皇様からの通達にございます」


 よしよし。女性の地位を向上する動きは、このヴィレスタンでも来てるってこったな。


 話が終わったので俺はとっとと立ち上がる。


「では」


「もう、で御座いますか?」


「御令嬢たちの学びが主です」


「かしこまりました! それでは当教会が出来る事は、何なりとお手伝いさせていただきます」


 ほんと? じゃあ。


「では。もう一つ、王都では孤児学校が設立されました。このヴィレスタンでも同様の学校を作りたいのですが、それは可能ですか?」


「もちろんです」


「では辺境伯へ話を通します。資金やもろもろは、辺境伯より文官が差し向けられるでしょう。そこで調整し話を進めるという事でよろしい?」


 キッと司祭を見つめる。


「もちろんです。最優先事項として取り組まさせていただきます」


「お願いします」


 よしよし。そことシーノーブルを繋げて、ヴィレスタンでの人員確保に使わせてもらう事にしよう。


「ではこれにて」


 あとは頑張ってやれよ。


 そして俺達は礼拝堂に来た。丁度令嬢たちの祈りが終わったところで、俺がソフィアに言う。


「では用事が済みましたのでまいりましょう」


「はい」


 令嬢たちを引き連れて、俺達は教会を後にするのだった。外に出てみると、もう夕日がさしていて今日の研修が終わりである事を皆が理解した。


「では、ウェステート。お屋敷に戻りましょう」


「はい!」


 礼拝堂から辺境伯の城迄はそれほど距離は無く、俺達はすぐに戻ってくる。すると入り口からルクセンが手を振って近づいて来た。


「いかがでしたかな?」


「勉強になったようです」


「それは良かったのじゃ!」


「あ、それと辺境伯様には後でお話があります」


 お前の勉強な。


「分かったのじゃ! まずはゆっくり休まれると良いのじゃ。直ぐに夕食の準備は出来ますのでな」


「よろしくお願いします」


 解散して令嬢たちが自分の部屋に戻って行った。俺の所にミリィが来て、バッグやローブを預かってくれる。ソフィアとウェステートとマロエとアグマリナが、めっちゃ仲良くなっているようで、四人で屋敷の奥へと歩いて行くのだった。よしよし。


「ミリィ。夕食の前に体を綺麗にしたい」


「かしこまりました」


 俺はミリィと共に、自室に戻ってすぐに服を脱ぎ始めるのだった。

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