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ヒモ聖女の半百合冒険譚 ~美女に転生した前世ヒモ男は、令嬢たちを囲って百合ハーレムを作りたい、ついでに世界を救う~  作者: 緑豆空
第四章 異世界聖戦

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第295話 邪神ネメシスとの直接対決

 森の奥から不穏な気配が近づいて来る。森の木々が倒れ鳥たちが逃げ惑い、ネメシスは真っすぐに俺達を目指して進んでいるようだ。隠れているつもりだが、俺がここにいる限りは奴は真っすぐに向かって来るのだろう。


「恐らく私の気配を辿っているんだ。だから私がオトリになる。どこまでできるか分からないけど、やるだけやってみるしかない。アンナとリンクシルとネル爺はこっちに来て」


 俺の前に三人がやって来たので、しっかりと身体強化をかけた。次々に体が光り輝き、最大の強化魔法まできっちりとかけてやるとネル爺が言う。


「ま、まるで若返ったようですな!」


「だからと言って無理は禁物。アンナとリンクシルもね」


「聖女も」


 そしてシーファーレンが言った。


「私の魔法がどれだけ効くか分からないですが、とにかく足止めできるようにやってみます」


「危なくなったらすぐ逃げて」


「わかりました」


 クラティナも小瓶を出して見せる。


「これは痺れ薬と目くらましです。これも効くか分かりませんがやってみます」


「わかった。じゃあマグノリアがヒッポにクラティナを乗せてそれを試して」


「はい」


 そしてマグノリアが言う。


「ゼリスが森の動物たちを使役して、あれの意識を逸らしましょう」


「そうか。ゼリスできる?」


「やります!」


 俺と仲間達がどうやってネメシスを仕留めるかを話していると、マルレーン公爵が言った。


「せめて剣があれば、私もお役に立てそうなのですが」


「いえ。公爵様に何かあったらソフィアが悲しみます。とにかく距離を置いて、身を守る事に徹してください」


「わかりました。足を引っ張らぬようにします。ですが一つだけよろしいですかな」


「なんでしょう?」


「この子には不思議な力があります。それを役立てる事は出来ませんでしょうかな」


 俺はソフィアに聞く。


「不思議な力?」


「お父様! こんな時に!」


「このような時だからだ」


 俺はもう一度ソフィアに尋ねる。


「言ってみて」


「な、なんともうしますか、本当に危機が迫った時だけと言いますか…」


「教えて」


「先が見えるんです」


「先?」


「限定された未来が見えると申しますか…。その力のおかげで、私は父母を連れて逃げる事が出来ました。ただ、邪神はその先をいっているようです」


 なんだそりゃ? ソフィアが未来予知できる? そんなすごい力を持っているなんて知らんかった。


「シーファーレンはその力を知ってる?」


「あの…えっと…まさかですが」


「何?」


「それは、ご神託かもしれません」


「神託?」


「はい。ですが…御神託は聖女様のお力…」


 どゆこと? 俺が聖女だろ?


「ソフィアはいつから?」


 俺がソフィアに聞くと、ソフィアが答える。


「幼少の頃から、見知らぬ声が聞こえました…」


 まじ? 俺は聞こえた事無いぞ。つうことは…。


「来ました!」


 考えている暇など無く、俺達の目にネメシスの姿が見えて来た。禍々しい雰囲気はさらに強まり、俺達を睨む目はさらに赤く燃えるようだった。


「やるよ!」


「「「「「「「はい!」」」」」」」


 マグノリアとクラティナがヒッポに乗って飛び立つ。アンナとリンクシル、ネル爺が剣を構えて足元に斬りかかって行った。シーファーレンは長々と魔法詠唱しており、ゼリスが集中して動物を使役している。俺はソフィアとマルレーン公爵夫妻を囲むように、聖結界を張りネメシスをおびき寄せるように後ろに下がる。やはり俺についてきてるようだ。


「くる!」


 ネメシスは俺達に向かって黒い玉を飛ばしてくる。だが聖結界にぶつかると、途端に霧散して消え去った。


 いつもより結界が強い?


 その時ネメシスの頭上に、沢山の小鳥が群がりその侵攻を邪魔し始める。ゼリスが使役する鳥たちが、仕事を始めたようだ。ネメシスはそれを振り払うように腕を振るが、小鳥の大群はそこを離れなかった。


「止まった?」


 だが次の瞬間、ネメシスの顔の周りに、ぶわっ! と黒霧が膨れ上がり。それが消えると小鳥たちも消え去っていた。


 だが、その視界が晴れた所に、頭上のヒッポからクラティナが何かを落とした。それは何かの玉のようだったが、ネメシスの頭にあたる瞬間にバッ! と広がる。真白な煙のようなものが頭にまとわりつき、一瞬ネメシスが動きを止めた。


 どうやら、クラティナの薬は効果を発揮したらしい。しかし直ぐにネメシスは、その白い煙を顔から引きはがしている。しかしそこに、クラティナが再び目くらましを落とした。


「やったかな?」


 突如その白い煙の中から、光線のようなものが出て来て、ヒッポの羽を射抜いてしまった。ヒッポはバランスを崩しながら、森の向こうへと落ちて行ってしまう。


「マグノリア! クラティナ!」


 足元ではアンナとリンクシルと、ネル爺がまとわりついているが、大きな傷をつける事が出来ないでいた。


 そこにシーファーレンが叫ぶ。


「退避!」


 アンナ達がバッとその場を離れ、シーファーレンが何かの魔法を発動した。するとシーファーレンを中心に、大きくて立体的な魔法陣が出来上がり、光の波動のようなものをネメシスに照射する。


 するとネメシスはびたっ! と足を止め、ぐらりと傾いた。


「右足を斬ってください!」


 シーファーレンの指示の元、アンナとリンクシルとネル爺が右足に集中して切りかかる。弱ったネメシスの不意を突いたためか、アンナの斬撃が大きくネメシスの足を抉った。


 バランスを崩したネメシスが、そのまま右に向かって倒れていく。


 ズッズゥゥゥゥン!


「倒した! ソフィアたちはここに! 私がトドメをさす!」


「お気をつけて!」


 倒れたネメシスに一目散に近寄り、俺は魔力を練り始める。


 聖魔法に全振りするしかない。


 結界も金剛も身体強化も用いずに、俺はネメシスに駆け寄って特大の聖魔法をかける。


 シャアアアアアアアアアアン!


 あたりはまばゆい光に包まれ、ありったけの魔力を注いだ聖魔法がネメシスを包んでいく。あるだけの魔力を注いだ俺は、魔力切れでガクリと膝をついてしまうのだった。

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