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87 リリアーナサイド

申し訳ありません。昨日の予約投稿が出来ていませんでした




★リリアーナサイド


オーランドはいつも優しい。自分の名前を呼べないのも、アリーヤをわざわざ送るのも全て自分を愛しているため。レオナルドより地位は低いが、どちらの妻になれればより羨望の眼差しを受けるかなんて決まっている。


それに公爵家だって決して悪い地位じゃない。虫けらのように扱ってきた奴らを痛めつけるには充分するぎる。何より、両思い。


レオナルドも王太子だし、いずれはこの国一番の女性になれると思うと捨て難いけど、レオナルドが霞む程のあの美貌と、充分な地位。愛の囁き方にも品があり、レオナルドの一辺倒の言葉とは違い沢山の言葉をくれる。 


かなりの女性と遊んでいる様だが、裏を返せば経験豊富。女性の扱いを知っているという事。初夜もそれ以降もきっと素敵で忘れられないだろう。それに。今まで女性なら誰でもよかった美丈夫が自分1人を溺愛する姿は悪くない。


(ふふ、抱き潰されてしまったら困るわ、なんてね)

  

想像すると幸せが止まらない。だが、まだ告白をされていない。せめて贈り物の1つでもしてくれないと、自分の気が変わってレオナルドに行ってしまうかもしれない。ちゃんと捕まえていて欲しいのに。オーランドはそれで良いのだろうか。


(流石の女好きね。恋愛の駆け引きが上手だわ。)


そんな事を考えているとオーランドがやってくる。オーランドは少しだけなんだか顔色が悪そうに見えたが、自分を見ると美しい笑顔で微笑む。気の所為だった。


「オーランド様!もう、すごく待ちましたのよ?」 

「ああ、こちらにいらしてたのですね。ですが、ご令嬢のお待ちいただくお姿は、さぞ絵になることと存じます。しかし、貴女がここにいてくださると、この空間もまた、いっそう目に焼き付き、感情が抑えきれなくなります。」

「そう思う?なら許してあげる!」


やはりオーランドは自分の事を愛している。今日はこの間とは違う庭で2人きりの茶会だ。


この庭はバラのような大輪ではなく、可愛らしい花が咲く庭だが、だからこそ自分と言う大輪が輝く。リリアーナはそんな気持ちでこの庭を選んだ。


だからこそのオーランドは自分の美しさに感動し、強く印象に残ったと言ってくれる。しかも、感情が抑えきれないとはなんと情熱的だろう。


(ふふ、その感情をそのまま言ってくれて良いのに……)


女好きな男性は本当に好きな女性には奥手だと言うのは恋愛小説でも読んだ。ここは心が広く優しい自分が許してあげるべきだろう。リリアーナは席に案内しながら、内心嬉しそうに上から目線で笑う。


「しかし、ご令嬢はいつ見ても眩く目が眩みそうだ」

「まぁ、オーランド様ったら。いつもお上手ね!」


リリアーナは自分が美しさにオーランドが心を奪われていると確信する。 


「いえいえ。ご令嬢のような特別な方には、私は嘘をつきたくないのです」

「ふふ、そうなの?」



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