一転
「莉亜夢くん」
聞こえてきた声に、牧村莉亜夢は体を起こした。いつの間に来たのか、アヤスが部屋の隅にいる。
「あのさ、来る時はノックくらいしてくれよ」
そう言って、莉亜夢はくすりと笑った。もっとも、目は笑っていない。彼の心の中は今、やりきれない思いが渦巻いている。昨日、顔に傷のある女から聞いた話は、今も頭から離れない。
(これをやったのは、君のお母さんの友だち。お母さんはね、笑いながら私を見てた。そこに、君もいたのよ……すごく小さかったけどね。昔から、君のお母さんの周りには、ろくな人間がいなかった。だから、お母さんも、ろくでもない人間になった)
あの話は、本当なのだろうか。
だとしたら、僕はどうすればいい?
「今日は元気ないのね」
アヤスは、うねうね動きながら近づいてきた。莉亜夢は、そちらに顔を向ける。
「ねえ、君はどう思う?」
「どう思うって、何が?」
聞き返したアヤスを、莉亜夢は虚ろな表情で見つめた。
「昨日、顔に傷のある女がいたろ。あいつが言ってたことさ」
「ああ、あれね。逆に、君はどう思うの? 嘘かまことか、どっちだと思う?」
「そ、それは……」
莉亜夢はうつむいた。本音を言えば、嘘だとは思えない。自分の古い記憶にも、彼女の言葉を裏付ける映像があった。さらに、先日の母とのやり取り……あれは、何かを隠している。
「君だって、分かってるんでしょ? お母さんは、決していい人間じゃない。少なくとも、まともな母親でないのは確かよ。それは、君が一番よく知ってるでしょ」
言いながら、アヤスはにじり寄って来る。
「そんなこと、分かってるよ」
「君のお母さんが、これから心を入れ替える……なんてことはありえない。お母さんは、ずっとこのまま。あの人が変わることは、あした宇宙戦争が起きる可能性より低い。期待しても無駄。だから、君が変わるしかないの」
「ど、どういうこと?」
「ふふふ、知ってるくせに」
アヤスは、うねうねと動く。その目は、まっすぐ莉亜夢を見つめている。心の奥底まで見透かすかのような瞳だ。莉亜夢は、思わず目を逸らした。
でなければ、自らの心にあるドス黒いものを吐き出すことになりそうだった。
「莉亜夢くん、これからどうするか、決めるのは君だよ。このままだと、君は心も体も壊されていく」
「じゃあ、どうすればいいの?」
「分かっているでしょ。君は、既にその答えを知ってるはずだよ。あとは、それを実行するかしないか。決めるのは君」
「そんな……」
莉亜夢は、下を向いた。そう、彼はある思いを胸に秘めていた。いつの間にか、芽生えていた感情。いつしか、それは凶暴な獣と化し、莉亜夢の心を苛んでいた。
ずっと昔から、莉亜夢の裡に存在していた黒い獣……今まで彼は、それを必死で押さえ込んでいた。鎖で繋ぎ、心の檻の中に閉じ込めていたはずだった。
しかし今になって、獣は鎖を断ち切ろうとしている。
檻を破り、外に出ようとしている――
「駄目だ。そんなことは、しちゃいけないんだ……絶対に駄目なんだよ」
その言葉は、蚊の鳴くように小さかった。
「ふふふ。そんなことを言っていたら、君は本当に死ぬよ。このまま人生を終えて、君は満足なの?」
「し、死ぬって、どういうことだよ?」
聞き返した莉亜夢の前で、アヤスはうねうねと動く。
「君は今、生きているといえるの?」
アヤスの言葉に、莉亜夢は何も言えなかった。
「このままだと、君は心を擦り減らして死んでいく。君がこうなったのは、君だけのせいじゃないよ。でもね、今の環境は君にとって最悪。生き延びたかったら、自分で何とかするしかないの」
「何とかって……何をすればいいの?」
「さっきも言ったでしょ。それは、自分で考えて自分で決めなさい。君の、心のままにね」
「心の……ままに……」
呆けたような表情で、莉亜夢は繰り返した。その瞳には、奇妙な光が宿っている。
このままだと、僕は死ぬのか?
ふざけるな。
死ぬくらいなら……やってやるよ。
・・・
返信が来ない。
有村朝夫は己のスマホを見つめ、ため息を吐いた。昨日から、立花欣也と清田隆介のスマホに何度もメッセージを送っている。しかし、何の音沙汰もない。
これから、どうなってしまうのだろう。
気がつくと、夕方になっていた。朝夫は体を起こし、外に出る。今朝から、ほとんど何も食べていない。とりあえずは、コンビニで何か買うとしようか。
彼は手早く着替えると、外に出た。歩きながら、今後のことを考えてみる。あの二人を、どうにか和解させる方法がないのだろうか。
朝夫の頭の中は、そのことだけに占められていた。したがって、周囲を警戒する気持ちなど欠片ほどもない。自身に対する悪意ある視線に、彼は全く気付かなかった。
「おい、ちょっと待てよ」
不意に、後ろから声が聞こえた。朝夫は、面倒くさそうに振り返る。
そこには、少年が二人立っていた。片方は金髪に染めていて顔には痣があり、前歯が欠けていた。敵意に満ちた目で、朝夫を見ている。もう片方は、慌てた表情でスマホをいじっている。
「お前、ヤンキー狩りだべ? な、な? おいケンジ、タカシとコウジも呼べよ!」
スマホをいじっている少年に言いながら、金髪は近づいて来る。普段の朝夫なら、すぐさま反応していただろう。
だが、今日の彼は欣也と隆介との問題で、朝からずっと頭を悩ませていた。部屋の隅でずっと座り込んでいたし、ほとんど食べていない。
そのために、体の反応が遅れた。
金髪からの、いきなりのパンチ。拳を力任せにぶん回すだけの、スピードもキレもないものだ。
だが、朝夫はその一撃をまともにくらい、地面に倒れた。さらに、蹴りが飛んでくる――
「この野郎! 俺はてめえらに前歯折られたんだ! 忘れたとは言わさねえぞ!」
喚きながら、金髪は朝夫を蹴り続けた。朝夫は顔と腹を両腕でガードしつつ、地面を転がって間合いを離す。以前にぶちのめした相手らしいが、全く覚えていない。もっとも、こういう手合いは今までに何人もぶっ飛ばしたため、ひとりひとりの顔をいちいち覚えていないが……。
「逃げんじゃねえぞ! オラァ!」
なおも追いすがり、追撃しようとする金髪。朝夫は道路を転がりながら、どうにか立ち上がった。だが体は震え、鼓動は高鳴っている。
目の前にいる金髪は、たいして強くはない。体格はさほど大きくないし、力も強くない。現に彼は今、激しい動きをしたわけでもないのに肩で息をしている状態だ。
にもかかわらず、朝夫は怯えていた。これまで、どんな者と向き合っても恐れたことなどなかったのに。
くそが……。
こんな奴、ただの雑魚じゃねえか!
俺は、何をビビってる?
まさか、欣也と隆介がいないからか?
「ケンジ! てめえも手伝え! こいつ、ひとりだったら全然大したことねえ!」
金髪は、仲間に怒鳴った。直後、朝夫を睨みつける。
「オラァ! ぶっ殺すぞ!」
これまで、何度も聞いてきたはずの脅し文句だった。にもかかわらず、朝夫はびくりとなった。体はすくみ、動くことが出来ない。普段なら、一瞬で間合いを詰め先制攻撃を食らわしていたのに。
その心の動揺が、朝夫の表情に怯えとなって表れていたらしい。金髪は、ニヤリと笑った。
「ビビってんじゃねえぞゴラ!」
吠えると同時に、金髪はまたしても殴りかかってきた。
その動きは、素人丸出しであった。力任せに、拳をぶん回すだけの攻撃だ。いつもの朝夫なら、簡単に躱せたはずだった。それどころか、突っ込んで来た勢いを利用しての、カウンターの一撃を叩き込むことも出来たはずだった。
しかし今、朝夫の体は恐怖ですくんでいた。パンチには反応したものの、上手く避けることが出来ず、彼の額に拳が当たる。
だが結果的には、それが幸いした。額の骨というのは硬い。一方、鍛えていない者の拳というのは、意外と脆い。金髪は、その一発で己の拳を痛めてしまったのだ。
次の瞬間、金髪は顔をしかめて後ずさる。
「ち、ちきしょう! いてえ! 拳やっちまったよ! ケンジ、てめえが行け!」
言いながら、金髪はもうひとりの少年に叫ぶ。だが、ケンジと呼ばれた少年は、首を横に振りながら後ずさるばかりだ。
「し、知らねえよ! お前が始めたんだろうが! お前が最後まで終わらせろよ!」
言葉は勇ましいが、彼が怯えているのは明らかだ。金髪は、チッと舌打ちした。
「上等じゃねえか。俺ひとりでやってやるよ!」
怒鳴ると同時に、金髪は突進してきた。足を振り上げ、蹴りを叩き込む――
おそらく、動画か何かで見た格闘技の回し蹴りを、見よう見まねで放ったのだろう。だが、回し蹴りは素人に使いこなせる技ではない。しかも、脛を鍛えていない者が安易に真似をすれば、蹴った方が怪我をする可能性が高いのだ。
金髪の蹴りは、朝夫の膝に当たった。というより、朝夫が膝でブロックしたのだ。
直後、金髪は叫び声を上げた。さらに、足を押さえて倒れ込む。顔を歪め、道路を転がり出したのだ。ケンジは、何が起きたのかわからず呆然となっている。
しかし朝夫には、何が起きたのかが完璧にわかっていた。相手の放った回し蹴りを、膝で受ける……これは、防御と攻撃とが一体化した技術である。言ってみれば、相手の脛に膝蹴りを食らわしているのと同じ効果があるのだ。その痛みは、大の男が戦意を喪失し倒れ込むくらい激しいものである。
その頃になって、ようやく朝夫にもエンジンがかかった。足を押さえ倒れている金髪の顔面を蹴飛ばし、さらにケンジにも襲いかかる――
「や、やめろひよ……俺はやらねえから……」
ケンジは、震えながら後ずさる。しかし、朝夫は容赦しなかった。ケンジの襟首を掴み、足払いを食らわす。
ケンジは抵抗すら出来ず、地面にすっ転んだ。朝夫はさらに、倒れた体を蹴飛ばす。
今の朝夫は、完全に怒っていた。彼らにではなく。自分に対し腹を立てていた。
こんな連中を相手に、一瞬とはいえ怯えた自分が許せない……彼は、その怒りを二人にぶつけていた。
さらに、欣也と隆介に対する怒りも――
・・・
板倉恭司は今、とある山に設置された小屋に来ていた。
ここは、かつて恭司の知り合いが所有していたものである。もっとも、その知り合いは既に他界しているが。周囲には他に住居もなく、多少おかしなことをしても人目につく心配はない。
彼の目の前には、ひとりの若者が座っている。まるで作り物のような、整った顔立ちの青年だ。体つきは華奢で、脂肪はほとんど付いていない。
青年は全裸で椅子に座り、だらしなく口を開けて眠っている。両腕と両足はロープで縛り上げられ、仮に目を覚ましても、動くことは出来ないだろう。
「こいつに間違いないですね?」
恭司の問いに、隣で立っていた女が頷いた。髪は金色であり、目はぱっちりした二重だ。もっとも、その鼻の回りには包帯を巻いていた。ジャージ姿で、火の付いたタバコを咥えている。
一見、繁華街をうろつくバカ娘にしか見えないが……彼女は、仁龍会幹部・尾形恵一の娘、尾形由美だ。実際にバカ娘であるのは間違いないが、逆らえば痛い目に遭わされるのは確実である。
「こいつに間違いないよ。でさあ、こいつどうすんの?」
「どうすんの、といいますと?」
聞き返す恭司に、由美は残忍な笑みを浮かべる。
「初めは、殺すつもりだったんだよ。でもね、ただ殺すだけじゃ、つまらないじゃん。生かしておいて、一生苦しめる方がよくない? お願いだから死なせてください、って言わせてみたいんだよね。そっちの方が、長く楽しめるじゃん」
「そうですか。でしたら、ひとつ提案があります。こんな方法ですがね……」
恭司は、真面目くさった表情で語り出す。だが、その内容はとんでもないものだった。
「……とまあ、こうする予定です。どうでしょうか?」
恭司の話を聞き終えた由美は、歪んだ笑みを浮かべる。
「ぷぷぷ……それ、いいよ。最高じゃん。あんた、いいセンスしてるね。オヤジの部下にしとくのもったいないよ」
愉快そうに笑いながら、由美は恭司の肩をばしばし叩く。彼女には、遠慮という概念が欠片ほどもないらしい。だが、恭司は平然としている。
「ところでさ、あんたに相談があるんだけどさあ……」
そう言った後、由美は自身の腕を突き出した。さらに、注射を射つような仕草をして見せる。
「あのね、エスとポンプ用意してくんない? あんただったら、簡単に手に入るでしょう? 今、現金がないからツケで頼みたいんだけど」
顔に包帯が巻かれているため表情はよく見えないが、目に浮かぶ光は異様だ。息づかいも荒い。だが、恭司は表情ひとつ変えない。
「ええ、もちろん手に入ります。お嬢さんなら、一グラムくらいは、ただで差し上げますよ。もっとも、ここにはありませんがね。少し時間はかかりますが、ちょっと来ていただけますか?」
「う、うん! 行くよ!」
そして今、二人の乗る車は国道を走っている。車は、ヤクザには似つかわしくない中古の国産車だ。ハンドルを握っているのは、もちろん恭司である。由美は隣の助手席で、一方的にベラベラと喋っている。
「ほら、あたしも怪我してんじゃん? だからさ、エスでも無きゃやってられないんだよね。とりあえず、あたしポン中じゃないからさ。あんただって、そこんとこは理解してんでしょ? あと、オヤジには絶対に内緒だよ」
「はい、分かっていますよ」
すました顔で、恭司は答える。エスとは覚醒剤、ポンプは注射器、ポン中とは覚醒剤依存症を指すスラングだ。由美は、あたしポン中じゃないから……などと言っているが、その言葉が嘘であるのは小学生でも見抜けるだろう。
「ところでさ、あんたそこそこカッコイイんだからさ、もうちょっとマシな髪型にすれば? スーツも安物だし、格好にもっと金かけなよ……ってさ、何よここ?」
突然、車が停まったのだ。付近には数台の車が停まっており、駐車場のようだ。覚醒剤の取り引きに、駐車場が用いられるというのは珍しいことではない。
だが、すぐ近くには大きな白い建物がある。しかも、周囲を高い塀に囲まれているのだ。どう見ても、普通の場所ではない。
困惑する由美とは対照的に、恭司はニヤリと笑った。
「今から、あなたには相応しい場所へと行ってもらいます。元気で暮らしてくださいね」
言った直後、恭司の手が伸びる。由美の後ろ髪を掴み、ぐいっと下に引っ張る。その腕力は常人離れしており、抵抗など出来ない。彼女の顔は、口を開けたまま上に向けられた。
その口の中に、恭司は青い錠剤を放り込む。さらに、片手で口をふさいだ。
「今のは、覚醒剤の数倍強い向精神薬だ。いろいろとヤバい効果があるんで、市場に出回ることなくお蔵入りになったいわく付きだよ。あんたは薬が効いてる間、ずっと錯乱状態に陥る。十二時間は、その状態が続くって話だ」
その言葉と同時に、車のドアが開く。外に控えていた工藤憐が、由美を外に引きずり出す。恭司は自身のネクタイを手早く外し、由美の口に猿轡をした。さらに二人で、彼女の手足に手錠をかける。
「後は、病院に放り込むだけだ。レン、頼んだぞ」
恭司の言葉に、憐は無言のまま頷いた。由美を軽々と担ぎ上げ、建物の中へと運んでいく。
手錠をかけられているにもかかわらず、手足を振り回し狂ったように暴れる由美を、数人の屈強な看護師たちが押さえつけた。拘束衣を着せて、病室へと運んでいく。
その様子を、少し離れた場所からじっと見つめている三人の男がい。ひとりは板倉恭司、もうひとりは工藤憐である。
三人目は、ブランドもののスーツを着た中年男だ。髪型やアクセサリーも派手過ぎず地味過ぎず、落ち着いた雰囲気を漂わせている。顔つきも知的かつ温厚そうであり、パッと見た感じは、大物の実業家といった印象だ。
「恭司、うちの娘が面倒かけたな」
静かな口調で、中年男は言った。そう、彼こそが仁龍会の大物幹部である尾形恵一なのだ。錯乱状態で運ばれて行く自分の娘を、眉ひとつ動かさずに見つめている。
「いえいえ、大したことじゃありません」
答える恭司に、恵一は口元を歪めた。
「由美は三歳の時、母親をガンで亡くした。若い頃から、苦労をかけてきたからな……女房の奴、だいぶ体にきてたみたいだ。気づいた時には、手遅れだった」
恵一は言葉を止め、虚空を睨みつける。己の運命を呪っているかのようだった。恭司は何も言わず、恵一の次の言葉を待った。
「以来、俺はあいつの望むものを何でも与えた……母親の愛情の代わりにな。由美に頼まれたら、俺は何でもしてやった。その結果、あいつはどうしようもないクズになっちまった。生れつきバカなのは分かっていたが、まさかポン中になってるとはな」
そこで、恵一は大きなため息を吐く。
「俺はバカだったよ。つい、甘やかした結果がこれだ」
恵一は自嘲の笑みを浮かべ、恭司の肩を軽く叩いた。
「あいつは、やり過ぎた。俺はこれまで、数えきれないくらい由美のケツ拭いてきた。あいつのために、死体の始末までしたが……もう限界だよ。俺には大勢の子分がいる。そいつらの面倒を見なくちゃならねえ。これ以上、由美に足を引っ張られる訳にはいかないんだ。由美は、死んだと思うことにするよ」
その顔には、深い苦悩がある。仁龍会の幹部である恵一。彼は今まで、大勢の人間を地獄に落としてきた。そんな恵一も、娘のことは心から愛していたのだ。
その愛情が、皮肉にも由美を怪物へと変えてしまった。
「ところで、青島のガキはどうするんだ?」
「あいつの身柄は押さえてあります。いずれ、タコ部屋送りになりますよ」
「タコ部屋だと? そんなんで済ませる気か? あのガキは、由美をポン中にしやがったんだぞ」
声そのものは静かだが、奥底には深い怒りがある。だが、恭司はすました顔つきで言葉を返した。
「いえいえ、そんなんじゃ済ませないですから。奴は、生まれてきたのを後悔することになりますよ……ちなみに、奴の本名は織田雄一だったそうです」
「織田?」
「ええ。あちこちの闇金に多額の借金があって、かなりヤバい状態だったようですよ。そんな状況なのに、由美さんに近づいたんです。本当に、バカな奴ですよ」




