表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
吸血少女ののんびり気ままなゲームライフ  作者: 月輪林檎
吸血少女と邪神?

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

856/863

バッキンガム宮殿侵入

 夜霧になってバッキンガム宮殿に入っていく。周囲の霧による視界不良もあって、即座に見つかるという事はなかった。謎のパワーによる警報とかはないから、全然問題なし。

 警備の人の数はそこまででもない。でも、しっかりと巡回しているから、普通に潜入するのは得策じゃなかったね。霧で視界不良なのは、相手だけじゃなくて私達も同じだし。

 周辺を漂ってみたけど、特に変な箇所はない。巡回している人達も普通の人っぽい。

 問題は中だ。窓から中を見ていたけど、人を一人も確認できなかった。外を巡回している人はいるけど、中の警備員がいない。それどころか人の気配っぽいものもない。まるで誰も住んでいないような感じだ。

 警戒しながら窓の隙間を使い中に侵入する。霧は中まで広がっていないので、なるべく天井に張り付くようにして進んで行く。

 そうして移動し続けているけど、やっぱり人がいない。巡回している人がいないだけかと思ったけど、部屋の中にも誰もいない。

 奇妙に思ったので、内部で実体化する。


「どうなってるの? 女王陛下は?」


 近くのタンスとかを調べてみたけど、特に何も見つからない。そのまま色々な部屋を調べていく。でも、特に何かを発見するには至らない。


「何もない……まぁ、この際それは良いとして、いつから?」


 いない事への疑問もあるけど、ここに人がいなくなったのがいつからなのかが分からない。外で巡回をしている憲兵っぽい人達は、中に女王陛下がいるという風に言っていたらしいけど、その女王陛下はどこにもいないし、外出しているにしても人がいた痕跡が一つもないという事がおかしい。


「霧による誤認。中に人がいるという風に思わせて、実際にはいない。外の巡回をしてる人達も絶対に中に入ろうとしないって事だ。確かに、巡回ルートに建物の中は含まれてなかった。という事は、この中は誰にも見られる事のない安全な空間になる」


 私は風を操り建物の中を全て把握していく。隠し部屋があるのなら、そこも調べて完全に無人である事を証明したいからだ。そう思った瞬間、背後から嫌な予感がして黒百合を振る。

 すると、金属同士がぶつかりあう音が響き、黒ローブの何かを弾き飛ばした。


「切り裂きジャック!?」


 それは受肉した切り裂きジャックだった。一日挟んで新しい身体を得たらしい。でも、問題はそこじゃない。切り裂きジャックが夜中でもないのに活動している事と、何故かここにいるという事だ。


「邪魔者の排除でもしようって事? ジェームズ・モリアーティは、切り裂きジャックを完全に従えてるって事ねっ!」


 再び攻撃してきた切り裂きジャックを弾く。すぐさま白百合を取り出し、一気に追撃を掛ける。感知を阻害されて、視界を悪くさせられる霧の中ならともかく、こうして視界が開けている場所であれば、簡単に追撃もできる。

 黒百合と白百合を交互に振り、切り裂きジャックのナイフを防ぎながら、確実に狙える隙を突く。切り裂きジャックは、後ろに跳んで避けようとしたけど、血液を纏わせて刀身を伸ばしたため、切り裂きジャックのお腹を斬り裂いた。

 ダメージエフェクトが飛び散り、バランスを崩した切り裂きジャックに血液を飛ばして縛り、こちらに引っ張る。こっち向かって飛んでくる切り裂きジャックに対して、聖なる炎を纏わせた蹴りでお迎えしてあげる。

 廊下を勢いよく飛んで行きながら燃える切り裂きジャックに、一足で追いつき、黒百合と白百合を仕舞って拳をぶつける。顔面に一発当てて床に叩きつけ、反動で浮いた身体の下に足を入れて蹴り上げる。

 力無く宙に浮く切り裂きジャックのお腹に向かって、思いっきり蹴りを当てる。錐揉みしながら飛んで行った切り裂きジャックが動かなくなったのを見て、その頭を掴み【万物吸収】を使う。

 相手が霊であるのなら、これで吸収出来るかもしれない。この切り裂きジャックがどういう存在なのか分からないから、これは賭けだし、切り裂きジャックの存在を消す事になるから、情報が集まらないという問題も生じるけど、会話は出来なさそうだから、これで良い。

 黒ローブが霧に変わり、その霧が私に吸収されていく。特に何も起きること無く切り裂きジャックの黒い霧を吸収出来た。直接触れないといけなかったから、こういう状態で出来たのは重畳と言える。


「ふぅ……やっぱり普通に戦えるのは気持ち良いね。さてと、この人はどうしよう」


 私の前には意識を失った男性が倒れていた。さっき思いっきり殴ったり蹴ったりしたけど、この人には一切傷がない。やっぱり存在が入れ替わっているみたいな状態だったみたい。

 このままここに置いておく訳にもいかないので、血液で大型の鳥を作り、窓から霧に隠して外に連れて行った。アカリがいる方向に向かって飛ばしたので、ある程度の事は察してくれるはず。


「さてと、そろそろ姿を現してくれても良いんじゃないの? ちまちまちまちま嫌がらせしても、私には通用しないよ」


 ここには何かがあるはずなので、ひとまず挑発してみる。相手が挑発に乗ってくれたら楽なのだけど。


『貴様……よくも私の世界を……』


 挑発したら返事が来た。内容的には、この霧を生み出した本人って感じだ。


「ジェームズ・モリアーティ?」

『ホームズに要らぬ入れ知恵をしおって、おかげで、この場所を異常に感じるようになったではないか。私とホームズの勝負に水を差すとは……苛立たしい』

「相手の認識を変えないと勝負できない小心者が何を言ってるんだか」

『貴様……』


 声から怒りを感じる。当たり前だ。怒りを出させるように仕向けているのだから。目的は相手の実体化。もしくは私に攻撃をさせるように仕向ける事だ。攻撃が来れば、捕まえられる可能性が出てくる。

 怒りは、安直で本来はしないような行動を引き起こす可能性がある。相手が大天才だとしても、自分を律する事すら出来ない怒りを覚えさせれば可能性は出て来る。


「普通の人間であるあなたが、こんな世界を構築出来る訳がない。霧の能力にしても、ただの人間であるあなたが所有するものじゃないはず。裏に何かいるよね?」

『それを問われて答えるとでも? 私を馬鹿にするのもいい加減にしろ』

「自分の能力でもないのに、自慢気だから可笑しくなっちゃった。馬鹿にされたくないなら、馬鹿みたいな事しないで欲しいよねぇ。あっ、所詮はホームズさんに敗れた天才(笑)だもんね。ごめんね。そこまでしないと勝負にもならないんだもんね」

『…………貴様ぁ……』


 声から本当の怒りを感じる。小さな煽りばかりだけど、ピンポイントで相手の嫌がる部分を攻めた甲斐があったかな。ここから先は出たとこ勝負。つまりはいつも通り。やれる事をやるだけだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ