表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
吸血少女ののんびり気ままなゲームライフ  作者: 月輪林檎
吸血少女と邪神?

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

855/863

もう一つの怪しい場所

 翌日も同じ場所を調べたけど、特に何もなかった。やっぱり、あそこにたまたまいただけなのかもしれない。そこを調べた後は、テムズ川沿いを歩いてみたけど、特に怪しい場所はなかった。ただ人気がないだけだ。でも、その理由はスライムで説明が付く。

 特に大きな情報は得られなかったけど、被害者の人達から得た情報やまだ切り裂きジャックが身体を得ていないという情報を共有するためにホームズさんの家に行こうとしたのだけど、睡眠を取ったアカリが一つ気付いたものがあった。


「そういえばさ。私達は事件が一件もないからテムズ川を怪しんだけど、もう一箇所怪しいところがあるよね」

「怪しいところ? 事件が起こってない場所でしょ? う~ん……あっ! バッキンガム宮殿?」

「うん」


 確かに事件が起こっていない場所に加えて、人があまり行かない場所と言えば、そこだ。実際、その周辺での事件はかなり少なかったはず。比較的近くで起きたものもあるけど、それでも地図で見れば大分離れているはずだ。


「先にバッキンガム宮殿を調べてから行こうか。私がしっかりと見たら、何か分かるかもしれないし」

「うん。そうしよう」


 バッキンガム宮殿は、ちゃんとは調べていない。ある場所を知っているくらいだ。だから、改めてじっくりと調べてみる。中に入る事は出来なくても、そのくらいは出来るはずだ。

 そうして、アカリと一緒にバッキンガム宮殿に向かうと、その近くにホームズさんとワトスンさんがいた。


「あれ? こんにちは」

「ん? 君達か。君達もここに目を付けたんだな」

「アカリがテムズ川とここが事件の分布から外れる事に気付いてくれたので。一応、事件現場を巡って被害者の霊と会話してきました。基本的には、相手の変化などに気付いていなかったり、無関係な相手だから分からなかったりしましたけど、相手が変わったという風に答えた人もいました。後は、この事件の現場で切り裂きジャックの霧に遭遇しました。奴はまだ身体を得ていないようです」

「そうか……色々と言いたい事はあるが、ひとまずモリアーティには繋がらなかったか」

「はい」


 これでホームズさんの中で一つ思考するための材料が出来たはず。だから、取り敢えずは無駄にはならないと思う。そう祈ろう。


「それとホームズさんが捕まえた犯人から、話を聞けば何か分かるかなと思ったんですが」

「ああ。それに関しては、こちらで話をしに向かった。だが、問題があった」

「ホームズさん達を恨んでいて話をしてくれないとかですか?」

「いや、それ以前の問題なんだ」


 ここからワトスンさんが話してくれるらしい。つまり、病気とかそういう面での話になるという事だと思う。


「実は、全員が放心状態のままで会話が出来なかった。まるで、心を壊されたようだった」

「狂気に呑まれたとかですか?」

「そういう風にも見えた。反射などはしているが、こちらの呼び掛けにも何も答えない。話を聞いたところ、あそこに収監されてしばらくすると、大体がああなってしまうという。だが、共通点としては、私達が解決した事件の犯人だった。これに関して、君達は何かを知らないか?」


 これに関しては、私よりもアカリが適任なので任せる。


「この世界には、とある神々や化物が住んでいます。その存在を直接見た場合、狂気に呑まれる可能性があります。実際にどうなるのかは私も分かりませんが、これに対抗するには、少なくとも神様の位を持っているか、それと同等の力を持っている必要があると思います。実際、ハクちゃんは身体に邪神を三体宿していますが、この通り正気を保っています。ハクちゃんは多くの神様から愛されており、自身も神の位を持ち、同等とは言えなくとも人間を遙かに超えた力を持っています。もし、この霧がそういう存在のものであったなら、役に立たなかった犯人達を廃人にしてしまうという事があり得るかと思います」


 アカリの話は、割と突拍子もない事なのだけど、私という存在とこの霧、ホームズさん達が置かれた現状などから、ホームズさん達も真面目に聞いて考察していた。


「この霧から考えても彼女の話は一考の価値がある。実際、あの状態はおかしい」

「ああ。私もあれに似た状態になった人を何人も見てきた。だが、それでも彼等には心が残っていた。あの状態は本来残るはずの心すら打ち砕かれたかのようだった。それだけの出来事があったと見るべきだ」


 元軍医のワトスンさんが見てきた光景とは、また異なる形で心が壊されていた。それが邪神の狂気によるものだとしたら、二人も納得できてしまう。つまりは、そこまでものだったという事だ。


「つまり、ここから先、僕達もああなる可能性があるという事か。ここまで来て妙な難関に当たったな」

「あっ、それなら私が代わりにやりますよ。さっきアカリが言った通り、私には狂気とか関係ないので」

「それは有り難いが、ここから先は少々骨が折れる。まずは、ここに侵入しなければ……」


 ホームズさんはそこまで言ってから、私を見た。

 バッキンガム宮殿に侵入したいという事は分かった。そこから考えられるのは、私がホームズさんに見せたあれだ。私は手を夜霧に変える。


「適任ですね」

「すまないがよろしく頼む。内部の状況を知りたい」

「分かりました。アカリ、一応これ持っておいて」


 私はアカリに血液の瓶を四つ渡しておく。ガラスの瓶なので、中身丸見えでホームズさんとワトスンさんがドン引きしていた。


「何だ? それは?」

「私の血です。ここから色々と出来るようになるので、念のために置いておきます」

「吸血鬼の特性か?」

「みたいなものですね。この血液が兵隊になったりするので、ここから出来る血の化物は味方だと思ってください」

「そうか……分かった」


 念のための保険も用意したので、私は身体を夜霧に変えて、バッキンガム宮殿に向かって移動する。ホームズさんがここに何か情報があると考えた以上、この先に進むには侵入するしかない。見つからないように気を付けながら情報を集めよう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ