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吸血少女ののんびり気ままなゲームライフ  作者: 月輪林檎
吸血少女の歩む道

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一人でジャイアントトード

 翌日。自分一人でもジャイアントトードを倒せるようになりたいので、私は、一人で湿地帯に来ていた。

 ただ、一つだけいつもと違う事もする。それは、【吸血鬼】に頼らずに、アサルトバードを短剣のみで倒すという事だ。【吸血鬼】になって、倒すのはかなり楽になったけど、【吸血鬼】に頼ってばかりでもいられないので、単純な武器による攻撃で対処出来るようにしておきたいと思った。

 これらは、昨日のフレ姉やアク姉の戦いを見ていたから思った事だ。ちゃんと武器を使って戦えるようにならないと、これから先の戦いで苦労しそうだった。プレイヤースキルを上げる為にも頑張らないといけない。

 突っ込んでくるアサルトバードを三匹斬って、他の攻撃は避ける。でも、まだ慣れていないから、何度か攻撃を受けてしまう。ただ、当たる直前に、【硬質化】で当たる場所を硬くしておく事で、ダメージを最小限に留める事は出来た。


「【硬質化】でダメージを減らせても四匹の突撃を受けて一割か……相手も三割削れているから、まだマシかも」


 【硬質化】のレベルが上がってくれたおかげで、お腹とか胸とかも【硬質化】の影響範囲内に入ってくれた。ただ相変わらず、その一部分しか硬く出来ないので、上半身全体を硬くするのは難しい。

 そのまま何度か戦闘を繰り返す。【吸血鬼】を封じると、楽な戦闘にならないけど、これはこれで楽しい。


「大分慣れてきたかな。アサルトバードくらいの速さなら、ある程度避けられる。でも、本気のフレ姉の槍は、これより速いしなぁ……ちょっとスキルを増やしてみようかな」


 現状打破のために、何か出来ないかとスキル欄を見る。すると、ちょっと興味深いスキルがあった。


「【操血】……?」


 恐らく【吸血鬼】からの派生スキルだと思われる。【吸血】の時には出てこなかったものだし。


────────────────────────


【操血】:血液を操作する事が出来る。操る血液は自他関係ない。


────────────────────────


 つまり、誰の血液でも操作出来るという事になる。でも、一つだけ問題なのは、このゲームの表現上剣などで斬りつけても、血は出てこない。だから、操作する血液がどうなるのかが分からない。


「多分、モンスターの血でも大丈夫だよね。だから、血のドロップがあるのかもしれないし。まぁ、そこは色々と試したら良いかな」


 私のスタイル的には使えるかもしれないので、取り敢えず取ってみる。


────────────────────────


ハク:【剣Lv30】【短剣Lv27】【格闘Lv18】【魔法才能Lv15】【支援魔法才能Lv15】【吸血鬼Lv15】【夜霧Lv7】【執行者Lv27】【硬質化Lv17】【操血Lv1】

控え:【HP強化Lv26】【物理攻撃強化Lv24】【速度強化Lv27】【運強化Lv14】【脚力強化Lv36】【言語学Lv7】

SP:45


────────────────────────


 初めてのランク3スキルという事もあって、スキルを取ろうとする手が少し震えたけど、ここで怖じ気づいていたら、これから先も困るので、勇気を振り絞った。


「さてと……」


 手のひらを上に向けて、血を操るイメージをする。しかし、何も起こらない。一瞬ゴミスキルかと思ってしまったけど、まだ早計だ。


「えっと、モンスターの血を取り出して」


 モンスターの血を取り出す。試験管のような入れ物に入っているので、蓋を開けて、操るイメージをする。すると、中の血液が動き出して、空中に浮く。


「おっ! 浮いた!」


 そこから激しく動くようにイメージしてみるけど、ゆっくりふわふわと動くだけで、全然使い物になりそうにない。


「【硬質化】と同じで、地道に上げていけば良いのかも。まぁ、どのくらい使えるのか分からないけど」


 取り敢えず、血をぷかぷかと浮かせながら歩く事にした。そのままマッドフロッグに襲われると、血から意識を逸らした瞬間に血が落ちた。どうやら、まだ意識しておかないと浮かしておく事が出来ないみたい。

 ここら辺もレベルを上げながら、色々と試行錯誤していった方が良いかな。そう思いながらマッドフロッグに短剣を突き刺して倒す。


「……血が勿体ない。あっ、もうこの考え方が吸血鬼っぽい……」


 ショックに感じていない自分を自覚して、少しショックを受けた。ちょっと勿体ないけど、また浮かしておく。


「最悪、着地地点に口を持っていけば……いける!」


 反射神経を鍛えられるかもしれない。そんな事を考えている内に、ボスエリアまで来た。


「気を付ける事は、酸、毒、舌、呑み込み。後は、あの時見られなかった攻撃があるかどうか……よし! がんばろ!」


 ボスエリアに転移して、しばらく歩くと、沼が広がる。


「確か……ここら辺……!?」


 フレ姉が舌による不意打ちを受けた場所まで移動しようとすると、その前に背筋がぞくっとした。直後に、沼から舌が伸びてくる。いつもの予感だったので、短剣で弾く。ダメージエフェクトが出ているので、弾きと同時にダメージも与える事が出来たみたい。


「【アタックエンチャント】【ディフェンスエンチャント】【スピードエンチャント】」


 私がエンチャントを終えるのと同時に、ジャイアントトードが沼から出て来た。今日は、フレ姉が舌を抑えてくれないし、アク姉が凍らせてもくれない。

 二人の援護が有り難かった事に、改めて気付かされる。


「沼ならギリギリいけるはず……!!」


 フレ姉に言われて、まだ改善点が見つかっていないけど、ジャイアントトード相手なら通用するはずと考えて、いつも高速移動ですれ違いざまに斬るという戦法で戦う事にする。スパイクで地面を噛んで、踏み切る。

 ジャイアントトードの側面を斬り裂き、後ろに抜ける。そして、その先の沼に片脚で着地して踏み切る。そこでいつもと違う感覚がある事に気が付いた。それは、地面を蹴ったというよりも、固めのゼリーを蹴ったような感覚だった。

 その事を考えている暇はないので、そのままジャイアントトードへの攻撃を続ける。縦横無尽に動く私に、ジャイアントトードは舌による攻撃を諦めたみたいで、大きく口を開けた。

 それを見た私は、すぐに毒攻撃だと判断して、ジャイアントトードの横っ面に蹴りを叩き込む。ジャイアントトードの顔が、そっぽを向いたのと同時に、反対方向に大きく移動する。

 すると、私とは真逆の方向に毒の霧が吐き出された。毒の霧は、ジャイアントトードの正面五メートルくらいを扇状に覆っていった。


「あれが、毒か。範囲が広いし、結構厄介かも。フォレストリザードと似たように動くか……確かに、そうかも」


 毒攻撃を見て、アカリのアドバイスの意味がよく分かった。ジャイアントトードが吐き出し終えても、毒の霧がすぐに消える事は無かった。しばらく残留するみたいだ。

 つまり、しばらくの間、ボスとの戦闘エリアの一部が使えない状態になるという事だ。


「酸の方は放出が終われば、そのまま消えたけど、毒はそうならないと……厄介かも」


 私は、短剣を逆手に持つ。


「今日は、フレ姉もいないし、周囲に気にする必要はなし! 【追刃】」


 血染めの短剣の赤い刀身の外側に青と緑の光が纏わり付く。


「そっちが残留なら、こっちだって似たような事をしてあげるよ!」


 思いっきり地面を踏み切って、ジャイアントトードに接近しすれ違いざまに斬る。いつもなら、これで終わりだけど、今回は違う。短剣が通った道を示すように青と緑の光が残っていた。そして、一秒後に、青い光がその道を通ってくる。さらに、その一秒後に、緑の光も通ってくる。

 この光は、それぞれに攻撃判定があり、私の一回の攻撃三回ダメージを与える事が出来る。ただ、攻撃判定と同時に当たり判定もあるので、この光には私もぶつかる。つまり、パーティーメンバーにもぶつかる事になる。だから、昨日の戦闘では使わなかった。

 この光に当たらないように、身体を屈めたりしながら、高速移動と攻撃を続ける。私の移動速度の方が速いので、そのうち私も動けなくなるのが、この技の難点かな。

 動く場所が無くなったところで、私はジャイアントトードから距離を取る。毒と私の技が消えるのを待つ必要があるからね。

 現在、ジャイアントトードのHPは、五割程。さっきの連続攻撃で三割近く削る事が出来たみたい。一人で戦う分には、【追刃】が使えるのは助かるけど、同時にこうして移動範囲を減らされ、MPも大きく消費するので、使い時はしっかりと見定めないといけない。

 【追刃】の光が消えたところで、私は改めて短剣を構える。それと同時に、ジャイアントトードが舌を伸ばしてきた。ギリギリで気付いたから、紙一重で避ける事が出来たけど。結構な速度で飛び出してくるので、反応が少し遅れそうになった。

 ただ、一つ予想外な事があった。伸びきった舌が、急に横に動いて、私を絡め取った事だ。


「うぇっ!?」


 そのままジャイアントトードに向かって一直線に引っ張られてしまう。このままだと、完全にパクリと食べられてしまうので、舌に向かって短剣を突き刺す。二回突き刺したところで、舌が切れたので、沼の上をゴロゴロと転がる事になる。勢いを殺してしまうと、ジャイアントトードの近くに止まってしまうので、そのまま転がり続けて、一旦距離を取る。


「うわぁ……泥だらけ……アク姉にシャワー借りたい……」


 沼の上を転がったので、全身が泥だらけになってしまった。現実程不快感は強くないけど、不快感自体はあるので、さっさと身体を洗いたい気分だ。

 不快感を我慢しつつ、ジャイアントトードに突っ込む。一旦攻撃もせず、振り返ってきたジャイアントトードの後ろに回った後、その背中に向かって跳ぶ。


「【追刃】【バックスタブ】!」


 短剣をジャイアントトードの背中に突き刺す。技によって生じるクリティカル判定は、追ってくる光にも生じてくれるみたいで、ジャイアントトードのHPが目に見えて削れる。

 一瞬の硬直後、また別の技を発動する。


「【ラピッドファイア】」


 二十回の斬撃×3なので、計六十回の斬撃を、ジャイアントトードに叩き込む。途中で赤ゲージに差し掛かると、ぐんぐんHPが削れる。それと同時に、ジャイアントトードが背中から酸を噴き出してきた。

 避けようかとも思ったけど、そのまま削り切った。ジャイアントトードが、ポリゴンに変わって、前と同じドロップアイテムを手に入れた。

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