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第466話 敵日本人捕虜の処分

俺は村人たちをギレザムがいる駐屯地に搬送するために、自衛隊の73式大型トラックを4台召喚して、オーク2人とオーガ2人に運転を託した。万が一の襲撃に備えて、アナミスとルピアにはM240中機関銃を渡し上空からトラックの護衛にあたらせる。


俺は先にヴァルキリーに乗ってギレザムたちの居る駐屯地に到着していた。ヴァルキリーを脱いでモーリス先生の所に行く。


「先生。」


「おお、ルピア嬢ちゃんはどうじゃった?」


「とても順調で、どうやら村人たちはルピアを慕ってくれているようです。」


「なるほどのう。とても可愛らしい嬢ちゃんじゃからのう。」


まあ村人の盛大な勘違いで慕ってくれているんだけど。


「村人は快くここの魔人達の世話を了承してくれました。」


「ファートリアの民が人間以外に抵抗なく従うか、やはりこの状況がそうさせるのかのう。」


この状況というのは、村にくぎ付けにされてじり貧の状況の事だ。村人たちはそのため極貧にあえぎ、まともな食料を食べていなかったようだ。俺の食の提案はかなり魅力的だったに違いない。


だが村人たちがついて来たのは、ルピアが天使だと思っているからだけど。さらに俺とアナミスで、村の中枢メンバーの魂核を書き換えて従順にしてしまったというのもある。さらに俺がトラックを召喚したのを村人たちが見たら、神の御業だと言ってとても驚いていたのでそれもプラスアルファで役に立っているかもしれない。


「まあそうだと思います。」


「なるほどの。」


「ルピアたちは、それほど時間を掛けずにやってくると思います。」


「ふむ。」


「日本人3人はどうですかね?」


「麻痺でしばらく体を動かす事は出来んじゃろ。じゃがそろそろ意識は戻るのじゃなかろうか。」


「凄い魔法ですね。」


「わし独自の魔法じゃ、まあ独自と言うても古代魔法の一種じゃがの。じゃがそれほど魔力を消費する事も無いのじゃ。」


前世のRPGゲームで言うところのパラライズかな?この世界に来てからそれっぽい魔法を使ってる人を見たことが無い。


「あの日本人剣士相手によく凌がれました。」


「あれは戦い慣れをしておらん。魔力こそ魔人並みと言っても良いかもしれんがの、技量だけで言えばあれより凄い冒険者や騎士はゴロゴロおるよ。」


「まあ確かに。カーライルなんて既に人間じゃないですね。」


「ふぉっふぉっふぉ!まったくじゃな、カールは既に人を捨てるほどの修練を積んでおる。昨日今日この世界に来た人間には到底真似のできんような技量じゃ。ヤツに魔力が備わればそれこそ魔人の中でもいい線いきそうじゃがな。」


「ええその通りです。」


カーライルに魔力が備われば、恐らくギレザムとタメを張れるかもしれない。だがそれもタラレバであり、カーライルは人間で限界はあるのだった。


「ニホンジンに飛ぶ剣戟があろうとも太刀筋が丸見えでは、受けてくださいと言わんばかりよ。」


「なるほど勉強になります。」


「ふぉっふぉっふぉ!ラウルに言われるとこそばゆいのう。」


「ははっ。」


「それでこれからどうするのじゃ?」


「聖都の戦線に復帰せねばなりません。」


「そうじゃろうな。」


「その前に、アナミスがここに到着次第やりたいことがありまして。」


「なんじゃ?」


‥‥‥


言っていいのかな?


「日本人たちの処遇です。彼らは催眠が解けたとたんに先生を襲いました。私は彼らを許すわけにいかないのです。」


「ふぉっ?わしゃ無事じゃし、あれしきの事大したことではないぞ?」


「先生がそれで良くても私がダメです。私がそう決めたんです。」


「…ふむ、わかった。日本人はおぬしに任せるとしよう。」


「ありがとうございます。」


そしてしばらくするとトラックの集団が駐屯地に到着したのだった。ぞろぞろとトラックを降りて来る村人たちが大量の魔人と戦闘車両を見てビビっている。


「おお!素晴らしいですな!こんなにたくさんのお仲間がいらっしゃるなんて!こりゃ村の女たちも腕によりをかけて料理を作るでしょう!」


村長がめっちゃテンションを上げて言っている。


「でしょ!凄いお仲間がたくさんいるんですよ。」


ホウジョウマコから助け出した男も言う。


この二人はアナミスと一緒に魂核を書き換えて別人になった人間だ。ルピアの事は絶対に天使だと思い続けるし、魔人を見ても好感を持つような性格にしてある。その二人の男の声を聞いて、村人たちも安心したようにニッコリと笑い魔人達に頭を下げた。


ダークエルフやオーガ達が村人に手を振っている。


「ようこそこの地へ来てくださいました。」


世紀末の拳法家の王様のような大男が現れ、地割れするような声で言う。


「おお!何という頼もしい!守護神様であらせられますか?」


「しゅっ守護…」


《ミノス!お前は今日から魔人の守護神だ。認めろ。》


《は、はい。》


「そうだ。」


「やはり!素晴らしい!」


「えっと、これからいろいろとよろしく頼むが大丈夫か?」


「もちろんでございます!誠心誠意お勤めさせていただきます!」


「じゃあよろしく頼む。」


「はい!」

「はい!」

「はい!」


村人たちが皆ミノスにペコペコしている。そりゃ守護神だからしょうがない。


「では皆さん!仲間に紹介しますからこっちに集まってくださーい。」


ルピアがバスガイドのように手を上げて村人たちを集めている。天使に誘われて村人が動き始めた時だった。


《ラウル様。魔獣をとってきましたー。》


ゴーグの念話だった。


《おお!狩りに行ってたのかゴーグ!》


《はい!》


村人たちの前に勢いよく駆け込んでくる巨大な狼。


「うわ!」

「な、なに!」

「狼!」


村人たちが引き攣った顔で驚いている。さすがにこれは驚いたようだ。


「ああ、すみません。この子も仲間なんです。」


ルピアが説明する。


だがまだ、ビビっているようだ。それもその筈で、その口には巨大なビッグホーンディアをくわえているのだ。


「も、もしかしたら…」


村長が手を上げている。


「はいどうぞ。」


ルピアが指さす。


「もしかすると、伝説の神獣様のフェンリルではございませんか?」


フルフルフル


ゴーグが頭を振っている。


《ゴーグ!お前はこの人たちの前ではフェンリルだ!間違いない!》


《わかりました!》


コクコクコク


ゴーグは肯定するように頭を上下に振っている。


《じゃあ村人はお前たちに任せた。》


《わかりました。》

《お任せください。》

《はい!》


「ラーズ!ギレザム来てくれ!」


「は!」


駐屯地の施設づくりをしていたラーズとギレザムを呼び寄せる。


「ここはルピアとミノスとゴーグに任せて、俺とアナミスは違う仕事だ。俺は鎧を脱いでの作業になるから、万が一のためにラーズは側にいて俺達を守ってほしい。ギレザムは引き続き魔人達と警戒をしつつ拠点作りを継続していてくれ。」


「御意!」

「わかりました。」


そして俺はモーリス先生の方を向く。


「先生にはお願いがあるのですが、私達3人が車に乗ったら外から車両ごと結界を張ってほしいのです。」


「ふむ。わかったのじゃ。」


これからやる作業は、異世界の人間には初めてやる行為だ。普通とは違う反応が出てしまうかもしれない。念のためモーリス先生に結界を張ってもらい外部に影響が出ないようにしてもらう。


そして俺達3人は日本人の乗る車へと向かった。


「ラーズ、助けた男たちはどうしたんだ?」


「彼らはまだ体が動かせないようで、ニホンジンとは別の車に寝かせております。」


ラーズが答える。


「怪我はしてなかったかな?」


「傷ひとつございませんでした。さすがは恩師様の魔法にございます。」


「ふぉっ!大した事無いと言うておろうが。」


車の前に着く。


「ラーズがこの車を見張ってて何か異変はあったか?」


「いえ。特に変化は。」


「わかった。じゃあハッチを開けてくれ。」


「は!」


俺はラーズに指示を出してハッチを開けてもらう。俺ではあの剣士の斬撃を防ぎきれないかもしれない。いざという時はラーズに守ってもらうためだ。


ガパン


特に剣戟が飛び出してくる事は無かった。中をのぞいてみると手枷足枷で3人の男女が寝っ転がっている。


《まだ起きてないか?》


俺がアナミスに聞く。


《狸寝入りでございます。しかし体は本当に動かせないようでどうする事も出来ないでしょう。》


《了解だ。》


そして俺はモーリス先生に目配せをする。もちろんハッチを閉じたら結界を張ってもらうためだ。


バン


3人で乗り込んでハッチを閉める。


恐らく外ではモーリス先生が結界を張っていてくれることだろう。


「よう、お前達。意識があるのは分かってるぞ。」


日本人がピクリと動くがやはり体は硬直しているようだ。モーリス先生のパラライズ恐るべし。


「まあいい、そのまま聞け。」


とりあえず返事があるわけではないのでそのまま続ける。


「お前達3人は俺の最も大切な人に危害を加えようとした。」


黙って聞いているようだ。


「俺の大切な人に危害を加えたという事はどういうことか分かるよな?」


まだ3人は動かないのでそのまま続ける。


「この俺を敵に回した事になる。」


するとその言葉にピクリと体を動かした。


「起きてるようだな。まあいいそのまま聞け。」


ラーズもアナミスもリラックスしているようだ、今の彼らに危険はないらしい。とりあえず暴れられると厄介だからな、このまま話を聞いてもらう事にしよう。


「それがどういう事か分かるよな?さて…お前たちに選ばせてやろう。どんな酷い死に方をしたい?恐ろしい痛みを与えて拷問をした後、最後はレッドベアーに食わせてやろうか?」


「やめ…て…」

「‥いや…。」

「やめろ。」


体をよじって反応した。


「いやじゃない。」


「ちがう。」

「逃げようとした‥。」

「やめてくれ。」


「まあ、あとのまつりってやつだな。」


「いやよ。」

「殺すつもりなんてない。ハルトがやった。」

「おま、俺だけ…。」


「仲間割れか?少し話をしていたら口の麻痺が取れてきたようじゃないか。」


「あの、ゆるしてください!私は元からあなた達に歯向かうつもりなんて無かった。」


ホウジョウマコが言う。


「うーん。罪のない村人を連れまわして、ひどい目に合わせたよな?まあ確かに俺達と会ったのは出会い頭だ。歯向かうつもりは無かったのかもしれんな。」


「そう、そうよ!私だけはそう!」


あら裏切った。


「何よ!マコ!裏切るつもり!」


栗色の髪をしたキチョウカナデが言う。


「ん?お前は俺達をドラゴンを使って焼き殺そうとしたな。ホウジョウマコは裏切ってはいないぞ!本当の事を言っている。」


「わ、私は…殺そうとしたのは、命令でやったの。大神官たちの命令で悪魔を殺さなきゃいけないから仕方がなかったの。」


「悪魔?俺達が?」


「い、いや!悪魔じゃないって事は分かったわ!あなた達は鬼のような奴も牙を生やした奴もいるけど、悪魔じゃなさそう。」


「でもドラゴンで殺そうとしたと?」


「仕方なかったの!」


「じゃあ俺がお前を殺すのも仕方ないよな。」


「ちがう!」


「違わないよ。」


「そんな…。」


「自分のやった事には責任が伴うんだよ。これは遊びじゃないんだ、人を殺そうとしたら報復で殺される事もあると覚えていた方が良い。」


俺が凄むと、キチョウカナデが泣き始める。


「おいおい、泣くのかよ。それじゃあ俺がまるで悪者みたいじゃないか。」


するとホウジョウマコも合わせて泣き出してしまった。俺が物凄く悪い人みたいだからやめてほしい。


「まあいい。そしてお前、何知らん顔しておとなしくしてんだ?」


「お、俺は…。」


黙っていたナガセハルトが慌てている。


「おまえは俺の大切な人に直接刃を向けたよな?」


「知らなかったんだ!あなたの大切な人だったなんて!とにかく逃げたくてやっただけだ。」


「そりゃ知らんだろう。お前と俺は始めて会う相手だ。」


「そうだが、とにかく殺すつもりは無かった。」


死を逃れたくて必死になっているが、支離滅裂になっているようだ。


「まあ先生も無傷だしな。」


「そ、そうだ!それが殺意の無かった証拠だ!」


「なるほどなるほど。」


《ヴァルキリー、こいつの飛ぶ斬撃は人が死なない程度のものだったか?》


《いえ我が主。レッドベアーでもひとたまりも無いかと思われます。》


《了解。》


「お前の斬撃は軽いものなんだな?」


「そうだ!軽くやったんだ!」


「レッドベアーを両断するくらいのな。」


「そうだ!い、いや!違う!そんなに強くはない!」


「まあいい。どのみちお前たちに選べる未来は無いんだ。」


「た、たのむ!見逃してくれ!あとはおとなしく暮らす!」


「おとなしく暮らしたいのか?」


「そうだ。そうしたい!」


「なるほどね。それじゃあ物凄い拷問だけはやめてやる。ちょっとした拷問の後に死ね。」


「いやだ!いやだぁぁぁぁぁ!」


暴れようにも暴れられない。モーリス先生のパラライズは、ほんっっとに優秀だ。とにかく鳴き声と叫び声がうるさくてしょうがない。


「やめて!おねがい!」

「なんでも言う事聞く!」

「そうだ!俺も何でも言う事聞く!」


物凄い叫び声でギャーギャー言い始めた。モーリス先生に結界を張ってもらって正解だった。こんなのが村人に聞かれたらドン引きされてしまう。とりあえずモーリス先生の優秀な結界のおかげで外は無音だろう。


「なんでも言う事聞くか?それは嘘偽りないか?」


「する!なんでも!」

「わたしも!」

「おれも!」


「ダメ。」


「そんな…。」

「たすけて。」

「いやだぁぁ!」


「黙れ!話は終わりだ!」


「おねがい!おねがいぃぃぃぃ!」

「なんでもするぅぅぅぅ!」

「おれも!!!!」


《アナミス。眠らせろ。》


《はい。》


スッとアナミスから赤紫のガスが発生し、3人の日本人はぐっすりと眠ってしまうのだった。しかしその顔の表情は安らかな物ではなく、苦痛に歪みこの世のものとも思えない恐怖におびえていた。


「ラウル様…こんなに怯えさせる必要があったのですか?」


優しいラーズが聞く。


「ない。」


「そうですか。」


「ああ。」


ラーズが苦笑いをしながら、やれやれだぜのポーズをする。


「じゃあアナミスやろうか。」


「はい。」


アナミスが最初に手を触れたのは、ナガセハルトの顔だった。


「相手は日本人だ。魂核を触ればどうなるか分からん。」


「今のラウル様の魔力なら雑作も無い事ですわ。」


「そんなものかね?」


「この汚れたニホンジン達を素晴らしい人材へと生まれ変わらせましょう。」


「そうだな。早速やろう。」


そして俺はアナミスに大量の魔力を注ぎこむのだった。


今日、実質3人の日本人の精神は死に、新しい魂が生まれるほどに書き換えてやる。


魂核に書き込みをして”いい”人間に変えてやるために。

次話:第467話 日本人の面接


いつもお読みいただきありがとうございます。


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★★★★★の評価もいただけると嬉しいです。


引き続きこの作品をお楽しみ下さい。

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― 新着の感想 ―
[一言] 次回、勇者(笑)なDQN達の御奉仕奴隷としてのセカンドライフが幕を開ける!
[一言] 後腐れの無いように、ミリアにでも食わせちゃえば良いのに
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