「使徒」独占インタビュー記事〈今後について〉
◇まだ戦いは続きそうですが。戦いが終わったあとに、やりたいことや夢があったら、ぜひお聞きしたいです。
アンデレ「おれはスイーツのマイスターになって、いずれは自分の店を持って、たくさんの人を笑顔にしたいです!」
シモン「ボクはまだ、はっきりと将来のことは決めてないんですけど。せっかく学校で外国語を勉強してるので、それを生かせたらいいかな」
ヤコブ「俺は、継続教育カレッジを休学中なんで、とりあえず復学ですかね。あと……。ギターの練習ができるようになればと思ってます」
ヨハネ「僕は学校は卒業して、在学中に技術バカロレアを取得済なので、ホテルや外食産業の仕事に就ければと。ユダはどうですか?」
ユダ「私は、そうだなぁ……。国外に出たことがないから、いろんな国に行ってみたいですね。まずは、近場のフランスやイタリアあたりから」
シモン「そしたら。ヨハネが就職するホテルに、泊まらなきゃね」
ユダ「そうだね」
ヨハネ「まだ、どこに就職するかもわからないのに」
ヤコブ「俺らが泊まる時は、割引してくれるんだろ?」
アンデレ「だったら、おれも泊まりに行きます!」
ヨハネ「だから、まだ未定だから。しかも、そんな権限あるわけないだろ」
アンデレ「バンバン昇格して、偉くなればいいじゃないですか!」
ヨハネ「僕はユダみたいに、職権濫用はしない」
ユダ「酷いなぁ、ヨハネくん。私は、職権濫用なんてしたことないよ」
ヨハネ「心当たりがないようなら、僕があとで一覧を作成して、ユダのパソコンのデスクトップにしておきます(真顔)」
シモン「ペトロは? やりたいこととか、あるの?」
ペトロ「オレは……。今はまだわからないな。大学行くのも諦めて、もう行く気もないし。アルバイト生活続けてるかも」
アンデレ「えーっ! ペトロ、なんもやりたいことないのかよ!?」
ペトロ「今で精一杯というか。現状に満足してるから、終わってからのことはあんまり考えられないかな」
ユダ「モデルの仕事は? これだけ注目されてるのに、続けたいとは思ってない?」
ペトロ「うーん……」
ユダ「私は、やってほしいな(にこっ)」
ペトロ「……今はまだ考えられないけど……。その時、今よりやる気があったら、やるかも?」
◇ありがとうございます。それでは、最後の質問です。今後の目標がありましたら、教えてください。
ヤコブ「この街に平穏を取り戻す!」
シモン「やっぱり、それが一番の目標だね」
ヨハネ「そのために、僕たちは戦ってるんだからな」
アンデレ「おれも同じだけど、まずは力を使いこなして、どんな窮地でもみんなをフォローできるようになる!」
ヤコブ「頼りにしてるぜ。頑張れよ、アンデレ!」
ペトロ「オレも同じです。一人でも多くの人を救って、脅威から守る」
ユダ「敵にどんな理由があろうと、平和は維持されるべきです。人々の笑顔が絶えない日常は何気ないものであって、本当は儚いものだと思います。そのかけがえのない日常を、私たちが必ず取り戻します」
◇みなさんの強い思いの力を、垣間見られたような気がします。それでは、インタビューは以上となります。
ユダ「インタビュー中に悪魔が現れなくて、よかったです」
◇本当ですね。───本日は、お忙しい中お時間をいただき、ありがとうございました。みなさんのご活躍を、これからも陰ながら応援させていただきます。
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インタビュー中も和気藹々な雰囲気で質問に答えてくれた彼らは、帰る時にも、取材したわたしたちに手を振ったり、丁寧に挨拶をしてくれました。
笑顔や仲間への思いが素敵な印象と、使命感と力強い意志を見て取れましたが、今回、話をさせていただき、感じたことがあります。
それは、街のヒーローと言われている使徒も、本当はわたしたちと同じ普通の人間なんだということ。決して無敵のヒーローなんかではないんだと、認識を改めさせられました。
けれどわたしたちは、彼らに頼る他ないのも現実です。そんなわたしたちにできることは、使徒を信じて心から支えることなのではないかと思いました。
使徒のみなさん。今回は本当にありがとうございました。みなさんのご武運を、お祈りしております。
(インタビュー:カルラ・エルマン)
お遊びネタにお付き合いいただき、ありがとうございました
次は第6章の始まりです。ヨセフに先祖の記憶を見せられて、帰ってしまったハーロルト
五人となってしまった使徒を、死徒の統括マタイは今度はどんな方法で堕としに掛かるのか!?
そしてペトロは……
引き続き第6章もよろしくお願いします




