探索開始!
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種族レベルが上昇しました。1SP獲得をしました。
職業レベルが上昇しました。1SP獲得をしました。
従魔の種族レベルが上昇しました。
従魔の職業レベルが上昇しました。
従魔、カルナグトゥールが【尾撃】を獲得しました。
【杖】レベルが上昇しました。
【鎌術】レベルが上昇しました。
【鎌術】の武技、大飛斬を修得しました。
【知力強化】レベルが上昇しました。
【精神強化】レベルが上昇しました。
【体力回復速度上昇】レベルが上昇しました。
【魔力回復速度上昇】レベルが上昇しました。
【魔力精密制御】レベルが上昇しました。
【大地魔術】レベルが上昇しました。
【水氷魔術】レベルが上昇しました。
【火炎魔術】レベルが上昇しました。
【暴風魔術】レベルが上昇しました。
【樹木魔術】レベルが上昇しました。
【溶岩魔術】レベルが上昇しました。
【砂塵魔術】レベルが上昇しました。
【煙霧魔術】レベルが上昇しました。
【雷撃魔術】レベルが上昇しました。
【爆裂魔術】レベルが上昇しました。
【神聖魔術】レベルが上昇しました。
新たに聖光の呪文を習得しました。
【暗黒魔術】レベルが上昇しました。
【時空魔術】レベルが上昇しました。
新たに拠点転移の呪文を習得しました。
【虚無魔術】レベルが上昇しました。
【召喚術】レベルが上昇しました。
【付与術】レベルが上昇しました。
【符術】レベルが上昇しました。
【魔法陣】レベルが上昇しました。
【死霊魔術】レベルが上昇しました。
【呪術】レベルが上昇しました。
【罠魔術】レベルが上昇しました。
【降霊術】レベルが上昇しました。
【邪術】レベルが上昇しました。
【鑑定】レベルが上昇しました。
【暗殺術】レベルが上昇しました。
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今日は金曜日の夜。ゲームの中では昼過ぎだ。今から我々はヴェトゥス浮遊島の探索を開始する予定である。
ん?今週の平日は何をしていたのかって?あれから釣っては袋叩き、釣っては袋叩きを繰り返していたのだよ。泉にいた魚を半分近くまで減らしてしまったな。
この一週間はレベル上げに勤しんだ、という感じか。それでもレベル35なので2レベルしか上がってないがね。
現れた魔物は巨大魔魚ばかりだった。それも鯉が大半である。なので鯉ではない魔物を紹介しよう。
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種族:巨大魔魚・鱒 Lv43
職業:大地魔術師 Lv3
能力:【牙】
【魚鱗】
【体力強化】
【防御力強化】
【知力強化】
【大地魔術】
【水氷魔術】
【水棲】
【水属性耐性】
【雷属性脆弱】
種族:巨殺水馬 Lv44
職業:暗殺者 Lv4
能力:【口吻】
【敏捷強化】
【水氷魔術】
【隠密】
【忍び足】
【奇襲】
【暗殺術】
【水上移動】
【水属性耐性】
【雷属性脆弱】
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まあ、鱒の方は釣り上げてから魔術で抵抗してきた以外は対して変わらなかった。問題は巨殺水馬である。水馬とはなんぞや、というとアメンボである。アメンボの英名なんて初めて知ったわ!
ただ、奴等は決して油断出来る相手では無かった。音も無く水上を移動出来るので、釣りに集中していると容赦無く襲って来るのだ。それもご丁寧に背後から。
見た目はデカいアメンボなんだが…いや、まあそれも十分怖いんだが、とにかくそれの集団に襲われた時はかなりビビったね。ルビーが事前に気付かなければ、全滅もあり得ただろう。
さて、ではこれらの敵から何がドロップしたのかをご紹介しよう。
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魔魚の鱗 品質:良 レア度:C
魔物と化した魚、魔魚の鱗。
普通の魚鱗よりも圧倒的に固く、防具の材料に適している。
また、色合いや模様が美しいものはインテリアとしての需要がある。
水馬の口吻 品質:良 レア度:R
魔物化した水馬の、体液を啜るための器官。
金属と見紛う程に固く、刺突武器の材料に適している。
また、中空なので毒などを仕込むことも可能。
魔石(水) 品質:優 レア度:R
魔物の体内で生成される石。水属性の魔力を秘めている。
周囲の魔力を吸収・蓄積する。
吸収効率は品質に、最大魔力量はレア度に比例する。
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その他に魚肉的な食材系のアイテムもあったが、私に関係無いので割愛する。そう言えば、私が剥ぎ取った時に食材が一度も出た事が無い。必要無い物は出ないのかも知れないな。
それはともかく、武具の材料は素直に嬉しい。それに、属性付きの魔石もグッドだ。私の杖から排出出来る量には限りがあるし、ここぞと言うときには杖に吸収させる必要があるのでむしろ大量に持っておきたいくらいだ。
後は、カルの成長と新たな武技、そして魔術についてだな。カルはレベルを上げて一回り大きくなった。鳴き声はかわいらしいままだが、攻撃の鋭さと重さは確実に増している。
獲得した【尾撃】は尻尾での攻撃に補正がかかるようだ。カルの尻尾の先端には、剣のように変形した鱗が付いている。これで敵を切り裂く姿を見る日も近いだろう。
そして新たな魔術だが、墓守の所で増えた【錬金術】の混合獣作成から説明していく。これは専用の魔法陣を描いた後、その中に生物や素材を入れてから使うと、それらが混ざった魔物を生み出せる魔術だ。
生物は魔物は勿論のこと、獣でもいいし、人類でも可能らしい。混ぜ合わせる素材も何でもいいらしく、魔物からドロップした素材や鍛造した武器、果ては同じ生物でもいいようだ。組み合わせはまさに無限大だな!
しかし、素材同士の相性が悪いと失敗する事が多々あるらしい。また、失敗するとすぐに死ぬか狂暴になって暴れだすそうな。もしやるなら慎重に事を運ばねばなるまいな。
あと、何気に人類を素材に出来るのはかなりヤバい情報の気がする。ひょっとしたら、プレイヤーを素材にすることで魔物に変異出来るのでは…?まあ、失敗したら目も当てられない姿になりそうだがね。
次は【鎌術】の大飛斬だが…まんまだな。少しの溜めが必要だが、より強力な斬撃を飛ばす武技である。これからはこっちを多用しそうだな。
次の聖光だが、これは私が『呪いの墓塔』でボスをした時に勇者君パーティーの魔術師が使っていた術である。白く輝く光線が迸る術だ。しかし、明らかに邪悪な私から神々しい光が迸るのは何ともシュールだったぞ。
最後の拠点転移だが、これはリスポーン地点に戻る術だ。パーティーを組んでいると消費魔力は増えるものの、メンバー毎帰る事が出来るらしい。だが、今のリスポーン地点は蜥蜴人の村にある我々用の家なので、今は使っていない。もう一度ここまで来るのがどれだけ面倒だと思っているんだ?
「よし、では出発だ」
平日の成果を確認を終えた所で、今日からはヴェトゥス浮遊島の探索を開始するぞ!全員がしっかりレベルを上げたので、今ならあの鼠男王も倒せそうだ。
「はい!行きましょう!」
お、アイリスは張り切っているな。それもその筈、彼女は平日のレベル上げで進化を遂げたからだ。至った種族は職人大触手。身体が一回り大きくなって防御力が更に上がり、触手もより力強く動かせるようになったそうだ。魔物として真っ当に強くなった訳だ。
純粋な戦闘力が上がった訳だが、それだけではない。生産でも力が必要な時が多々あるらしく、とても喜んでいる。特に一定以上の筋力が無ければ出来ない作業がある【鍛冶】の幅が広がったのは大きいようだ。
とにかく、出発しよう。まず、空を飛べる私と源十郎、そしてカルでジゴロウとアイリスを泉の向こう岸まで運ぶ。二人とも中々大型の種族なので結構苦労した。その間、ルビーは水中で魚共が来るのに備えて見張りを頼んでいる。結果的には来なかったのだが。
さて、何事もなく泉を越えたわけだが、我々の前に広がるのは鬱蒼とした森である。何の変哲もない森に見えるが、その危険性はファースの西の森とは比較にならないだろう。気を引き締めて進むとしようか。
◆◇◆◇◆◇
「止まって。右前方に何かいるよ」
樹上を移動していたルビーからの警告に、我々は武器を構えて右斜め前に注意を払う。一分ほど経つと、何かがズシンズシンと音を立てて近付いてくる。
昼間だというのに日光を遮って辺りを暗くしている木々をかき分けて現れたのは、一つ目で禿頭の巨人だった。巨人は腰巻きを巻いただけの半裸で、額からは一本の角が伸びており、右手には木に石をくくりつけただけの石斧を握っている。鬼系の蛮族かな?
「グルルルル!!」
「敵だな。戦闘だ!」
【言語学】のお陰で我々に対して敵意しか持ち合わせていないことが伝わってくる。それに、出会い頭に吠えながら突撃してくる奴と仲良くしたいとは思わないしな。先ずは【鑑定】だ。
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種族:単眼鬼 Lv45
職業:狂戦士 Lv5
能力:【牙】
【爪】
【角】
【拳】
【蹴撃】
【棍術】
【斧術】
【体力強化】
【筋力強化】
【防御力強化】
【怪力】
【咆哮】
【単眼】
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能力の数はかなりのものだが、完全な脳筋…もとい、純粋な物理アタッカーだな。恵まれた体格を活かして潰しに掛かってくるに違いない。
ただ、【単眼】という能力の意味がよくわからないな。弱点…なのか?それとも【単眼】だからこそ出来る何かがあるのだろうか?
…いや、これは弱点だな。こいつ、私にとっては最高のカモかもしれん。試してみるか!
「魔法陣展開、砂風」
「ゴアッ!?」
やっぱりだ。今、確信したが、【単眼】は弱点だ。こうして目潰しをすると、何も見えなくなってしまうのだから。闇面でもいいかもしれんが、滅多に使わない【砂塵魔術】を活躍させる好機だし、こっちを採用だ!
「オラァ!」
「ふんっ!」
「楽チンだね!」
「キュー!」
「「大飛斬!」」
単眼鬼は空いている方の手で目を押さえつつ、石斧を滅茶苦茶に振り回す。それくらいしかやれる事はないからな。
しかし、ウチの前衛は化け物揃い。狙いも何も無い攻撃など意にも介さず、殴り、斬り付ける。近付くのが危険な私とアイリスは離れた場所から武技や魔術を叩き込み、カルは私の真似なのか魔術を放っていた。
「ガアアァァァ…」
鼠男王と同じレベルであることから、まともに戦えばかなりの苦戦を余儀なくされたはずだ。しかし、弱点を突かれた憐れな単眼鬼は一方的にボコボコにされてそのまま倒れた。
私達って、ヴェトゥス浮遊島に来てからこんな戦いばかりだな。いや、巨殺水馬とは正面から戦ったんだけどさ。あいつら細い見た目に違わず体力が低いのだ。だから攻撃に当たらないことにさえ注意しておけば案外どうにかなったのである。
私は別にいいんだ。楽だし。ただ、ジゴロウと源十郎が若干悲しげなのがなぁ…。強敵と戦いたいんだろうが、少しは我慢してくれ。頼むから!
「じゃあ、剥ぎ取りますね」
アイリスは触手を伸ばして単眼鬼に剥ぎ取り用ナイフを突き立てる。さて、一体何がドロップしたのかな?
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単眼鬼の角 品質:良 レア度:R
基本的に単体で行動する単眼鬼の雄々しき一本角。
金属よりも固く、かつしなやかさも兼ね備える。
加工は困難だが、良質な武具の素材となる。
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角、か。我々には腕の立つ職人であるアイリスがいるので、きっと良い武具に仕上がるだろう。
さてと、単眼鬼を楽に倒す方法はわかった。なら、普段通りに狩りまくりながら進むとしますか!
単眼鬼は狂暴にするか穏やかな鍛冶の一族にするかで迷ったのですが、結局脳筋にしました。筆者のイメージでは脳筋ですし、いいですよね?
日本では鬼と鍛冶は切っても切れない深い繋がりがあるので、鍛冶を好む鬼は登場させたいですね!




