97話 問題と身勝手
「へぇ〜、早乙女さんの所で同棲してるんだ」
「うん、そうだよ。昔から親が知り合いだったのから、日本に来る際に住ませてくれるんだ」
転校生でもあるシャルロットは、女子達に可愛い子供の様に見られながら、質問攻めされてるいる。
あの後、紗奈に裏で色々と口合わせの為に俺とシャルロットの親が知り合いにして、一緒に同棲をしてる事になった。
あれ?普通にそのまま伝えてない?普通に同棲してるし、親も知り合いっぽいし...許嫁の件を結局聞き忘れたな
「ウィダーソンの社長と知り合いな早乙女さんって結構大物だったりするのかしら?」
ウィダーソン家の知り合いだと気づき俺にお近づきたい者が現れて、俺を見ながら目を輝かせていた。
それを見て許さず、俺の周りに囲む様に灯里達が座り出した。
「なんなんだよ」
「くそ、羨ましいぜ」
「本当ウザいな」
周りからの男子達の怨嗟が聞こえて来る。
灯里達も俺の悪口を聞こえてきて、居心地が悪かったのか早々帰ろうと提案してきた。
「千秋君、帰りましょう」
「お、おう」
少し灯里は起こり気味だった、俺たちが立ち上がった事を見て、女子グループに囲まれていた、シャルロットと紗奈も一緒に帰ろうと立ち上がり俺たちの後を追って行ったのだ。
「あー!!本当ウザいです」
やはり俺の悪口を言って来る輩を気に食わなかったのか、灯里は珍しく怒ってくれていたのだ。
「おい!」
「あ?」
俺たちの後ろから、声を荒げて現れた男子生徒が現れた。
「お前が2年の早乙女千秋か?」
「そうだが?何か用っすか?」
見た感じ3年の先輩だろうか?3年に恨まれる覚えがないのに。
「ちょっと、面貸せや」
「は?」
どうやら、裏でボコられるらしい。あ、怖い怖い。
すると、俺を守る様に楓と灯里が前に立った。
「先輩方、千秋君に何の様ですか?問題を起こすなら教師に伝えますよ?」
「ちー君が無闇に人に迷惑を掛けないって分かってるの。ただただ、ちー君がウザいからって喧嘩売るのは違いんじゃない?」
「悪いがこれは喧嘩じゃないんだよ。少しだけ、そいつに話をさせて貰うだけだ」
「だから!!」
「もう良いよ」
ここで喧嘩して大事になっても灯里達が迷惑になるので、俺は2人の肩に手をポンっと置いて前に立った。
「すぐに戻るから」
「今回はあの先輩方に分からせるだけですから、見逃します」
「ありがとう」
灯里は俺が負ける事が無いと信じて、今からする喧嘩を目を瞑ってくれたのだ。流石に彼女達にも迷惑をかけるのなら話が違うと、少しだけ痛い目を合わせようと考えた。
「ついて来い」
俺は先輩達に案内され、学校の裏に連れてかれた。
学校の裏には20近くいる、1年生から3年生の男子生徒が待ち伏せをしていた。
「お前さ、SANAさんの知り合いって聞いんだけど、本当か?」
「ああ、なんだ?俺だけの為に俺をここに連れて来たのか?」
「威勢は上等じゃねぇか。まぁ俺が言う事はあまり近づくんじゃね?なんなら、他の女にもだ。どうやら、お前が独り占めしてるせいか見てて不愉快なんだよ」
「は?何でお前の言うことを、聞かなくちゃ行けなんだよ。俺は絶対にあいつらから、遠ざける行為はしないぞ?」
何故こいつの身勝手な提案に乗らなくちゃ行けないんだと俺は思い断ったら、いきなり俺の胸ぐらを掴んできた。
「この数が見えない様だな。少し痛い目にあって貰わないと分からないみたいだな」
「は?どの数の事を言ってるの?この人数で俺に勝てると言いたいの?まともに喧嘩した事ないガキが一丁前に調子に乗ってんじゃねぇよ」
「てめぇ!!」
俺に殴り掛け用としたが、俺はそいつの足を軽く薙ぎ払い転ばせた。
「はぁ、あまり問題は起こしたくなったんがな」
「おい!!」
周りにいた男子生徒らが襲うとした瞬間に後ろから威圧をかける様に俺達を呼んだ。
声の方向を見るとそこには、潤と大智に並ぶぐらいのイケメン男子が居たのだ。
「お前は転校生だよな?俺らに何の用だ?」
「その方を傷つけるのなら、私が許しませんよ?」
代表格とイケメンが同時に睨み合ったのだ。




